2016年12月31日土曜日

今年最後に

今年最後のブログです。去年の大晦日は来年(2016年)は世界に激震が走るだろうと予言しましたが、思ったほどではなかったですかね。

でもまあ、天災があったり、テロがあったり、イギリス離脱やトランプ勝利があったりして、大筋ではそれほど外れもしなかったように思います。

人の価値観については、もう後戻り出来ない勢いで変わってきてますので、「予言」というほどのものではないですが、だんだんと個人志向に根ざす価値観が世界の末端、たとえば僕が今いる日本のリハビリ業界なんかにも浸透し始めているように思います。

まだ何にも感じないという人は何か事が起こるまで待つしかないです。

来年は個人的には今年の流れを引き継いでいきたいですね。やるべきことは大凡はっきりしているので、着々と進めるだけです。

着々と事を進めていくと本当にチャクチャクチャクチャク頭の中で音が響くような感じがするのですが、たぶん幻聴なんだろうと思います。

でもそのくらいマラソンランナーがラップを刻むようにペースを守って前に進むといろんなことが片付いていくことは間違いないです。

とは言っても、一年先のことを正確に読み切れるほど、世界は単純ではありません。365日もあれば、必ずや予想外のことが起こります。

皆さんの身にも一年前には予想もしなかったことが今起こっているのではないでしょうか。僕の身には毎年そういうことが起こります。

来年の想定外に備えて今からしっかりと準備しておきたいですね。

もうあと10分ほどで年があけますが、どうぞ良いお年をお迎え下さい。

来年も宜しくお願いします。

2016年12月28日水曜日

ナマ心

昨夜は来年の計画の話をしたんですが、いろいろ事情があって今は書けないこともある。何事もパブリック全開でいきたいところではあるが、時には我慢も必要です。ここ数日で心に残ったことと言えば、人はみんな自分を守ることに懸命だということです。自分の身を守るためにはウソをつくことくらい平気のへっちゃら、究極的には自分が生き延びるためには他者を殺しても構わないと思っている。もちろん口では「殺す」なんて物騒なことは言わないですよ。多くの場合は「あなたのために...」と正反対のことを言ってのけたりするものです。でも、想いは必ず行為になって現われます。必ずです。スポーツにノーサイドはあっても実生活ではワンサイドがあるのみです。ま、多くの場合は「黙殺」であって、自分の目で血を見ることはないんだけどね。。。そんなことしたら自分の心が傷つくじゃないですか......。別に、そういうのは「最低だ」とか、「許せない」とか、「人間じゃねえ」とか、そういうことを言いたいわけではないんです。もちろん互いが助け合える社会であればそれはとても素晴らしいことではあるのですが、そのことを願う前に人間の生の心(ナマ心)をまずは理解することが大切かなと思うんですね。

2016年12月26日月曜日

来年の計画立てなくちゃね

急に年末感が漂ってきました。ほんの数日前までギンギラで平常通りだったのに。

いつも平常通りだと年がら年中プロダクティブなようにも思いますが、それだと長続きしないのかもね。

一年に四季があるように、熱なったり寒なったり速なったり遅なったりジグザグしながらロングラン。

人の生活というのはそういう風にして送るものなのかもしれません。

来年の計画立てなくちゃね。

正確に言うと、来年度の計画だ。

2017年度もセミナーで全国を巡る予定ですが、どう巡るかが問題です。

さらに、ここ2ヶ月ほどの間取り組んでいる新規の事業も春ごろには立ち上がる予定ですし、これを軌道に乗せながら年後半でさらに新規を一つ、二つ立ち上げていくのです。

計画からして無理ありますね...f^^。

でもそうやってスケジュールと格闘しながらできるところから形にしていくのです。

セミナーの方は3月19日(日)に東京会場の追加公演を行います。

昨日、参加者募集を開始してすでに10名ほど申込が入っています。定員30名なので直ぐに埋まってしまうかもしれません。

関東にお住まい・ご勤務の方はお早めにお申し込み下さいネ。

その他、福岡会場も開催が迫ってきました。こちらも残席わずかですので、お早めに☆

CBR全国ツアー2016 参加申込サイト
http://stellar-mind.com/cbr-basic-sp

年内に来年の計画立てておくと運気が上向くようですよ。

2016年12月25日日曜日

ブログ記念日

今日はクリスマスですね。

クリスチャンでも何でもない日本人がクリスマスにケーキを買ったりサンタの格好したりしてるのを見ると変に思う外国人や日本人は少なからずいると思いますが、個人的にはハロウィーンほどではないですね。

日本でXmasを祝う習慣は僕が生まれた時にはすでにあったし、何のことやら分からぬままにデコレーションケーキ食べたりするのは楽しかったですよ。

まぁ、本場のXmasと日本のXmasは全く違うXmasなわけで、本物のクリスチャンにとってみれば、日本のXmasはキリスト教にケンカ売ってるみたいなものなのかもしれないです。

表面から入ったきり、深入りしないというのは海外文化を取り入れる際の日本の流儀。

実はクリスマスはこのブログの記念日でもあるのです。

そう、今からちょうど5年前。この『脳科学者の身辺雑記』は産声を上げました。

ブログのタイトルは特に迷わず決まったのですが、今まで一度も不自然に感じることなく当初のタイトルのまま書き続けてくることができました。

ぶっちゃけたことを言えば、ブログで脳のどこそこがどうたらこうたらと言うのは全く興味がなかったし、とにかく日々の雑感を垂れ流す媒体として使いたかったのです。

そういう意味ではこの5年間、本当によく働いてくれました、このブログ。

先日ある人たちと、今の時代、自分の言いたいことを言うのに特に社会的な地位を得る必要もないよな、なんてことを話しました。

ひと昔前なら何かの学会やらどこかの出版社などから執筆依頼やら講演依頼やらを頂かないと世間に向かって発言するチャンスはなかったわけですが、今じゃ実績も肩書きも何もなくても発言しようと思えばできる時代なんですよ。

ブログなどの自分メディアを使えば、依頼者や編集者らの意向に囚われることなく、本当に自分が語りたいことを語れるわけだしさ。

このブログを書くことで帰国後いろんな人たちと繋がることができました。

CBRの活動もこのブログなくして成り立たなかったと思います。

これからの更なる5年でどのような展開があるのか。

自分でも全く予想がつきませんが、5年後のクリスマスに『脳科学者の身辺雑記』10周年を祝うことができれば、それはささやかだけどなかなか素敵なことじゃないかと思います。

2016年12月23日金曜日

破壊することです

昨夜は先週末の研修会に関する話を書きましたが(ほかとは違った...)、紹介した受講者からのコメントは、書き送ってくれた人だけが思っていることではなく、おそらく多くの人たちの想いを代弁したものではなかったかと思います。

みんな思ってるんだけど、口に出して言えないような場合ってあるじゃないですか。

そういう場合って、みんな口に出して言わないから自分だけが思ってるんじゃないかと思いますよね。

あるいは、自己催眠かけてしまう人もいるかもしれない。

これは正しいことなんだから疑問を持たずに覚えなくちゃいけない、ってね。

コメントの中に「宗教チック」という言葉が出てきましたが、教祖の言うことを無批判に信じようとする点では確かにそうですよね。

昔、オウム真理教に関する本を読んだことありますけど、「麻原の言うことだから...(正しいに決まっている)」と思考停止した人たちが沢山出てくる本でした。

信じるに足る証拠を集積して信用に至るよりも、初めから権威を拝んでその信仰と矛盾しない事実だけを採用していった方が楽だもんね。

僕のやりたいことの一つは、そういう信仰(思考停止)を破壊することです。

大学院生の教育はデトックスから始めるって以前にこのブログで書いたことありますが(そんなの院に来なくてもできるでしょ)、セミナーや研修会でもやりたいことは同じなわけです。

教育ってそのためにあるんだよ。

まぁ、もともと僕は無神論者だから。。。あ、いやいや違うな。違う神さまを信じているだけだと思う。

いずれにしろ、教育の目的は光を見せることである。

enlightenment...


さて、現在、月ごとに全国各地を廻ってますCBR全国ツアー2016。

福岡会場が満席となってしまいました......が、ちょっとオーバーシュートが激しいので増席して対応することになりました。

札幌会場に引き続いての増席です。

寒い1月の開催ですが、おそらく博多にドカ雪が来ることはないでしょう(あったりして...)

福岡は4月・5月に上位コースである「ベーシック・マスタープログラム」を開講する予定です。

現在開講中のショートプログラムは特典もあるし受けなきゃ損なので、お席があるうちに是非受けておいて下さい。

参加申込サイト
http://stellar-mind.com/cbr-basic-sp

まだまだ年は終わりません。

2016年12月22日木曜日

ほかとは違った...

久々のブログです。札幌へは飛べなかったですが、東京へは飛んで、その前後で学生講義があったり新規事業に関わる役所相手の仕事があったりと結構暇なく動いていました。

先週末、東京で開催した脳とバイメカ研修会は大盛況でした。やはり2日間あると伝わり方が違いますね。

懇親会やランチ会で受講者の何名かと話もできたし、こちらもいろいろと勉強させてもらいました。

講師の玉利先生とは問題意識を共有する点も多く、先生が講義で問題提起されたことを僕が口出しして深掘りしていくといった場面が何回かありました。

研修会が終わってから受講者の皆さんにコメントを送ってもらうようお願いしたのですが、今夜はその一つを紹介しておきますね。

ご本人の了解は取っています。というか、「使いまくって下さい」とのことでしたので...

================

二日間の研修会ありがとうございました。「有意義だった」という言葉では足りないくらい、今までの研修会にはない終わった後に武者震いするような、まさに「痛快」の一言に集約される研修会でした。

私自身、どこか宗教チックなPTの研修会に違和感しか感じておらず、研修会でみんなが先生の言うことに深く頷いて自分だけが違うことを感じていることを言い出せず、批判でもしようものなら非国民扱いされるのではという懸念の中モヤモヤしながら帰路につくといったことがたくさんあったのを思い出しました。

そんな中、本日のような研修会に参加でき、坂本先生はじめ玉利先生のあのやり取りに心踊ってしまいました。

脳科学がPT界で今とても盛んに研修会が行われており、私も何回も何回も研修会に参加していましたが、その知識を得てもそこから臨床へ落とし込む作業が皆無に近く、画像を見ても症状と一致しない、画像から脳科学を考えて予後予測してもその通りにならないということが続き頭を悩ます毎日でした。

でも今回の研修会に参加してその感覚は間違いではなく、何段階も飛び越えてしまっていることを求めていたのだということに気づき、とても今肩の力が抜け、改めて明日から臨床も勉強も意識高く取り組めそうです。

FacebookでCBRの存在は以前から存じ上げておりましたが、今回がCBRの研修会に参加するのが初めてで、また絶対に参加したい!!と強く思いました。距離があるためなかなか難しいかもしれませんが、東京での研修会の開催を強く希望致します!

================

そのほか、も一つだけご紹介。

================

先日、赤坂でのCBR 脳とバイオメカニクス研修会に参加させていただきました、〇〇と申します。 今回この研修会に参加し、今までいろんな研修会に参加してきましたが、今までにない一言では言い表せないような刺激を受けました。

人の身体、人生に関わる仕事ですが、常に臨床においても知識を増やしていくことは当たり前のことですが、その患者様の変化を誰がどうしたとかではないと思いながら、ただではどうやって変化して行ったのだろうと自分のフィードバックを思い返しながらも、正直日々苦悩しながらリハビリを行なっています。

今回の研修会において、知識を得ているだけで、安易にストーリーを作ってはいけないことの重大さを改めて感じ、かつ、基礎を十分に理解することの大切さを改めて感じました。 

本当にこの研修会に参加でき先生方と出会うことができたことに感謝いたします。 今後も先生のブログなど拝見させていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

================

日々臨床で戦われている先生方にご参加頂き、とても光栄です。

私自身は臨床の現場から長らく離れてしまいましたが、その分ほかで経験してきたことを臨床の最前線にいる人たちに伝えていきたいと思っています。

「ほかの研修会とは違った...」

コレ、僕にとっては最高の褒め言葉です。

今回、玉利先生と組んで出来たことは本当に大きかったですね。

これからもハイインパクトな研修会やっていきたいです。

2016年12月12日月曜日

皆さんに感謝です

昨日は1日快晴の神戸空港で過ごしましたが、おかげで普段できない仕事がはかどりました。一応、無料でラウンジ使えるのでこういう時にお世話にならないとね^^

旅行会社も良心的で経済的な損害は全て被ってくれました。僕ともめると裁判になること知ってたのかな.....ってわけないですよね。

もともとの取り決めで天災の場合は旅費全額返してくれることになっていたのです。

だから無駄になった費用と言えば自宅~神戸空港間の交通費約1500円。ただしこの中には駐車料金は含まれていません。神戸空港もこれまた良心的で1日駐めて無料なんですよ。

お金の話ばかりしていますが、誰が誰のために幾ら払ってくれているのかを知ることはとてもとても大事なことだと思う。

そこを抜きにしては、払うべき敬意も払えない、みっともない人間になってしまうように思うのです。

雪が降るのは誰のせいでもないし、リクルート、ANA、ホテル、神戸市、そしてその関連業者さんそれぞれにも少なからぬ損害が発生したはずなんですよね。

あ、そうそうそれとセミナー会場の方もこれまたご厚意で日程変更することで対応頂けました。

本当に皆さんに感謝です。

さて、札幌会場の振替日は3月頃を予定しています。また、その後も6月頃に追加開催する予定です。もうこうなったらじゃんじゃん旅行会社のお世話になって、秋頃には札幌でベーシックの本コースやっちゃいたいですね。

詳細が決まれば、今回の受講者の皆さんはもちろんのこと、このブログでもアナウンスしたいと思います。

ちなみに1月の福岡会場は昨日満席となりました。これから「キャンセル待ち」でのご案内となります。ご了承下さい。

来週末は東京で「脳とバイメカ」ですし、まだまだ年内営業中です。

2016年12月10日土曜日

飛びませんでした

札幌に記録的な雪が降り飛行機が飛びませんでした。予定の11時からしばらく待って、昼過ぎに一旦搭乗。みんな荷物を棚に収めて「さあ、出発だ〜」というところまで行っていたのに、「15時まで千歳が閉鎖」とのアナウンス。神戸は素晴らしい晴天なのに...。また荷物を下ろしてぞろぞろロビーへ。待つこと2時間。挙句の果てに欠航でした。。。

こういう旅行に出ると日常には無い待ち時間が沢山あってそれが脳への良い休息となるんだけど、今日もたくさん休息した。こういうタラタラ流れる時間は計画を立てたりマインドマップしたりするのに最適です。旅行に出かけ心がリフレッシュするのは名所巡りをしたり美味しいものを食べたりすることよりむしろこの退屈な時間にあるのかもしれないですね。

申し込みをして楽しみにしていた受講者の皆さんの中にはわざわざシフトを調整してやっとのことで都合をつけた人たちもいると思いますし、とても残念ではあるのですが、今日は早過ぎるドカ雪に行く手を阻まれてしまいました。明日のショートプログラム札幌会場は延期となりましたが、また計画を立て直して再び札幌を目指したいと思います。

2016年12月2日金曜日

芝居に喩えて言えば

12月17日・18日開催のCBR脳とバイオメカニクス研修会。本日、満席となりました。参加申込は開催直前まで受付けますが、キャンセル待ちへのご案内となります。

これまでにお申込み頂いた皆さま。誠にありがとうございます。

そして、おめでとうございます。。。だって、治療家として知っておきべきことを誰よりも早く知れるわけですから...。

講師の玉利先生には今、受講者の皆さんの期待に応えてもらうよう、私の方からも相当プレッシャーをかけています。

でも全然心配はしていません。先生は重圧が掛かれば掛かるほど力を発揮するタイプなのですv

当日は一体どんな展開になるのか。もちろん私もファシリテーターとしてその場にいますので、受講者の皆さんが疑問に思うところはどんどん代弁していきたいと思っています。

7月に京都で開催したマーク・ジョーンズ先生のセミナーでも通訳兼ファシリテーターとして現場に入りましたが、「抽き出し役」って結構好きなんですよね。

受講者に代わりいろんな問いかけをしていくことで、講師の力を最大限に抽き出すのです。

お芝居に喩えて言えば、主役ではなく脇役なんですけど、この脇役が上手いかどうかでドラマのクオリティーは決まってくると思うのです。

今回受講される皆さんもそういう観点から当日の進行を見てもらえると、研修会の味わいもきっと倍増することと思います。

1日目夜の懇親会はまだ空きがあるので、我々二人と食事しても良いよと言う人は坂本まで連絡下さい。

連絡先:坂本年将 Facebook(友達申請の上、メッセージをお送り願います)

2016年12月1日木曜日

マスターコース in 福岡

今夜2本目のブログなんですけど(1本目はこちら)、先ほど確認したら全国ツアー福岡会場が残り5席になってました。

まだ水面下で進めている話ですが、来年4月・5月に福岡でベーシックの本コース(マスターコース)を開講する予定です。

これまで3日間でやってたコースを4日間にする代わりに受講期間を2か月(土日を2回)に短縮します。

今回の全国ツアー参加者はショートプログラムの参加費をそっくりそのままマスターコースの参加費に充てることができるので、実質ショートプログラムは無料で受講できるようなものです。

マスターコースの受講を考えている人は是非ともショートプログラムでまず概略を理解することを検討してみて下さいネ。

「継続は力なり」とは、

言い換えると、

「繰り返しは力なり」

ですから。

大阪会場は2月19日追加公演決定です。

札幌はすでに満席ですが、その他の会場はまだ空きあります。

【CBRベーシック・ショートプログラム】

参加申込サイト
http://stellar-mind.com/cbr-basic-sp

もしくはこちらのブログから
http://www.toshiznet.com/2016/09/cbr.html

人の心を裏側から

11月も今日で終わりですね。今年もあとひと月ではありますが、フィニッシュライン(finish line)を超えるにはまだまだ長い道のりが待ち構えています。

でも、今から来年のこと考えるのも楽しいよね。

そうだな、来年は何か大きいことやるための土台になる一年にしたいですね。。。

あ、コレ、別に人より目立ちたいとか偉くなりたいとかそういうのではなくって、ただただ神さまとの関係を良くしていきたいってだけですけどね^^

人によっていろいろ違うとは思うけど、ある程度年齢を重ねてくると、不思議と若い頃に抱いていた自己顕示欲というか世間から認められたい気持ちというか、つまり他人の目を気にしながら生きることが次第になくなってきて、自分が心からやりたいことに純粋にフォーカスできるようになってくるように思うのです。

世間的に成功しているかのように見える人でもそばで見ると了見が狭かったりしてあまり魅力的でなかったりすることがありますが、僕はできればそういう風にはなりたくないんですよ。

あ、これも別に周りからどう見えるかということが大事なのではなくて、そんな風だとたぶん自分も成功している割にはどこかでビクビクしながら生きてしまってるんじゃないかと思うわけです。

ま、「大きいこと」というのがどんなことになるのか自分でもまだよく分からないし、本当に大きなことをしている人にとってはちっぽけななことで終わるのかもしれないですが、できれば、関わる人の心を裏側から大きく動かすようなことしたいですね^^

2016年11月29日火曜日

知性を測る物差し

さてさて今夜は短めの人生訓を。

質問の仕方がその人の人生の在り方を決めるという話。

どう問いかけるか、ですね。

たとえば、漠然とした問いかけだと、当然のことだが漠然とした答えしか得られない。

でもあまりにも限定された問いかけをすると、これまた限定された答えしか返って来ない。

良い質問というのは、おしなべて言えば、鋭く(的を得ていて)広がりのある質問なのだろう。

僕は人生のある時点までどんな質問をされてもできるだけ最良の答えに近づくよう必死で回答をしていたのだが、最近は相手の質問のレベルに合わせて気楽に回答できるようになった。

本当は真実はそこにはないと言いたい場面でもその人にとっては知りたい真実はまた違ったところにあるのだろうし、そこで我を張って持論を展開したところで相手がそれを受け入れることはかなり難しいことなんだと無理なく思えるようになったのです。

最近、目撃したケースだと、その人が今いる状態は僕から見ればかなりリスクがあると思うのだけど、その人にとってはそこから抜けて変わることがリスクであると感じている。

ま、よくあるケースですけどね。

これも少し問いかけの仕方を変えるとまた違った風景が見えて来るのだと思うのですが、結局はそうするために必要な大事な何かが欠けているのでなかなか違う形で問いかけることができないのです。

人間の習性として、今いる状態というのは実はかなり危険な状態であっても見えないものと比べれば安全に感じるものなのかもしれません。

話が少し逸れたんだけど、

問う力。

これも知性を測る物差しですね。

2016年11月28日月曜日

追加公演やります

さて、現在進行中のCBR全国ツアー2016。好評につき、大阪と東京で追加公演を開催することになりました。

大阪が2017年2月19日(日)
東京が2017年3月19日(日)

です。

明日、まずは大阪会場のご案内を事務局の方からさせてもらいます。

明日の夕方になりましたら、こちらのサイトから申込できるはずです。

■参加申込サイト
http://stellar-mind.com/cbr-basic-sp

そして、来月11日に開催の札幌会場もすでに満席で、現在キャンセル待ちを頂いている状況なのですが、こちらももし更なる需要があるなら来年4月以降に追加開催を検討したいと思っています。

札幌の皆さんで「別日でやるなら参加できる」という方がいましたらお手数ですが「キャンセル待ち」で登録いただき意思表示して頂けると話が具体化していくと思います。

皆さんの気持ちを表して頂いて、僕たちチームCBRを動かして下さい^^

キャンセル待ちのご登録もこちらのサイトから行って頂けます。

■参加申込サイト
http://stellar-mind.com/cbr-basic-sp

札幌はすでに雪が多いみたいですね。

僕は雪には慣れています。

アメリカにいた頃、2年ほどニューヨーク州にある Baffalo という寂れた田舎街で暮らしていたのですが、そこは毎年必ずハロウィーンになると初雪が降りました。

「初雪」と言ってもそんな可愛らしいものではなく、「ドカ雪」です。

夜にしんしん降り出したなと思っていたら朝は一面銀世界。

こんな日が翌年4月の終わりまで延々と続く街でした。

ボストンもそうですが、寒い場所には学問が生まれます。

家に閉じこもる時間が増えますので、自ずと人を思索へと向かわせるのです。

冬の札幌。勉強するには最適ですね。

今からとても楽しみです。

2016年11月27日日曜日

二刀流ができるこの時代

来月17日・18日開催のCBR脳とバイオメカニクス研修会。ここ1月ほど参加者を募ってきましたが、いよいよ残り3席となりました。

■参加申込サイト
http://stellar-mind.com/cbr-biomechanics

当初は最小催行人数10名でアナウンスしていたのですが、この枠は早々にぶっ飛んでしまいました。

これまで何度かこの研修会について書いてきましたが、

↓ ↓ ↓ ↓

CBR 脳とバイオメカニクス研修会
ボール球に手を出す人たち

日々、患者の歩行能力の改善のために格闘しているセラピストには是非とも参加して欲しいです。

特に若手の人で、これから脳科学とバイオメカニクスと二刀流でやっていきたい人は絶対に出ておくべき研修会です。

講師の玉利先生はもともと国立大の教育学部出身ですし、大学院は物理を駆使する
放射線医学(radiology)教室で研究者としてのトレーニングを積まれた、我が国では数少ない本物志向の理学療法士なのです。

そしてこれは実はご本人も内緒にしているのですが、こっそり秘密を開示しますと、臨床家としてのトレーニングもボバースと認知運動療法のコースを修了している筋金入りの魔術師でもあるのです。

投手でもあり打者でもある。プロ野球でも二刀流ができるこの時代。

学者と職人。脳とバイメカ。

リハ業界においても、両刀使いが出来て当たり前の時代は必ず来ます。

今回、その世界へと踏み込むためのチケットは残りわずかとなりました。

迷わずチャンスを活かして下さい......


◆==============================◆
 CBR脳とバイオメカニクス研修会
 〜歩行の神経科学とバイオメカニクス〜
◆==============================◆


■会期

1日目 2016年12月17日(土)13:30〜17:30
2日目 2016年12月18日(日)10:00〜16:00

■会場

東京メトロ赤坂駅周辺セミナールーム
*会場所在地はお申込み後お知らせします*

■講師

福岡国際医療福祉学院 専任教員/国際医療福祉大学大学院 講師
玉利 誠

■企画・コーディネーター

神戸学院大学 准教授/脳とリハビリ研究所 ディレクター
坂本 年将

■研修会プログラム

http://stellar-mind.com/cbr-biomechanics/program.pdf

■参加申込サイト

http://stellar-mind.com/cbr-biomechanics

■講師プロフィール

1998年宮崎大学教育学部、2001年宮崎リハビリテーション学院卒業。臨床を経て、2006年より福岡国際医療福祉学院にて教鞭を取る。2015年国際医療福祉大学大学院理学療法学分野講師。脳卒中・パーキンソン病患者らの脳画像・動作解析に取り組んでいる。自身の研究に基づき、これまで数多くの研修会にて講師を務める。セラピストの卒後教育分野において現在最も活躍する理学療法士の一人である。

■主催者プロフィール

1989年神戸大学医療技術短期大学部卒業。1994年まで神戸大学医学部附属病院理学療法部にて股関節症患者の運動力学的研究に従事する。1994年渡米。1995年ニューヨーク州理学療法士免許取得。その後、コロンビア大学大学院(修士)、MIT脳認知科学科大学院(博士)等を経て現職。『カンデル神経科学』をベースにしたニューロサイエンス基礎講座【CBRベーシック】を中心に、全国各地で基礎と臨床を繋げる各種セミナーを開催中。


主催:脳とリハビリ研究所(CBR)
運営:株式会社ステラマインド

2016年11月25日金曜日

平野をよろしく

明日から仙台で第14回日本神経理学療法学会学術集会が開催されます。

今、これ書いていて気付いたんだけど、「〜学会学術集会」って表現よく見かけますよね。

「学術集会」も「学会」って略せるから「〜学会学会」とちょい redundant な響きするんですけど、、、ま、どうでも良いことですかね^^

うちのラボからも大学院生の平野がポスター発表します。

★★平野の演題★★
11 月 26 日(土)15 時 15 分~ 16 時 15 分 ポスター P-1-A-6
手の運動における視覚・体性感覚の空間的適合性と運動錯覚リアリティ
神戸リハビリテーション病院 平野 達朗ほか

いろいろと苦労してここまで漕ぎ着けた平野のスピリッツがたっぷり詰まった演題です。

仙台の会場にいる皆さんは是非とも彼に一声かけてやって下さいネ。ぱっと見、すぐには理解できない内容ですが、きっと話せば分かるはず。

複数の感覚は脳で統合されて一つのまとまりある体験となりますが、そのメカニズムの一端を明らかにしようとしています。

みんな平野をよろしくネ。

2016年11月14日月曜日

スムース快調

ここ2日は名古屋で仕事でした。

大学の入試業務です。

2日とも快晴で気持ち良かったです。

最近は「ひつまぶし」とか「味噌カツ」とか「きしめん」などを総称して「名古屋めし」と呼ぶらしいのですが、なぜかどれも食べる機会がなかったですね。

残念です。

1日6食くらい食べれたら良いのですが、4食が限界です。

仕事の方はスムース快調でトラブルありませんでした。

試験直前に鉛筆買いに行く子もいたけど、近くにコンビニがあって良かったです。

日本は超便利ですね。

スーパー・コンビーニエント。

そのまんまですね。

駅前だと自分が立っている場所から100メートル以内に必ずコンビニか整体院かがあります。

今回の公募推薦入試を皮切りにこれから本格的な入試シーズンを迎えます。

わざわざ遠方から何を手がかりに神戸学院大学に興味を持つのか個人的にはとても興味のあるところですが、一つはやはり立地なんでしょうね。

神戸で大学生活送れるなんてちょっとお洒落な感じするじゃないですか。

ま、事実そうだからそう感じるのは仕方のないことだし、僕も神戸大好きです。

特にリハビリ学部がある有瀬は住みやすいですね。

食べるとこ沢山あるし部屋も安くてバイト先もゴロゴロある。

ここに4年もいたら他所で住むのためらうよ。

今の時代、偏差値が高い大学出たって幸せになれるとは限らないんだから、リア充重視で選ばなくちゃ。

そういう視点で考えると神戸学院大学ってシブい大学だと思うんだよね。

2016年11月10日木曜日

残り1席です。

CBRベーシック・ショートプログラム東京会場。

残り1席となりました。

11月20日開催です。

遠慮の塊とならないよう、誰かこの椅子をgetしてやって下さいね。

我こそはと思う方。目の前のチャンスをガバッと掴んで下さい。

決済のタイミングによってはキャンセル待ちをお願いすることになるかもしれません。

でも今すぐであれば空いてます。

参加申込サイト
http://stellar-mind.com/cbr-basic-sp

もしくはこちらのブログから
http://www.toshiznet.com/2016/09/cbr.html

東京で会いましょう。

無知で野暮で田舎者

トランプが勝ちました。これまでこのブログで書いてきたとおり僕は密かに(ま、とは言っても公表してるわけだから公然となんですけど...)彼が勝利することを期待してたのですが(「微妙なところで」「社会参加してる?」)、その通りになりました。日本株も米株も激しく下げました。米株についてはアメリカの利上げが今後頓挫するかもしれず今回の結果が少なくとも一時的な救いとなる可能性はあります。が、日本株はちょっとヤバいかもしれない。ま、僕自身はヤバくても全然構わないというか、ヤバい方が良いくらいなんですけど、日本の特に輸出関連の企業にとってはあまり歓迎すべきことではないのかもしれません。

今回の大統領選ではマスコミの世論調査とその報道が全く信用できないものであることが証明されました。国民の本当の想いを全く汲み取れてなかったのか、故意に事実を歪めて報道していたのか、とにかくもう誰もマスコミの言うことなど信じなくなるんじゃないか。事前の予想ではヒラリーが勝つ確率が80%だったらしい。。。アメリカで起こったことはいずれ日本でも起こるわけで、テレビや新聞が報じることを盲信する日本人の割合も次第に少なくなっていくのかもしれない(いかなかったりして...。報道の偏りと言えば、先の参院選を思い出すが、実のところは日本人が無知で野暮で田舎者だと思っていたトランプ支持のアメリカ人の方がよほど洗練された人たちなのかもしれませんね。

2016年11月5日土曜日

社会参加してる?

このブログを読んでいる多くの人たちは全く興味はないだろうが、11月に入り、アメリカ大統領選挙の日が近づいてきた。ヒラリーのメール問題でトランプ優勢との報道も出てきているようですね。僕自身は以前にも書いた通り(微妙なところで)、トランプが勝たないものかと密かに期待している。政治のことはよく分からないが、自分のカネで戦っているT氏の方が何かとしがらみのない政治ができそうである。また、Brexit の時のようにT氏が勝てば金融市場に大きなネガティブインパクトを与えることになり、そちらの方向に賭けている組にとっては居心地の良い時間帯を迎えることになる^^。いずれにしろ、こういう世界的なイベントと自分の実生活をリンクさせて生きることはとても大事だと思う。なぜならそれはそれで楽しいし、「社会参加してる」という実感も持つことになる。リハビリでも「活動と参加」は大事だって言うからね...

さて、選挙といえば、7月の参議院選が終わり約4か月になる。その後、当選した人たちの活動を追っている人たちはどれくらいいるのだろうか。リハビリ系議員も先の選挙で新たに一人誕生したのですが、今一体何をされているのか把握しているリハ同業者はどれくらいいるのだろう? 選挙中もみんなで乾杯してエイ・エイ・ヤーみたいな感じばかりで、これといった政策は全くなかったのですが、当選後、俄かに活動が具体化するわけはないですよね。やはり同じノリですよね...。僕は違う人に投票したので何かを期待する立場にはないのですが、何かを期待して投票した人たちはちゃんとその期待が実現に向かっているかどうか確認した方が良いですよ。もちろん何を期待してるのか自分でも分からないまま投票した人がほとんどだと思いますけども^^。ま、選挙とはそういうものなのかもしれませんが、そのことで本当の志を持って選挙に挑んだ人たちが影で落選してるのかもしれません。いずれにしろ、投票しっぱなしでは何も変わらないと思いますネ。

2016年11月3日木曜日

ボール球に手を出す人たち

12月17日・18日東京で開催の「CBR脳とバイオメカニクス研修会」。

参加申込を開始して2週間となりますが、現在、続々と申込が入っており、定員30席のところ既に20席が埋まっています。

この企画は、7月に京都で開催したマーク・ジョーンズ先生の国際セミナーと同規模のものとなりますが、その時よりも速いペースで申込が入っています。

マーク先生の時は満席となった後、急遽増席しましたが、今回は会場手配の都合でそういう対応はできません。

だから少しでも興味があれば、早く座席を確保しておいて欲しいのです。

自分で企画しておいて言うのもなんですが、このセミナーは本当に価値があります。

脳科学やバイオメカニクスに詳しいその道の専門家は星の数ほどいますが、「歩行」というテーマに的を絞り、セラピスト目線でそれらをまとめて話せる人はなかなかいません。

講師の玉利先生はもともと国立大の教育学部出身ですので、地頭が良いというか教養があるというか、教えるのがとても上手いです。

そして何よりも批判的に物事を捉えることができる。

コレ、いちゃもんつけるとかそんな話ではないです。

話の筋が通っているかどうか(つまり、make sense であるかどうか)を見極める選球眼があるってこと。

若手の人たちがまず身につけなくちゃいけないのはこの選球眼なんだってば。

ボール球に手を出す人たちが多いからこのことはなおさら重要。

イチローは子供の頃、家の近所のバッティングセンターで毎日親父さんと特訓をしていたそうですが、ボール球は全て見送っていたとのことです。

このセミナーで、打つべきボールだけを打てるようになって下さい。

参加申込サイト
http://stellar-mind.com/cbr-biomechanics

もしくはこちらのブログから
http://www.toshiznet.com/2016/10/blog-post_91.html

2016年10月29日土曜日

画期的な研修会です。

先ほど朝日新聞の記事をFBでシェアしました。先月、こんなブログ(コピペの文化)を書いたばかりなんですが、それを証拠立てするような話です。今のところ事実関係が争われているようなので断定的なことは言えないけど、あまりにもタイミングが良すぎるなと思ってね。ブログで書いた「コピペ」は「盗用」という意味ではなかったんですけど、考えてみればこういうのは狭義の意味での「コピペ」だね。。。リハビリ職の世界は知識に対するリスペクトが根本的に欠けているので、この手の話題はこれからもちょくちょく出て来ることでしょう。

*****

さて、玉利先生と12月東京で開催する「脳とバイオメカニクス研修会」。現時点で定員の半分が埋まっています。歩行の神経科学と動作解析がまとめて学べる画期的な研修会です。歩行に興味のあるセラピストは全員集合!と言いたいところですが、その中でも特にこれから患者の診方を確立していこうとしている若手の人たちに参加して欲しいです。神経系だけ、または運動器系だけ診ているセラピストはまだまだ沢山いますが、どちらも診れて当然という時代は必ずやって来ます。と言うか、この研修会を通じてそういう時代を引き寄せたいです。この想いを共有する方、是非とも参加して下さい。

参加申込サイト
http://stellar-mind.com/cbr-biomechanics

もしくはこちらのブログから
http://www.toshiznet.com/2016/10/blog-post_91.html

*****

昨夜の話の続きですが、最近、「難しい」と言っていろいろと難しい理由を見つけてはやろうとしない人に出会いました。実はそんなに難しい話ではなくて人が違えば割と簡単にできることだったりしたのですが、考えてみると結局はその人が持つ「難しそう」という印象が「難しさ」を作り出していることに気づきました。もちろんトライしてアレコレやることで思ってもみなかった「難しさ」を理解することはあるわけですが、同じ「難しさ」でもその中身は全然違います。出来ることなら、やって知った「難しさ」を知っている人とお付き合いしたいですね。

2016年10月27日木曜日

サッポロ満席です。

西川の満塁弾、良かったですね。僕は子供のころ甲子園球場の近くに住んでいて阪神ファンだったのですが、今はほっともっと球場の近くに住んでいてオリックスファンで、基本的にパリーグを応援しています。野茂にしろ、イチローにしろ、松坂にしろ、ダルビッシュにしろ、田中にしろ、大谷にしろ、パの選手は個性的な実力派が揃っています。広島ファンには悪いですけど、このまま若い日ハムに優勝して欲しいですね^^

*****

CBR全国ツアー2016。先日、大阪公演が終わりました。なかなか熱いです。12月の札幌会場は満席となり、今、キャンセル待ちの状態です。申込自体は受付けていますので、興味のある方は取り合えず申込手続きをお済ませ下さい。空きが出次第、事務局より順次ご案内させて頂きます。11月の東京会場は現時点で残席4とのことです。こちらも場合によっては今日、明日中に埋まる可能性もありますので、参加予定の方は早めにお申し込み下さいね。大阪会場での反応からすると、多くの受講者にとっては新鮮な神経科学の話になると思います。PT・OT・STのほか、アスレティックトレーナーや柔道整復士の方々にもご参加頂きました。

参加申込サイト
http://stellar-mind.com/cbr-basic-sp

*****

さて、ここ数日、神経科学とは直接関係ないんですが、同じ話(依頼事)を違う人たち(でも皆さんそれぞれ同業者)にする機会がありました。面白いことにみんなそれぞれ違う形で反応します。あからさまに嫌な顔をする人もいれば、際立って協力的な姿勢を見せる人もいて、ほんと世の中いろいろだと思います。で、その中でどういう人が最も効率的に結果を出して来るかを何となく意識して見ていたのですが、今のところ、この案件に対して感情的に中立な人たちが素早く動いてくれていますね。ネガティブな感情を持っていてはもちろん良い仕事を期待することはできませんが、表立って関心が強いからと言って肝心の仕事がトントン進むかというとそれはまた別の話なのかもしれません。まぁ、まだまだこれから時を経ないと真価は分かりませんが、いろいろ勉強させてもらってます^^

2016年10月22日土曜日

言を成す

いよいよ明日からCBR全国ツアーが始まります。大阪会場です。

9月以降、ちょくちょく大阪に出る機会がありますね。決まった職場もなく、また行きつけの店もないのですが、今週は明日で3回目です。

占いによると、夏以降、人生の風向きが変わるということでしたが、なんか本当に西風が吹いてますね。

八卦も馬鹿にできません。

楽し過ぎて大変ですが、満足することなく、明日の大阪会場からその楽しさを倍増させて行きたいです。

11月の東京会場は残席6、
12月の札幌は残席2、

となっています。参加予定の方はお急ぎ下さい。

参加申込サイト
http://stellar-mind.com/cbr-basic-sp

または

こちらのブログから
http://www.toshiznet.com/2016/09/cbr.html


*****


さて、ここ最近、「誠」という言葉について考えることがありました。

「誠意」とか「誠実」とか、日常的にもよく使われますけど、分解すると「言」を「成」すと書きます。

口だけじゃなくそれを成すことが「まこと」であると。嘘、偽りの反対です。

で、「誠意」というのは、「言を成す気がある」というだけなので、その気持ちが実行に移されるかどうかはまだ分からない。でも、「誠実」になると、「言を成すことを実行する」や「実現する」となって、魂の位が一つ上がるように思うのです。

僕のこれまでのささやかな人生経験からすると、誠意がある人は沢山いるんだけど、誠実な人はなかなかいないように思います。

たぶん、「誠意」が意味するものを本当に、つまりそれを頭ではなく身体で理解していないと「誠実」というレベルにまでは辿り着かないんだろう。

英語は動詞に細やかさを感じることが多いですが、漢字を作り出した人たちにも圧倒的な知性を感じることがちょくちょくあります。

2016年10月19日水曜日

やらず仕舞いで終わらぬよう

CBRベーシック・ショートプログラム大阪会場。今週末10月23日開催です。まだお申し込みを受け付けていますので、この機会を生かしたい方は、こちらのブログ、または直接こちらの申込サイトからお申し込み下さい。

11月20日東京会場、12月11日札幌会場はまもなく満席となる見込みです。興味のある方は、やらず仕舞いで終わらぬようサクサク行動して下さいネ。

*****

さて、先日このブログでご案内させて頂いた大学院生の募集の件ですが、

■ 2017年度大学院生第二次募集

さっそく一人内定しました。

まだ入学試験はありますが、大学院入試というのは試験前に指導教員が受け入れ意思を示すことが最も重要なステップになりますので、ここを通過すれば、ほぼほぼ決まりです。

よく知らない人にとっては「大学院」と聞くだけで何となくハードルが高そうに思えるかもしれません。が、日本ではまだまだ志願者が少ないので、入試競争率で見れば一部のエリート校を除いてどこの大学も(四捨五入すれば)「1倍」なのです。

で、話は少し逸れましたが、先日のブログから少し事情が変わりまして、うちのラボでもう一人か二人、新規に採用できる見込みとなりました。

これまで入学してきた大学院生もそうなのですが、僕のラボの場合、基本的に院生の「持ち込み案件」に対して指導します。

指導の中でテーマが大きく変わっていくことはありますが、教員がテーマを持っていて「これやりなさい」と割り振ることは院生にその希望がない限り行いません。

院生の相談相手というか、助言者というか、コンサルタントというか、一緒に考えながら進めていきます。

ですので、もし僕の指導を受けたいということであれば、研究の細かなジャンルはさておき、取り敢えず企画を持ち込んでみて下さい。その上で、一緒にやった方が良いかどうか判断します。

なぜか一部の人たちには「敷居が高い研究室」と思われていて、進学先として敬遠されたりすることがあるようですが、実際に僕と話してみることもなく判断するのは勿体無いと思います。

確かに、なんでもかんでもバリアフリーで良いとは思っていませんが、学生がアイデアを出すことに関しては相当自由で、その点に関しての敷居は圧倒的に低いです。

来年2月の入試までまだ少し間がありますので、実力を付けたい方、自信を付けたい方、人脈を作りたい方、キャリアアップを目指したい方など、うちの研究室に興味のある方は連絡して下さい。こちらも「やらず仕舞い」で終わらぬようサクサク行動して下さいネ。

連絡先(Facebookで友達申請の上、メッセージを送って下さい)

ありがとうございます。

2016年10月16日日曜日

体感寿命

10月も半分終わりました。いつもの通りあっという間に時が流れましたが、短期的な時の流れと長期的なそれとは逆相関することをご存知でしょうか。トーマス・マンの作品『魔の山』の中に確かそんなことを書いたくだりがあったはずです。日々、時計を見ながら退屈に過ごすとその時はなかなか時間が経たない。例えば、楽しくもない仕事をしたり授業を受けたりしてる時。でもこういう実体のない時間というのは、後から振り返ればその間に何があったかも思い出せないほど、時の流れを速く感じます。逆に、何かに熱中している時には時間はあっという間に流れていきますが、振り返れば「まだ◯ヶ月」「まだ◯年」といった具合に意外と時を経てないことに驚いたりするのです。つまり、その時その時を全力で生きれば生きるほど、その人が体感する人生の持ち時間は長くなるということでしょうか。「健康寿命」という言葉はよく聞くけど、その人がどれだけ人生を味わい尽くしたかを表すには「体感寿命」という言葉の方が良いかもしれない。自分の人生に対する満足感や達成感ともきっと密接にリンクしているはず。

2016年10月14日金曜日

歩行の神経科学とバイオメカニクス

12月17日・18日の二日間にわたり東京でCBRセミナーを開催します。

◆==============================◆
 CBR脳とバイオメカニクス研修会
 〜歩行の神経科学とバイオメカニクス〜
◆==============================◆

神経科学とバイオメカニクスをまとめて学べる二日間の研修会です。





私、坂本の企画・司会進行のもと、講師に福岡国際医療福祉学院の玉利誠先生をお迎えします。

玉利先生とはネットで繋がり始めて2年ほどになります。

私のこのブログ「脳科学者の身辺雑記」に毎回いいね!をしてくれる人がいて、「この人誰だ?」と思いメールしたのが始まりです。

初めてお会いしたのは昨年5月。東京で開かれた全国理学療法学会でした。

「初対面なのに全くそんな感じがしませんね」と話が弾み、半年後にはセミナー開催。

これまで、

【CBRシンポジウム2016】(神戸)

【CBR熊本地震復興支援チャリティーセミナー】(福岡)

【CBR2016】(淡路島)

で先生のご専門である脳画像解析のお話を中心に講演して頂きました。

今回の研修会では玉利先生のもう一つのご専門である動作解析の話を加え、神経科学とバイオメカニクス(運動学)の観点から歩行について解説して頂きます。

神経科学と運動学は理学療法士にとって最も重要な基礎学問ではありますが、この二つの領域を融合する試みはリハビリテーションの世界においてこれまでほとんどなされてきませんでした。

これは両者に精通するセラピストが数少ないということでもあり、この不足を埋める教育プログラムの開発が急務であると考えてきました。

身体運動の制御は感覚機能を介した筋骨格系と神経系との相互作用によりなされています。

セラピストはこの仕組みを包括的に理解することが必要です。

私が知る限り、玉利先生はこの仕組みを初学者に効果的に教授することができる数少ないセラピストの一人です。

本研修会では、学生や若手が知識ゼロからでも理解できるよう、初日に加速度、モーメント、パワーといった物理学の基本的概念の解説から講義を始め、歩行に関わる関節運動の法則性を力学的に理解していきます。

そして2日目にはその関節運動を制御する神経系の働きについて、近年の脳画像研究からの知見や症例検討を交えて学習していきます。

先にも述べましたが、これまでのリハビリ業界では学校教育においてもそして学会においても神経系と運動器系は別物として扱われてきたように思います。

しかし、当然のことながら、人の身体運動において両者は密接に関係しています。

世界の学術は着々と学際化の方向に進んでおり、リハビリの世界においてもやがてこの波は訪れることでしょう。

「神経系が専門です」「運動器が専門です」といった専門性が意味を成さない時代が来るということです。

これからリハビリテーションを学んでいく学生や若手はキャリアの出来るだけ早い段階でそのことに気づき、視野を広げ統合する術を身に付けていかなければなりません。

この研修会がその一つのきっかけになれば幸いです。

また、今回の研修会では、会期中、受講者の皆さんが講師の玉利先生、そして私(坂本)と身近に話ができる会食の場(懇親会)も用意しています。

先着希望者4名限りの特別企画です。

普段はなかなか聞けない臨床での疑問や、効果的な勉強法、キャリアの築き方など、この機会に自由にお話してみて下さい。

*懇親会 2016年12月17日(土)会場周辺 19時〜21時まで*
講師・主催者との会食。先着希望者4名限定(会費別途4,000円)

私の経験からも言えることですが、誰を知っているか、誰と繋がるかは、仕事をしていく上で、あるいは人生を生きていく上でとても重要です。

共に学んでいきましょう。

次世代のリハビリテーションを担う皆さんへ。

数多くのご参加お待ちしています。


◆==============================◆
 CBR脳とバイオメカニクス研修会
 〜歩行の神経科学とバイオメカニクス〜
◆==============================◆


■会期

1日目 2016年12月17日(土)13:30〜17:30
2日目 2016年12月18日(日)10:00〜16:00

■会場

東京メトロ赤坂駅周辺(徒歩圏内)セミナールーム
*会場所在地はお申込み後お知らせします*

■講師

福岡国際医療福祉学院 専任教員/国際医療福祉大学大学院 講師
玉利 誠

■企画・コーディネーター

神戸学院大学 准教授/脳とリハビリ研究所 ディレクター
坂本 年将

■研修会プログラム

http://stellar-mind.com/cbr-biomechanics/program.pdf

■参加申込サイト

http://stellar-mind.com/cbr-biomechanics

■講師プロフィール

1998年宮崎大学教育学部、2001年宮崎リハビリテーション学院卒業。臨床を経て、2006年より福岡国際医療福祉学院にて教鞭を取る。2015年国際医療福祉大学大学院理学療法学分野講師。脳卒中・パーキンソン病患者らの脳画像・動作解析に取り組んでいる。自身の研究に基づき、これまで数多くの研修会にて講師を務める。セラピストの卒後教育分野において現在最も活躍する理学療法士の一人である。

■主催者プロフィール

1989年神戸大学医療技術短期大学部卒業。1994年まで神戸大学医学部附属病院理学療法部にて股関節症患者の運動力学的研究に従事する。1994年渡米。1995年ニューヨーク州理学療法士免許取得。その後、コロンビア大学大学院(修士)、MIT脳認知科学科大学院(博士)等を経て現職。『カンデル神経科学』をベースにしたニューロサイエンス基礎講座【CBRベーシック】を中心に、全国各地で基礎と臨床を繋げる各種セミナーを開催中。


主催:脳とリハビリ研究所(CBR)
運営:株式会社ステラマインド

神経系が専門です

だいぶ涼しくなってきました。1週間ほど前までむんむんに暑かったですけど、ここ数日は上着がないと寒いです。

さて、今夜は以前にこのブログでも予告していた12月東京で開催のCBRセミナーを紹介させて下さい。

【CBR臨床教育セミナー】
脳とバイオメカニクス研修会

神経科学とバイオメカニクスをまとめて学べる二日間の研修会です。

福岡国際医療福祉学院の玉利誠先生が講師を務めます。

これまでのリハビリ業界では学校教育においてもそして学会においても神経系と運動器系は別物として扱われてきたように思います。しかし、当然のことながら、人の身体運動において両者は密接に関係しています。

理学療法の世界では、近々学会が細分化され、各専門分野ごとの分科会が独自に開かれるようになるとのことですが、この流れとは逆に、世界の学術は学際化の方向に進んでいます。

リハビリの世界においてもやがてこの学際化の波は訪れることでしょう。

つまり「神経系が専門です」とか「運動器が専門です」といった専門性では通用しなくなる時代が来るということです。

少なくとも、これからリハビリテーションを学んでいく学生や若手はキャリアの出来るだけ早い段階でそのことに気づき、視野を広げ統合する術を身に付けていかなければなりません。

明日(と言ってもすでに日付が変わっていますが)、この研修会の参加者募集を開始します。

明日のブログFacebookをお楽しみに。

2016年10月11日火曜日

回復期に慣れると...

さて、間を空けてここ2回ほど新卒が地域の仕事に就くことについて書いてきました。理学療法士の新卒の話です。


このテーマで書くことになった発端は、ちょっとした縁があって関わらせてもらっている診療所のPT(理学療法士)とやり取りしたことです。

入院・外来もあるのですが、どちらかというと訪問リハとデイサービスが主体の診療所(グループ)で、個人的に求人の相談を受けています。

僕の周りにいる学生にも声をかけるわけですが、毎年ほぼ全ての学生が病院系志望なのでなかなか難しいんですね。

理学療法士にはまだまだ職場を選ぶ余裕があって、僕が知る限りでも、「来て欲しいのに来てくれない」という施設が少なからずあります。

小さな規模でやっている所や介護系は学生が敬遠する傾向にあって、この両者が組み合わさると、つまり小さな介護系になると、新卒採用は厳しいです。

そんなところから、学生が病院を希望する動機は何なのか、ほんとうに病院から始めないと地域に出ることはできないのか、と考え始めたわけですが、その時にそのPTと交わしたやり取りがあるので、以下にまとめておきますね。

ちなみにそのPTとは、尼崎市を拠点とする阪神医療生活協同組合(診療所グループ)で今、精力的に活躍されている射手園将太先生です^^

一つのエリア内に数カ所の診療所があり、うまく連携・役割分担しながら尼崎駅周辺の地域医療を支えているダントツに地域密着型の診療所グループです。

実は僕も子供の頃、この診療所にお世話になっていたのです...

神戸学院の学生かどうかに関わらず、興味のある学生さんは僕に連絡して下さいね。あ、もちろん既卒でも構いませんので、転職をお考えの方もご連絡を。

連絡先:http://facebook.com/toshiznet
*メッセージは事前に友達申請頂けると確実に届くかと思われます


******


S(坂本)「おはようございます」

I(射手園)「いつもお世話になっています」

S「先日、一人決まったようですね」

I「はい」

S「その新卒の方は、応募に際してどんな動機を持っていたんですか? 」

I「動機ですか?」

S「ええ。家から近いとか、給与が良いとか、仕事の内容に惹かれたとか、決め手になるものが分かると、学生に声かけする時の参考になると思うんですけど」

I「そうですね。在宅医療をやっていきたい人で、まずは対象者とじっくり長く関われるデイケアで働きたいという希望がありました」

I「決めるにあたっては、①職場の雰囲気・取り組み方、②1年目からデイケアで働けるのか、③勉強が出来る環境であるかの3点が大きかったようです」

I「①は家庭的な雰囲気で利用者さんとも関わりやすく、スタッフ同士も仲が良く情報の共有や連携が上手く取れていてチームとして対象者にアプローチが出来ているということ、他事業所のスタッフとも連携を取って出来ているのが良い点と見て頂きました」

I「②はうちの体制がその方の希望に沿っていたわけです」

I「そして③は、私自身がその学生さんの在籍されている大学でそこの教員と一緒に実技の勉強会を行っているので、その評判を聞かれていたのと、組織として地域で一番信頼される施設を目指して質を向上させることをテーマに、スタッフそれぞれが勉強を行い、互いに刺激し合いながら取り組める環境で、勉強会も開催したり他の病院や施設などとも連携を取って勉強していることも、学生さんが勉強していく、働いていくにあたって一緒に取り組みたいと思って頂けたことが大きかったようです」

I「また、来年度から二つの大学の教員と来年度から研究で協力していくことや、僕が大学で行っていた勉強会を第一診療所か医生協診療所で行えることになったのも要因ですね」

S「スタッフの構成はどうなっているんですか」

I「医生協診療所(入院・外来)は常勤2名で8年目、9年目の方がいます。第一診療所は僕が11年目で、非常勤がPT3名、OT2名。5~25年目のスタッフがいますので、どちらも勉強するのに困らないスタッフだと思います」

S「一般的に学生は新人を指導する体制のある大きめの病院、特に「回復期」を希望する人たちが多いんですが、本当にそこからスタートすることで力が付くのか疑問なんですよ。射手園先生ご自身の経験から思うところなどがあればそれも学生に声かけする時の参考になると思うんですけど」

I「僕も疑問に思っています。学校で教員からそのように言われるケースも多く、学生も疑わずにそういうものと捉えている現状は把握しています」

I「僕は急性期を少し、回復期の立ち上げとその後少し、慢性期の病院や老健、デイケアの立ち上げ、訪問リハの立上げ、スポーツトレーナーを少し経験してきました」

I「急性期でのICUや心リハ、呼吸リハ、発症後・術後早期はとても楽しく、リスク管理の勉強に大きく役立ちました」

I「慢性期ではリスク管理もそうですし、ポジショニングやシーティング、在宅生活を想定した取り組みや、実際に自宅での様子をみながらの練習を行うことが出来るので、生活に直接関わってのリハビリが楽しかったです。他事業所も含めたスタッフとの連携も大事になってきますし、多くの人と関わってアプローチすることを学べると思います。また、高齢の方に短時間で効果を出すには、動作観察・分析や評価、治療などの技術が高くないといけないですし、自宅内の環境変更や動作の変更など訓練以外の要素の大事さも学べると思いますし、総合的な能力が一番上がるのは在宅かなと思っています」

I「回復期は自分がやっていて楽しくなかったのが強く印象に残っています。正直何もしなくても良くなっていく対象者が多く、自分が行っていることと自然治癒を誤解しているような方も多かったです。治療時間もかなり長くなるので、周りを見ていて無駄な時間も多いと感じましたし、自分は1単位でのリハビリに慣れていたので、多くの時間をかけてしっかり診れたのは良かったですが、長すぎるという印象でした。否定はしないですが、回復期に慣れると他の所ではいきなりは通用しないと思っています」

I「上手くお伝えできてないかもしれないですが、簡単にまとめると、どんな環境でも自分がしっかりとしていれば勉強は出来ると思っています。依存的になりたい気持ちはわかりますが、自分で切り開いて行きたい、成長したいという気持ちが大事だと思います」

S「今後の求人でもそういう人を採りたいわけですね」

I「はい。僕たちはそう思うスタッフの集まりなので、正直軽い気持ちで来ると厳しく感じることも多いかなと思いますが、今回決まった学生さんも自分から成長したいという気持ちが強い方でしたので採用しました。モチベーションと行動力が大事で、それをアシストしつつ一緒に成長していける環境が僕たちの施設だと思っています」

I「働くにあたっては、給料や休みなどの条件にこだわっている方もおられますし、もちろんそれも大事なことですが、長く働いていただく、モチベーションをもって仕事に臨んでいただくには、その施設の方針であったり取り組み方に共有できるかが大きいと思います」

I「僕たちが地域で発信し続けていることが少しずつ周知されてきて、周囲の病院や施設から問い合わせや依頼が増えてきました。時折、勉強会の依頼があるなど、まだ小さいですが少しずつ確実に前進しているかなと思っています。ただ採用となると発信力が弱いと思いますし、上手く出来ていないのだと思います」

S「地域医療からキャリアを始めることに不安がある人も多いですよね」

I「そうですね。でも、医生協診療所の方は入院・外来部門での求人になりますので、なんとか見つかれば良いなと思っています。うちの診療所にも最初は老健に入職しPTとしてのキャリアをスタートさせた人がいます。1年目の半年ほど指導者として僕も関わりその後も経過を見ていましたが、今は立派に医療の部門で結果を出していますし、通所や訪問リハへの理解も十分あり、退院時にサービスの紹介など自宅での生活を円滑に行えるようマネジメント出来ています。そのためケアマネさんや地域の病院などからの信頼も得られ、介護部門との連携もスムーズになっています」

I「介護で働いたからその後がダメだということは無いと思います。個人の考え方や行動力、経験をどう活かすかなど、個人的な要因が大きいのかなと思います」

S 「皆んながそうしているから自分も...という形で進路を決める人も多いですしね」

I「介護領域や診療所など、地域に根ざして活動するような小規模のところはどうしても人気の無い分野になり求人で苦労しますが、良さもしっかりと理解して頂いた上で学生さんが病院と合わせて検討出来るような流れになって行けば良いなと思っています」

I「広報は行っていないですが、職場体験なども行っており、以前は神戸学院大学からも一人学生さんが来られていましたし、他の学校の学生さんも来ることがあるので、そういうところも今後、情報発信していけたらと思っています」

2016年10月10日月曜日

都市伝説を信じて

10月だというのに暑いよね。他の地区は分からないけど、神戸地区は暑いです。10月に入ってからぐんぐん気温が上昇している。感じがする。。

でも裏手の山を散歩してるとそれは四季の確かな移ろいの中で起こるつかの間の上昇局面であることがよくわかる。

若◯ゲのごとく足早に葉を散らす木々もあれば、ロマンスグレーのようにまだらに色づく木の葉もある。

自然とは偉大なものだ。人間の揺れ動く不確かな感覚などお構いなしに、正確に時を刻み我らを約束された次なる季節へと運んでいく。。。

*****

さて、ひと月ほど前にこんなブログを書きました。

新卒で地域リハってどうなん?と。

「地域リハ」とは不思議な言葉であるが、よくよく話を聞いているとどうやら病院外で行うリハみたい。

まぁ、ぶっちゃけた話、病院外で行うリハならホットパックやってもROMやっても雰囲気的には地域リハが成立するってことなんだけど、業界的には病院リハより難易度が高いと思い込まれている節がある。

そして多くの学生はその都市伝説を信じて病院に職を求め、そちらでホットパックやったりROMやったりするわけです。

まぁ、実際、現場の人たちの話を聞いてみると確かに患者さんのお宅に伺ったりするので、リハする環境が教科書的に整備されていなかったりして、やりにくいという側面はあるようだ。

でも別の見方をすれば患者が実際に生活する場で効果的に動く術や心の持ちようを直接的に指導できるわけだからこれ以上ない絶好の治療環境と言えなくもない。

要はそのための教育が不足してるだけなんじゃないか? 臨床実習もほとんどは病院でやるからね。

この時期、毎年やっていることだけど、先日、授業の一環で学生たちを通所施設に連れて行き、そこで働くうちの卒業生たちに話をしてもらった。

その中には新卒で訪問リハ(患者宅での理学療法を)始めて数年経過した人もいたけど、特に支障なくやっていた。

結論としては、学校と職場の教育体制が病院リハに対するそれと比較し整備されていないことが学生を不安にさせているだけで、病院での経験を経た後じゃないと地域に出れないといった階層性はそこにはないという話だと個人的には解釈した。

別に新卒は地域リハから始めた方が良いというようなことを言いたいわけではない。ただ、患者の生活に密着したリハをやりたい人が病院から始めてわざわざ遠回りする必要もないんじゃないかと思うだけです。

*****

追伸:

CBR全国ツアー2016大阪会場。開催まで残り2週間となりました。早く学べば学ぶほど、学んだことを活かす時間に恵まれます。そして余計なことを学ぶ時間が省けます。

もし10月23日を自由に使うことが出来るのなら、私と大阪で会いましょう。

CBRベーシック・ショートプログラム
http://www.toshiznet.com/2016/09/cbr.html

講義シラバス
http://stellar-mind.com/cbr-basic-sp/program2016.pdf

参加申込サイト
http://stellar-mind.com/cbr-basic-sp

何事も、やらず仕舞いで終わるほど哀しいものはないです...。

2016年10月5日水曜日

そんなの院に来なくても出来るでしょ

ある占いによると先月中頃から人間関係の組み替えが起こりやすくなっているらしい。人から聞いた話なので僕個人についての話なのか人々一般についての話なのかは分からない。

僕自身について言えば、今のところ特にそれを体感することはないのだが......あ、いやいや、少しあるかもしれないな。。。

気持ち的には少しモデルチェンジしていきたいと思い始めています。

で、今日はその一環として、スマホを格安プランに変えてみた。

auからmineoへ。

電波の感じがどうなるのか分からんけど、月々の使用料は軽く3,000円以上安くなる予定。

微々たるものかもしれないが、なんかとても良いことした気分。。。

***

さて、先日、大学院生の募集につきブログを書きましたが(こちら)、

院生って何やるの?

ということについて今夜は少し書いてみたいと思う。

理学療法士などのリハビリ系の人たちは、案外、「大学院」ってどんなところなのかよく分からないという人たちも多いのではないでしょうか。

まだまだ院に行く人の数も少ないですしね。いや、ホント少ないです。

基本的には修士2年、博士3年で、その間に研究論文を書いてそれぞれの学位を取ることになりますが、その他にも講義科目が幾つかあって、特に修士の1年目は講義で出される課題に時間を取られることもあります。

うちのラボの人たちはみんな平日の昼間に本業を持っていて、大学に登校するのは夜か土曜日です。でもそれも修士の1年目くらいで、講義の単位が全て取れてしまえば、本当に時々しか登校しなくなります。

うちの院生で週1回くらいですかね。

もちろん、彼らの勤務先や自宅などで実験データを取ったり論文書いたりしているので大学に来ている時しか活動していないというわけではないです。

でも、多くの人にとっては、思ったより「ソフト・スケジュール」に聞こえるんじゅないでしょうか。

求められる研究のレベルは指導教員によります。

だから院生をやるにあたって教員選びはとても大事なステップになります。

「そんなの院に来なくても出来るでしょ」

というものも中にはありますが、いろんな意味で仕方のないところもあります。

僕自身は、本業の合間にするパートタイマーの研究なので、その制約の中で出来る最良の研究を目指してもらうようにしています。

だから、データ収集に時間がかかるようなものは極力やらないよう指導します。

研究のコンセプトは重視するけど、方法は簡便であることにこだわります。

それによって「院に来なくては出来なかった研究」に仕立て上げていきます。

上手くいかないこともあるかもしれませんが、これが基本的な姿勢です。

院生指導の経験から言うと、まずは「デトックス」の期間が必要になります。

院生、特に現場経験をある程度積んだ人が、それまでのキャリアの中で築いてきた価値観を崩していく期間です。

もちろん無理に崩す必要はないですし、僕もそれを無理に意図しているわけではないですが、それが必要ないのであれば、わざわざ大学院にまで来て勉強する必要はないと思います。

いかがでしょうか。たぶん、分かったような分からないような話でしょうが、まとめますと、

大学院は、

■思ったよりソフト・スケジュールである
■そんなの院に来なくても出来るでしょという研究も中にはある
■パートタイムなので時間のかかることは極力しない
■方法よりもコンセプトを重視する
■デトックスの期間が必要である
■価値観が変わらなければ意味がない

といった感じです。

学位を取ってキャリアアップ......

という点については、また今度機会がある時に書いてみます。

2016年10月2日日曜日

2017年度大学院生第二次募集

2017年度大学院生を募集しています。

神戸学院大学総合リハビリテーション学研究科坂本年将研究室です。

一次募集はこの9月に終了しました。

1名採用となりました。

二次募集でも1名採用したいと考えています。

現在、当研究室では運動学習と習慣形成をメインテーマとし、

■ 感覚構築のメカニズム
■ 慢性疼痛のメカニズム

を研究しています。

ヒトを対象とする基礎研究、臨床研究を主に心理物理学的な手法を用いて進めています。

究極的にはヒトの認知システムの理解に基づく新たなリハビリテーションアプローチの創出を目指しています。

なぜ、感覚構築や慢性疼痛の研究が運動学習や習慣形成の研究になるのかさっぱり訳が分からないという方は、坂本までご連絡下さい。

Facebookからメッセンジャーで連絡頂けると助かります。「友達」でない場合はメッセージが届かない場合がありますので、友達申請の後に送信頂けると間違いないかと思います。

但し、お問い合わせはうちの研究室の院生としてトレーニングを受けたいと本気で検討している方に限定させて頂きます^^

二次募集は来年1月に願書提出、2月に入試があります。

入試情報サイト
http://www.kobegakuin.ac.jp/admission/postgraduate

それまでに研究計画をある程度まで煮詰めていきますので、もし興味がある場合はお早めにご一報下さい。

学部生を含め、理学療法士を中心とするわずか10名ほどのラボですが、脳とリハビリ研究所(CBR)の活動の中で、業界リーダー格の他施設セラピストと多数交流する機会もあります。

また、CBRセミナーで講師デビューすることも可能です(実績あり)。

連絡先:
坂本年将 facebook
https://facebook.com/toshiznet
*申請は全て承認します

目の前にあるチャンスを掴んで下さい。

神戸学院大学
脳とリハビリ研究所(CBR)
坂本年将

脳科学的に見るとどうなんですか?

一応、「脳科学者」と自称しているので、一般の人たち(ここでは科学や医学以外の人たち、もちろんリハビリ専門職も含まれる)と話していると、いろんなことに対して「脳科学的に見るとどうなんですか?」と質問されることがある。

たとえば、「私、ドーナツ好きなんですけど、これって脳科学的にはどうなんですか?」とか、「今年、厄年なんですけど、脳科学的に何か気をつけることはありますか?」みたいな質問です。

実際にはこの通りの質問を受けたことはないですけど、ま、要するに「この手の質問」ということですね。

誤解のないように付け加えておくと、別にそういうことを聞かれることが嫌だとか面倒だとか言いたい訳ではありません。

むしろ、それはそれで話のきっかけになるので、「脳科学者」を自称していて良かったなと感謝すべき瞬間なのかもしれませんね。

でも同時に「そんなの分かるわけないじゃないですか...」とか「そんなの脳がどう働いていようがどうでも良いじゃないですか...」と思うことも多々あるわけです^^

こういう時に「海馬がね...」みたいな感じでウンチクかます人もいるのでしょうが、個人的にはそういう脳科学者は信用してないです。

その手の人たちってリハビリ界隈にもよくいるんだけど、そのウンチクを自分で編み出したわけでもなく、テレビや新書や週刊誌が情報源であったりするような話をよく真顔で出来るよなと思っちゃうんですよね^^

そんな質問を受けた時には一応その辺りの事情をお伝えした上で、「海馬がね...」みたいな話もするようにしていますが、あと何年くらいこの脳科学ブームって続くんでしょうか。

ま、人の占い好きが昔から変わらないように、ブームが去ってもルーチーンとしてある程度は残るんでしょうけども。。。

取りあえず納得するための道具って必要ですもんね^*

2016年9月29日木曜日

殺すかどうかはさておき

アナウンサーの長谷川豊さんという方のブログ記事が話題になっているようですね。今日の朝日新聞で読んだんですが、この記事を理由にテレビ大阪の番組を降ろされたとか。不健康な生活習慣により人工透析を受けるまでになった患者など自業自得なんだから高額な保険医療を施す必要なんてない。殺せ、と主張されたそうです。もちろんこういう発言は批判しやすいので、世間からは「酷い」「最低」「人間失格」といった罵声が浴びせられている。僕自身も注目を集めるためであるにせよ「殺せ」という言葉までわざわざ使う必要はなかったと思う。でも、この人の主張にも一理あって、保険医療のあり方については国民一人一人が理解して、それがどうあるべきかを考えていかなくてはならないと思う。これは透析治療に限ったことではなく、日々の飲み過ぎ食べ過ぎ運動不足による病気の治療、自己の不注意によるケガの治療などについても同様なことが言えるのだろう。「殺す」かどうかはさておき、みんなで出し合った保険料がどんな人たちのために使われているのか、税金の使い道と同様に、国民が関心を持つことくらいは許されるべきではないか。たとえばの話、その保険料がヘビースモーカーや大酒飲みの治療のために使われているのなら、タバコを吸わず酒も飲まない人の多くは釈然としないものを感じるだろう。。。話は少し飛ぶんですが、日本の医療は特別で、「自業自得」で抱えてしまった問題を公金で救済する仕組みが確立されているんですよね。働かなかったり無計画にカネを浪費して自業自得で貧乏になった人や事業に失敗し借金抱えて自殺しようとしている人たちには冷たかったりするのにね。それだけ医療は社会保障の最後の砦で特別扱いされているんでしょうが、超高齢化社会を迎え、無制限な人道主義を唱えることも現実的に難しくなってきているんじゃないか。。。まずは、健康であるよう努めることが自分だけではなく世の中のためにもなることを一人一人が自覚できるようにすることが大事だと思います。

2016年9月28日水曜日

微妙なところで

忙しい日々が続きますが、オフィスで仕事ばかりしているわけではありません。仕事か遊びか微妙なところで時を過ごすことも多く、覚醒している1日16時間ほどの間、ずっと仕事をしているようでもあるし、ずっと遊んでいるようでもある。好みはあるでしょうが、個人的には幸いそういう形で生活できていることをとても有難いと思っている。振り返れば若い頃からこういう生活を目指して着々と準備してきたというところもある。思えば叶うというほど人生は単純なものではないと思うが、人間というのは、自ら気づいているかどうかはさておき、その人が心の底で思い描いている人に近づいていく傾向はあるように思う。。。さて、久しぶりのブログですが、実は書きたいことリストは溜まっている。でも今日は再開したばかりだし、他愛もない話をしよう。アメリカ大統領選挙の話だ。ヒラリー優勢の状況ではあるようだが、僕はひそかにトランプが勝てば面白いことになるのではないかと期待している。今年の初めに、戦争とか災害とか市場暴落とかが起こり、世界の在りようが大きく変わり始める1年になるかもしれないとこのブログに書き留めておいたのだが、もしトランプが勝利することになれば、その予感が現実味を帯びてくるかもしれない。ヒラリーが削除したという大量のメール。近々公開されないかな^^

2016年9月21日水曜日

物語のある島で

すでにFacebookでたくさん投稿してますのでご覧になって頂いている方もいるかと思いますが、先週末はCBR2016でした。今年で4回目で、毎年、淡路夢舞台で開催しています。この学会のカラーと会場の雰囲気、淡路島の雰囲気がとてもピッタリとマッチしていて、本当に夢舞台サマサマ、淡路島サマサマですね。この島には国生みの神話があり、また人によればこれからこの島が世界の中心地になっていくとか。まぁ、そんなことが起こったとしてもそれは何十年、何百年単位の長い長い話なんでしょうが、子孫のことを考えると今からこの島の土地を少しづつ買い進めていくのも良いかもしれませんw。近所にこういう物語のある島があって嬉しいです。。。毎年この学会をやってきて気づいたのですが、この学会に参加する人たちって楽しいことが好きというか、基本的な姿勢として、人生を楽しもうとしている人たちです。それは間違いなく言えますね。。。今回は学会テーマである「インテリジェンス」を軸にいろんなテーマを盛り込んでいたのですが、各テーマ単体でも、そしてそれらを組み合わせた全体としても快調にワークしたと思います。学会が終わり、会議場を出る前にご挨拶のビデオを収録しました。宜しければご覧下さい。


 

2016年9月16日金曜日

コピペの文化

さて、今日もあっと言う間に日付変わっちゃいました。今日の勤めは終わったことにしてこのまま寝ても良いかと思ったけど、ちょっと気が向いたので書いておこう。

ひと月ほど前からインスタグラムに投稿始めてます。Facebookだけでも十分なんですが、ちょろっと大した意味もなく写真を投稿したい時もあるので、そんな時には使えるかもね。

FBは30過ぎた人たちが人生の教訓とか重たいこと投稿してたりすることが多いので若い人たちには鬱陶しく感じることもあるかもね。

そんなのじゃなくって、若手はもっとダイレクトに、シンプルに、そしてアバウトに、視聴覚を刺激するものの方が分かり合えるのかもしれない。。。

でまぁ、それはさておき、最近、ネットとリアルの両方で、療法士のセミナー業界に関する話(同じ話)を幾つか耳にした。

若手の人たちがセミナーに出て、それをそのまま自分のセミナーで受け売りしているという話。

まぁ、僕自身はそういうセミナーに出たことがないので、それが事実なのかどうか見極めようがないのですが、何人もの人が口を揃えて同じようなことを言っているのでおそらくそういうこともあるのでしょう。

そういうのは詰めていけば法的にも問題になり得るのだろうけど、周りで見ている人たちからすれば、それ以前にみっともないからやめて欲しいという思いが強いのかもしれません。

でも、こういう話を聞くと、確かに受け売りしている若手を批判する人たちの気持ちも分かるけど、僕はどちらかというとそういう人たちが世に出て来る土壌の方に目が行くな。

なかには「明日から使える」とか「一発で治る」とか、イージーなコンテンツ売ってる人たちもいるみたいだけど、そういうのが売れるというのは結局のところ、業界自体がそのレベルの人たちの集まりなんだよね。

もちろん、知識や技術の中には明日から使えるものもあるだろうし、一発で治るものもあると思う。でも、それだけでやっていける世界って何か安っぽい感じしますよね。

たとえば、医者の世界で「明日から使えるオペテクニック」とか「一発で治る薬物療法」みたいなセミナー開催して人集まるかな?

弁護士だと「明日から使える法律解釈」とか「一発で決める尋問術」とか、そんなセミナーになるんでしょうか?

受け売りの話に戻るけど、日本の療法士の世界って、たとえば教授クラスや教祖レベルの人でもほぼ例外なく他所(よそ)から聞いてきた話の受け売りなんだよね。その人たちが書いた本や論文の内容にしても、実質的にはコピペなんですよ。

僕、最近、療法士の学会に行くようになって分かってきた。行く前からも分かってたけど...

そういうノウハウというか、受け売り文化が業界に根付いているから、一部の野心ある若手が同じような段取りで勝負しようとしているだけのように思うんですけどね。

ま、別にそれが良いとか悪いとかの話ではなく、ただそうなんだろうと思うだけですけども^^

2016年9月15日木曜日

CBRベーシック・ショートプログラム

★ 脳とリハビリ研究所 ★
〜CBRベーシック・ショートプログラム〜

<基礎編> 神経解剖学・電気生理学・分子生物学
<システム編> 感覚・運動・情動・学習・記憶

『カンデル神経科学』をベースに神経科学の基礎を学ぶ1日完結の研修会です。

下のポスターをクリックすると、概要がコンパクトにご覧いただけます。

 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 





10月23日(日)大阪会場を皮切りに、東京、札幌、福岡、名古屋、高松の全国6都市を巡ります(現在、参加受付中の会場は、3月19日東京会場、4月30日高松会場、5月7日札幌会場です)。

一日限りのセミナーなので深くはカバーできませんが、これを受講することで、神経科学の世界的スタンダードの一端に触れることができます。

テキストの『カンデル神経科学』は2000年にノーベル医学・生理学賞を受賞されたエリック・カンデル先生が中心となり編集された神経科学界におけるバイブルです。

私も随分前になりますが、MITの利根川先生経由でPNASに投稿した論文をカンデル先生にレビューしてもらったことがあります。

好意的なレビューをしてもらったんですが、他のレフリーからの評価が辛く、結局採択には至らなかったんですけどね...f^^

今回はそのカンデル先生の代表書籍をテキストに、神経科学界が長年にわたり積み上げてきた知の全体像を日本のセラピストに伝えることで、ささやかではありますがご恩返しできればと思っています。

この全国ツアー参加者への特典も用意しています。

詳しくは、

講義シラバス
http://stellar-mind.com/cbr-basic-sp/program2016.pdf

もしくは、

参加申込サイト

をご覧下さい。

神経科学または神経リハビリテーションを学び実践していくための指針を得て下さい。

全国各地に『カンデル神経科学』のエッセンスをお届けします。


**********
脳とリハビリ研究所
〜CBRベーシック・ショートプログラム〜
**********

日程:

*現在、3/19東京会場、4/30高松会場、5/7札幌会場のみ参加申込を受け付けています*

2016年10月23日 大阪会場 (終了)
2016年11月20日 東京会場 (終了)
2016年12月11日 札幌会場 (3/26に順延)
2017年01月15日 福岡会場 (終了)
2017年02月12日 名古屋会場(終了)
2017年02月19日 大阪会場 (追加公演)
2017年03月12日 高松会場 (満席)
2017年03月19日 東京会場 (追加公演)
2017年03月26日 札幌会場 (満席)
2017年04月30日 高松会場 (追加公演)
2017年05月07日 札幌会場 (追加公演)

* いずれも同内容です
* 参加を希望する会場を選択して下さい

講師:

脳とリハビリ研究所
ディレクター
坂本年将

主催:脳とリハビリ研究所(CBR)
運営:株式会社ステラマインド

**********


申込方法などの詳細は、

参加申込サイト

をご確認下さい。


脳とリハビリ研究所
ディレクター
坂本年将

2016年9月11日日曜日

全人的復権

9月17日・18日開催のCBR2016でランチ会をします。

学会2日目、会場の淡路夢舞台にあるアート山美術館で開催します。

今回、このランチ会に建築家の伊藤壽浩先生をお招きし、ちょっとしたセミナーをやります。

建築と芸術と宗教に関わるお話です。

伊藤先生はこれまで30年以上にわたり、住宅、学校、病院など、数多くの作品を手がけられてきました。

どれも大胆で個性的な作品です。

先生が建物をデザインする時のインスピレーションがどこから来るのか?

今回のセミナーでは、僕が常々伊藤先生にお聞きしたかったことを(その手がかりを)お話頂けるのではないかと思っています。

脳とリハビリの学会に建築の話なんて関係あんの?

と思う人たちも少なからずいると思いますが、これは単なる余興としての教養講座ではありません。

人の生活における建築の役割を突き詰めて考えると、建築もまた、その他の芸術と同様に、人がその心を取り戻すためのリハビリテーションの手段になり得ることが分かるはずです。

このランチ会だけの参加も出来ますので、興味のある方はこのブログ末尾に記載の要領に従いお申込下さい。

先日、伊藤先生からセミナーの抄録を送って頂きましたので以下転載しておきます。

***********
9月18日 CBR2016ランチタイムセミナー
〜建築・芸術・宗教〜
伊藤設計室 伊藤壽浩 先生
***********

そもそも建築は絵画、彫刻、音楽まで包含した総合芸術でした。

さらに建築史を彩る教会や神殿は宗教施設であり、エジプトのピラミッド、ギリシャの神殿、キリスト教の教会という西洋建築史の発展は、その後近代まで続く人間と神との関係の変化そのものであり、言いかえれば人類意識の発展の歴史そのものだと私は考えます。

この発展は社会構造が根底から変化した近代に至ると決定的な変化を迎え、人間は自らを神から完全に遮断することになります。

現代建築の起源ともなったこの時期の様式が目指したものは、文化、風土、立地の特性といった地上的な要素を考慮する必要のない極めて概念的で抽象的な建築でした。

科学の発展と経済原理による一元化と共に人間理性による支配は続き、現代その潮流はさらに速度を速めているように見えます。恐らくそれほど遠くない将来、建設と言う行為は現在とは全く異なるものとなるでしょう。

豊かな特性を持つ自然な素材に取って代わり、強さと可塑性を持った樹脂のような素材を人の手に代って3Dプリンターが加工することになるでしょう。

そして法的、経済的条件整理のみを行ってきた建築家はAIに取って代わられ、そこに更にVRも加わって虚実あいまった世界が生まれるようになるのかもしれません。

それがいかに自然や人間性に反するように見えようとも、避けて通れない道なのでしょう。

しかし逆にこうした事態そのものが、本当に大切なもの、人間がすべきことを教えてくれる又とない機会となるのかもしれません。

建築はそもそも芸術であり宗教でした。かい離した肉体と精神の再統合という古くて新しい課題の為に、いまこそ建築が本来の役割を果たすべきだと私は思うのです。

<抄録ここまで>

***********

建築も心と身体の問題、リハビリテーションに深く関わっているのだと思います。

*********
CBR2016ランチタイム企画
〜アートに触れる〜
*********

日時:2016年9月18日(日)11:30〜14:30
会場:アート山美術館(淡路夢舞台内)
講師:伊藤設計室 建築家 伊藤壽浩 先生
会費:2,500円(入館料・昼食代込)現地払い

申込方法:

1)お名前、2)おところ

をメールでお送り下さい。

メールアドレス info★stellar-mind.com(★を@に)
件名は「CBR2016ランチ会」でお願いします。

また、CBR2016への参加もまだ受け付けています。9月17日・18日に都合のつく方、今度の連休を有意義に過ごすチャンスですよ。

人生、キャリアの転機になるかも....


CBR2016参加申込サイト
http://stellar-mind.com/cbr2016

皆さんのご参加お待ちしています。

*********

【伊藤先生プロフィール】建築設計事務所勤務を経て渡独。自由ユーゲントゼミナールでルドルフシュタイナーの思想や芸術を幅広く学んだ後、キリスト者共同体自由大学にて人智学、キリスト教を深める傍ら建築設計事務所で研鑽を積む。1989年伊藤設計室を設立して現在に至る。2001年NPO法人京田辺シュタイナー学校開校と共に宗教専科教員を兼務し現在に至る。代表的な作品に京田辺シュタイナー学校、神戸女子大学同窓会館、あげつまクリニック別館などがある。トータルな人間観に基づいた空間を目指して、これまで教育施設、医療施設、個人住宅などを多数手掛ける。伊藤設計室公式ホームページ http://www.ito-arc.com/

*********

指針を得て下さい

今日は大学院入試で試験監督やら面接官やらやったのですが、昼休みに来月から始まる全国ツアーの案内をFBに上げました。

こちらがそのフライヤー ↓





一日限りのセミナーなので深くはカバーできませんが、これを受講することで、神経科学の世界的スタンダードの一端に触れることはできると思います。

テキストの『カンデル神経科学』は2000年にノーベル医学・生理学賞を受賞されたエリック・カンデル先生が中心となり編集された神経科学界におけるバイブルです。

僕も随分前になりますが、MITの利根川先生経由でPNASに投稿した論文をカンデル先生にレビューしてもらったことがあります。好意的なレビューをしてもらったんですが、他のレビューアーからの評価が今いちで結局採択には至らなかったんですけどね..f^^

今回はそのカンデル先生の代表書籍をテキストに、神経科学界が長年にわたり積み上げてきた知の全体像を日本のセラピストに伝えることで、ささやかではありますがご恩返しできればと思っています。

10月23日の大阪会場は開催までそれほど日がないので、大阪周辺にお住まいの方は早めにお申込み下さいね。

神経科学または神経リハビリテーションを学び実践していくための指針を得て下さい。

2016年9月9日金曜日

いよいよ明日

さて、今夜2本目のブログなんですが、どうしてもお知らせしておきたいと思いまして。。。先月、このブログでも少しご案内したCBRの全国ツアーなんですが、諸々の調整が完了しまして、いよいよ明日、参加申込の受付を開始します。10月の大阪を皮切りに、来年の3月まで、東京、札幌、福岡、名古屋、高松を巡ります。全国各地に『カンデル神経科学』のエッセンスをお届けします。世界に通じる知識と知恵を習得しましょう。明日の夕方、CBRのFBページをチェックして下さいね。宜しくお願いします。

**********
CBR全国ツアー2016
〜CBRベーシック・ショートプログラム〜
**********

開催日:

2016年10月23日 大阪会場
2016年11月20日 東京会場
2016年12月11日 札幌会場
2017年01月15日 福岡会場
2017年02月12日 名古屋会場
2017年03月12日 高松会場

主催:脳とリハビリ研究所(CBR)

**********

みんなと同じ

涼しくなってきました。ここ数日、朝のお散歩を再開してます。身体が馴染めばランニングにステップアップしていきたいですね。有酸素運動で頭スッキリするのは僕も実感します。たぶん海馬のニューロンも増えているんでしょう。測ったわけではないですけど。。。

臨床実習から帰って来た4年生もそろそろ就職活動本番です。もうすでにギンギンに動いている人たちもいると思いますが、まだまだこれからという人たちも多いでしょう。

セラピストとしてのキャリアをどこから始めるかはとても重要なことですけど、案外、自分が何をしたいか分からないという人たちも少なからずいるんじゃないでしょうか。

法学部や経済学部の学生だと、製造業とか金融業とか小売業とか、選択肢としていろんなジャンルがあって、その中でも営業とか企画とか経理とか、いろいろブレイクダウンしていかなくてはならないのでしょうが、リハビリの学生はほぼ全員リハビリ業に就くのでそこのところで大きく迷うことはありません。

ただ、リハビリ業の中でも急性期とか回復期とか維持期とか、患者の回復のステージに合わせて業態が区分けされていて、どこから入るかくらいは考えます。

また、医療分野(病院)か介護分野(病院外)かといった選択もありますね。

現時点ではまだまだ病院に勤める人たちが多いですが、全体的に観れば、リハビリ系の人員は医療から介護へと流動しているし、今後ますますこの流れの勢いは増してくるんじゃないでしょうか。

学生は設備と人員が揃った大きめの病院で「まずは回復期から」という人たちが多いように感じてますが、これからの流れに乗るということを考えれば、いきなり地域(通所施設とか訪問事業所など)から始めても全然良いんじゃないかと思う。

大きな病院の回復期リハって、そんなに勉強になるんですかね?

そんな話を地域で頑張っているある中堅セラピストと先日してたんですが、今就活中の学生に(そしてそれ以外の学生にも)聞いて欲しいと思う話が出来たので、またこのブログでも書いてみたいと思います。

「みんなと同じ」が中流だったのは昭和の話。今はもうそんな正規分布の時代ではないのかもしれないよ。

2016年9月7日水曜日

するってぇ〜

昨夜は筆の向くまま「(医者と比べると)セラピストの中にはどう考えても全く分からないことにクリアな答えを持ってたりする人いるんですよね」なんてことを書いたのだが、書き終わった後、「確かにそうだよなぁ...」と妙に自分の書いたことに感心した。

学会なんかに行っても、結論に至るまでのスピードが恐ろしく速い人たちは確かにいる。トントントンって感じです。たぶん頭が良いのだろう。。。

これはあまり明るい話題ではないし、読んでいてウキウキしてくるような話でもないのだが、昨日のブログを書いた後、不意に思い出した話があったので忘れないうちに書き留めておこうと思う。

どう捉えるかは読んだ人の自由です。

もう何年も前の話なんですが、あるセラピスト教授の先生と、生後、脳に記憶されたことがその人の子に遺伝的に伝わるかという議論になった。

もちろん現代の生物学の知識をもってすればそんなことはあり得ないのだが、なぜかその教授先生は「遺伝する」と言い張るのです。

ま、ひょっとすると僕には到底想像も出来ないような深い見識に基づいているのではないかと一応さまざまな角度から質問を交え探ってみたのですが、最後はその先生、「するってぇ〜」の一点張りとなってしまいました。

そしてしばらくすると、「あっ、せえへんわ〜(遺伝しない)」と前言を撤回するに至るんですね。。。

その方は研究畑の人というよりは臨床好きの人で、ま、そんなこと知らなくても別に良いとは思うんですが、ここで僕にとって大事なのは、知っているか知らないかではなく、自分が知らないことに対しその人が明確な(「遺伝する」という)ポジションを取ったことなんです。

これって知識の問題ではなく、姿勢の問題なんですよね。

知識は知らないなら調べるなり教えてもらうなりして知れば済むことなので、話をしながら共に結論を探していくことも出来ますが、姿勢の問題となると結論を探す手続きが共有できないので、まともに話をすることが難しくなります。

そういう感じだと、学問的なことだけではなく、臨床や教育もそんな調子でやってるんだろうなと思ってしまいますよね。

臨床をしてる時だけ、あるいは学生を教育している時だけ、論理的な思考ができるとはどうしても考えられない。

そういう人が大学教授をして学生を教えているというのもおかしな話だと思いますね。

大丈夫か日本?

てか、大丈夫かリハビリ業界???

一応補足しておくと、生き物の世界の在りようは人間の想像力を遥かに超えているので、ひょっとすると人が生後経験したことの記憶も生殖細胞に伝わり子に遺伝してるのかもしれません。

僕が知る限り、まだその仕組みは発見されていないですけどね。

2016年9月6日火曜日

狙い撃ち

9月になりました。もう数日過ぎました。朝晩は少し涼しくなりましたね。実はお盆を過ぎたあたりから徐々に身体が痒くなり、気が付けば背中に発疹が。。。そしてアレよアレよと言う間にほぼ身体全域にそれが広がる事態に。。。こういうのは生まれて初めてだったんですが、皮膚科に行くと教科書的な蕁麻疹だとか。。。抗ヒスタミン剤を飲んで、最初の日は「コレ効くなぁ!」と思うほどに痒み止め効果があったんですが、結局は対症療法なのでヤクの成分が身体から抜けると元に戻る。そしてこれを繰り返している間に発疹はどんどん拡張していきました。初めは先生共々楽観してたのが、「こりゃ、ただの蕁麻疹じゃねえな...」ということになり大きめの病院を紹介されることに。血液検査の結果、肝臓がやられてて炎症反応があって白血球が増えてるということで、何かに感染したんだろうという結論に至った。。。結局は「日にち薬」で、ようやくここ数日、元の身体に戻ってきた感があるのですが、この夏のオフシーズンを狙ってここぞとばかりに発症した気もしますね。そう、ほかに病気になれるスケジュールがないという感じの狙い撃ちです。。。今回、久しぶりに病院のお世話になりましたが、蕁麻疹の治療法は確立されているのにその原因は現代の医学をもってして未だ解明されていないんですね。肥満細胞からヒスタミンが出て浮腫と痒みを起こすことは知られてますけど、何が肥満細胞を刺激するのかは謎なのです。今回も状況的には感染が疑われたわけですけど、何がどうなったのかは謎なんですよ。。。医者の世界の良いところは分かることと分からないことを明確にしているところですね。セラピストの場合、どう考えても全く分からないことにクリアな答えを持ってたりする人いるんですよね。

2016年9月1日木曜日

豊かな生活

Facebook に写真を幾つか投稿しましたが、この週明けは飛騨高山を訪れました。今回計画を立てるまで知らなかったのですが、岐阜県と言っても、もう少し行くと富山なんですね。でも神戸の自宅からだと高速道路が延々と繋がっていて、目的地まで辿り着くまでほぼ信号待ちすることなかったです。制限速度を守れば 350 kmを4時間30分といったところでしょうか。

今回の旅のお目当ては同地にあるフィン・ユール(Finn Juhl)邸。ヤコブセン、ウェグナーらと共に20世紀にデンマークで活躍した家具デザイナーです。特にペリカンチェアなど椅子のデザインが有名で、日本でも北欧家具に詳しい人なら知らない人はいないはず。僕自身は日本に帰って来た時(2007年)に何も家財がなく、しばらくの間、休みの日はいつも家具屋に入り浸っていたのですが、その頃にこの手のことをお勉強したんですね^^

知ればいろいろその奥深さが分かってくるものですが、はっきり言えることはデンマーク人はイタリア人とは違うということ。。。イタリアはやはり南欧ですから陽光キラキラの世界で実用性より見た目が大事。座ると痛いアクリルの椅子でもお構いなしですが、デンマークは視覚だけではなく座り心地も追求した木の温もりを感じる世界です。ま、どちらも日本にはない独特な曲線美があり個人的には両方好きですけど、デンマークの方が畳の部屋など和風建築に合いますね。

高山にあるFJ邸はデンマークにある現物のレプリカで、各方面からの出資を基に2012年に建てられたそうです(詳しくはこちら)。これを管理する株式会社キタニジャパンの方に当日は案内頂きましたが、この会社自体がフィン・ユール設計の家具を製作・販売されていて、お話を聞く限りでは、会社の事業の一環としてこのプロジェクトを企画されたようです。ガイドの方もデンマーク家具の大ファンでしたが、多額の出資を募りこだわりのモデルハウスを作るとは、なかなかの思い入れですね。

どういう経緯で高山にあるこの家具工房がフィン・ユールと繋がったのか。興味があり聞いてみたのですが、創業者の方が本業とは全く別に福祉に関心があったとのこと。そして福祉先進国であるデンマークの福祉施設を訪れた際に高齢者や障害を持った人たちが自分の好きな家具を自室に持ち込み楽しそうにしていたのを目撃したことが始まりのようです。なんだか視覚や座り心地といった脳科学だけではなく、リハビリテーションにも繋がって来ましたね^^

そこからフィン・ユールに辿り着き、家具事業を起こし、アートミュージアム(FJ邸レプリカ)を建設してライフスタイル(暮らし方)を提案する。いろんな繋がり方があるというか、すべては繋がっているというか、福祉を起点に「豊かな生活」の創造が始まるというのは興味深いです。

日本も取りあえずは豊かな国で、GDPとかメダルの数とか、デンマークよりかなり上を行くんじゃないかと思うんだけど、日本で言う「福祉」って「介護」という言葉に代表されるように過酷な現場を連想する人も多いんじゃないでしょうか。一人一人の生活の質(暮らし方)で見た時に本当に豊かなのかどうか。冗談みたいな話だけど、日本の場合、スマホ世代が歳を取り施設に入所した時に、そこでの唯一の楽しみが「ポケモン探し」なんてことも十分に考えられるんじゃないかと思う。。。

日本にも職人文化があり、ディテールを仕上げる技があると思うんですが、家具のデザインの美しさという点では、全体としてデンマークなどのヨーロッパ勢に引けを取っているように思いますね。あと一歩のこだわりの違いというか、削ぎ落としの違いというか、車のデザインでも、たとえばアルファロメオの流線形とか、日本車は今もって真似しきれてないですよね。あと一歩なんでしょうけど、これが本物とフェイクをはっきり分ける大きな一歩なんでしょう。

今回の旅から、我が家のこれからのインテリアプランに活かせそうなアイデアも幾つか頂戴しました。ちなみにキタニジャパンでは、高齢の方や障害を持った方のためのオリジナル家具の製作・販売も行っているようですよ。宿泊した旅館もこれまた長いブログが書けるほど心動きましたが、こちらはまたいつか時間のある時に。飛騨高山。また車飛ばして行ってみたいですね。