2015年5月31日日曜日

次世代型ニューロセラピーに向けて

さて、今日で5月も終わりです。明日から6月です。今年9月に淡路島で開催されるCBR2015の概要が固まりました。

「広める価値あるアイデア」を学会テーマに、

治療のメカニズム、教育、テクノロジー、コミュニケーション、臨床推論に関するセッションを企画しました。

1日目のナイトセミナーでは「次世代型ニューロセラピーに向けて」をテーマに、未来志向のディスカッションを行います。

12名の講師陣による20のトーク、3つの討論会に加え、一般演題発表(ポスター)も予定しています。

昨年も多くの参加者から「刺激的」「視野が広がった」「こんな学会は見たことない」という感想を頂きましたが、今年も間違いなくセラピスト村の常識を打ち破る(常軌を逸した?)学会になるものと思われます。

皆さん、どうか「元気」をもらいに来て下さい。

もうすぐ参加申込みの受付を開始します。


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脳とリハビリ研究所第3回学術集会 CBR2015
プログラム概要
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会期:2015年9月12日〜13日
会場:淡路夢舞台国際会議場/ウェスティンホテル淡路

学会テーマ:
TED のように〜ideas worth spreading〜

☆ 2015年9月12日(1日目)13:00〜17:00

オープニングトーク:
Ideas worth spreading at CBR2015

第1セッション:
神経系リハビリテーションの治療ターゲット

第2セッション:
ニューロリハ教育の構造と未来
〜わたしの卒前・卒後教育〜

★ 夜の部(ウェスティンホテル淡路)17:30〜23:00
夕食会・ナイトセミナー・懇親会
【次世代型ニューロセラピーに向けて】

☆ 2014年9月13日(2日目)9:30〜17:00

第3セッション:
リハビリテーションにおけるニューロテクノロジー
〜想いをカタチに〜

第4セッション:
一般演題(ポスター)

特5セッション:
リハ的コミュニケーション論

第6セッション:
神経系リハビリテーションにおける臨床推論

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主催:脳とリハビリ研究所(CBR)
運営:株式会社ステラマインド

2015年5月30日土曜日

みんなの反応が楽しみ

今日もうちの大学院生たちとラボミーティング。来週、東京で開催される大きな学会に向けて発表内容を絞り込んでいます。昨夜も遅くまでブレインストーミングして今日も朝夕その続きを行った。うちのミーティングは密度濃いですよ。誇張でなく、ほとんど休む暇なく喋りまくります。今回はCBRフェローでもある山崎先生とミラーセラピーに関する演題をエントリーしているのですが、先週と今週の2回の打合せで随分とスライドへのまとめ方が変わりました。家をリフォームするようにどんどん間取りを変えて行き、初めは思ってもみなかった幾つかの新しい解釈に辿り着きました。別に「ミラーセラピー」と言っても治療手段を宣伝するものではなく、運動に関わる感覚表象のメカニズムの研究であることは最初からY先生との間でコンセンサスがあったのですが、データを解釈する上で依拠する理論的バックグランドが整理され、より学術的にソリッドな研究に仕上がってきたということです。僕自身はミラーセラピーについてそれほど知っているどころかほとんど業界的知識は持ち合わせていないに等しいのですが、その分、「みんなが言ってるから」とか「偉い先生が言ってるから」といった民主主義や権威主義に頼ることなく、一つの新しく、広がりのある、確からしい仮説を提案できそうです。今回の理学療法学会にどのレベルの人たちが集まるのかよくは知らないのですが、どのレベルの人たちが集まったとしても通用する内容になるはずです。ただ発表時間が7分なので、こちらが盛り上がってる割には淡々とあっと言う間に終ってしまうんでしょうけどね。それでもみんなの反応が楽しみです。

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第50回日本理学療法士学術大会
6月7日(日)第7会場「運動制御・運動学習」(口述)
O-0727:ミラーセラピーにおける視覚と体性感覚の運動錯覚生成に及ぼす効果
発表者:山崎 倫
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2015年5月28日木曜日

採点しながらふと思ったんだけど

先週金曜にあった中間テストの採点が終りました。「脳神経科学Ⅰ」という2年生のクラスです。明日、学生の皆さんに答案を返却します。マークシートではなくすべて筆記ですので、採点もなかなか大変です。ま、マークシートはそれはそれで問題作るのが面倒なんでしょうけどね。採点しながらふと思ったんだけど、学校の試験というのは、一人の比較的絶対的な権力者(この場合は採点する教師)がいて、その教師の判断基準に基づいてみんなの評価が決まっていくシステムなんですね。だから民主的なものではないんですよ。いつか将来、議員の選挙やFacebookのいいね!みたいにコミュニティー全体(学生間)で評価するような時代は来るんでしょうか。正しいとか間違っているといった基準ではなく、vote や like がたくさん集まる解答ほど高得点になる仕組みです。こっちの方がより実社会に近い評価システムではあるような気がする。

2015年5月27日水曜日

CBR2015公式Facebookページ

昨年、大いに好評を博したCBR学会ですが、今年もいよいよそのコンテンツが固まろうとしています。

みんなでやる学会なので大詰めに来て「もめる...」という可能性がないわけではないですが、今のところその気配はありません。。。

今年も淡路島で開催します。舞子からちょろっと海を渡ったところにある淡路夢舞台です。9月12日(土)・13日(日)の二日間。

学会テーマは、

「TEDのように〜ideas worth spreading」

脳とリハビリに関する「広める価値あるアイデア」をCBR発で発信していきます。

本日、学会の公式Facebookページを立ち上げました。

https://www.facebook.com/cbr.conference

これから学会に向けて関連情報をアップしていきます。

2015年5月26日火曜日

ずっとある違和感

先週末はうちの大学院生と研究に関するディスカッションをしてたんだけど、結構楽しいね。正直に言うと、理学療法士の人たちと研究に関する話をして楽しいと思ったことはこれまでほとんどないんだけど、今回はかなり楽しい。ここまで来るにはいろんなディスカッションを重ねて、また僕のベーシックコース(CBRベーシック)を受講してもらったりしたことなんかも間接的に効いてるとは思うんだけど、要するに面白いと思うこと(価値)が共有できて、その面白さを共有するための共通言語(マインド)があるということなんですよ。2年ほど前に京都であった神経科学会でATRの川人先生が仰られていたけど、「何を面白いと思うか」を共有できるかどうかが一緒に仕事をする上で一番大事だと思う。言い換えると何を為すことで仕事(研究)をしたと思えるかですよ。もうすぐ理学療法士の全国学会があるけど、今回は特にその点に着目していろんな話を聞いてみたいと思う。僕の中にずっとある違和感をなんとか言語化したいと思ってるんですよね。

2015年5月24日日曜日

傷は広がる

今夜もまた野球の話で恐縮ですが、傷って広がるんですよね。まぁ、要するにオリックスの話なんだけど、いくら金子(オリのエース。肘の手術で戦線離脱)でもぶっつけ一軍で先発したらそりゃ無理でしょ。昨日、3回投げてKOでした。開幕から異常に負け続け、森脇監督には相当筋違いなプレッシャーがかかってるんじゃないか。たとえば、球団にカネ出してる人たちとか、そのカネ管理してる人たちとか。つまり野球(現場)のことをよく知らない人たちが負けてることだけ兎や角言って「金子を早く投げさせろ」とか。。。そんなんで上手く行ったら、紅白戦やらオープン戦やら要らないでしょ? 結果が出ないと人は焦り、人は焦ると一発逆転、最短距離を目指し出す。でも、そういうことで成功する確率ってとてもとても低いわけで、結局のところ、傷はさらに深くなる。いったん傾き始めると人の心も傾き出すのが一番厄介。

2015年5月23日土曜日

頭直撃で

ひと月ぶりにオリックス戦観戦した。まだまだナイターは寒いんだよね。グリーンスタジアム。ゼロゼロで7回裏まで進んだまでは良かったけど、8回表に代わった佐藤が二死後、今江の頭を直撃した。もち、危険球退場。それまでとてもとても引き締まった試合だったのに、この死球でガスがスッと抜けてしまった。続くデスパイネがレフトスタンド上段にホームラン。7回裏二死1、3塁のチャンスになぜ小島を代打に送ったのかは意図不明。駿太がいたにも関わらず...。今日を終った時点で16勝29敗。借金13。最下位を独走するオリックスです。

2015年5月21日木曜日

きっと良いことありますよ

CBRテレビ第8回を配信します。

神戸学院大学での脳科学講座「脳神経科学Ⅰ」の中間テストについてポイントをまとめてみました。

そつなく得点していくためのテスト攻略法です。

試験というのは measurement device でもあり、同時に teaching device でもあります。

このテストを有効活用して知識を習得して下さい。

明日の受験者は特に最後までビデオを観て下さいネ。

きっと良いことがありますよ^^

動画サイト
https://youtu.be/hvRgESfrPVo


2015年5月20日水曜日

「場」のエネルギー

水曜の1時間目は「理学療法研究論」の講義がある。全15回。僕が最も好きな科目です。学生とのやりとりをベースに進めていくので、毎回、その日の講義がどんな方向に進んでいくか事前に予測がつきません。辿り着きたいゴールはあるけど、そこへの道は毎年違う。その場で教師が考えるということはとても大事なことだと思うのです。確かに授業の準備をサボれるということも僕にとってはとても大事なことなのですが、「その場で考えている」という生(ナマ)な感じが「場」のエネルギーを生み出します^^。今日の授業は統計検定の基本のところで、概念的にちょい込み入った内容の話になったんだけど、その分学生たちは刺激されたみたい。講義が終って30分ほど次から次へと質問受けた。本当は今日のような授業の連続でなければ大学の授業とは言えないんだよね。学校でやってる理学療法学って、普段、知的に揺さぶられるようなものではないからさ......おっとこれは余分な一言......

人は集うとバカになる

昨夜は政治の話をして、そして民主主義の話をしたんだけど、政治っていかに無知でナイーブな大衆を動かすかなんですよね。あ、僕、別に人をバカにして無知とか言ってるわけではなくって、人は集まると、その塊としては単純な行動しか取れないってことを言ってるわけです。一人一人はシャープでスマートな人たちであったとしても、集まると人間が意思表示出来ることって限られてくるのです。よく、「みんなで知恵を出し合えば」なんてこと言いますが、多くの場合は人が増えると動きを邪魔する知恵なんかも混ざってきて、全体としては凡庸化の道を辿ります。影響力のある政治家が物事を単純化する傾向にあるのはきっとこのためなんでしょう。たとえば、アメリカ前大統領のジョージ・W・ブッシュ氏やそのお友達の小泉純一郎氏などは記憶に新しいところだね。今回の橋下市長もその系譜。ただ二択に絞り込んだまでは良かったんだけど、大阪がテロの脅威にまでは晒されていなかったこと、そして壊れるものが郵便局ではなく自分たちの愛着ある街であったことが十分に大衆を動かせなかった理由じゃないかと僕は思う。愛する街を脅かす恐ろしい外敵がぼんやりしてたということだ。

2015年5月18日月曜日

丁か半か

大阪市での投票終りましたね。南北でくっきり賛否が分かれたようです。なんかアメリカのレッドステート(共和党の州)とブルーステート(民主党の州)を思い出しました。変化を歓迎する者と拒む者。ほぼ同数でしたが、今のままが良いと決めた人たちの方が僅かに多かったみたいです。ま、どちらに転んだところで多くの市民にとっては丁か半かの博打みたいなものだったのかもしれません。二択の場合、事象がランダムに起こる確率は50%ですからね。もう一回、お天気でも変えて投票日を設定すれば賛成多数となるやもしれません。民主主義というのは、政治のことも行政のことも、そして社会の仕組みもよく知らない人たちの意思表示に委ねる、場合によっては、恐ろしいシステムだと思います。あ、大阪の話ではなく、一般論としてですけども。今回の結果により大阪が更なる進化を遂げることを期待したいです。神戸も近いですから、経済なんかが発展したら、きっと僕たち神戸市民にとっても良いことあるだろうと思うんだよね。

いかがわしさをどうするか?

今日は一日セミナーでした。

【CBR臨床教育セミナー】

神経行動科学に基づく臨床推論
〜治療に繋げるクリニカルリーズニング〜

講義とグループワークと治療デモと、とてもバランスの取れたブログラムで、初対面の人たちが集まったにも関わらずいろいろと濃いお話ができました。

最後の永井先生によるデモでは、実際に症状がある受講者を模擬患者に、20分ばかりの治療セッションを行いました。

よく、

「10分で衝撃の治療効果が!!!」

とか、

「この筋を触るだけで!!!」

とか、

治療系のセミナーなどでは大袈裟なバカ騒ぎがなされることがありますが、

いや、ほんとにそんなことってあるんですよ。

ま、今日は20分かかったし、いろんな筋を触られていたのであんまスゴくないのかもしれないですけど、それでも十分に衝撃的やったですね。

いや、ほんと、マジで。

筋骨格系に対するマニュアルな技術と認知的なアプローチを組み合わせることで如何に強力なセラピーを展開できるかを実証いただきました。

また、クリニカルリーズニングというお題目にも沿う形で、永井先生には治療中の思考過程も全て開示して頂き、受講者の皆さんにとってはとてもお得で有益な研修会となったはずです。

ただ、今回はなぜか参加者の数がこれまでのCBRセミナーと比較して少なく残念やったですね。

この件に関し、受講者の皆さんにいろいろフィードバックしてもらったのですが、なかには、

「Facebookを中心に告知されているので、ちょっと胡散臭い感じがする」

とか、

「セミナーのポスターがカラフルなのが怪しく思う...」

などのご意見も...。

みんな若い人たちなんだけど、まだまだデジタルより紙の方が信頼できるみたいなんだよね。僕は新聞であろうがテレビであろうがFacebookであろうがコトの信憑性を判断する上で全く関係なかったので新たな発見^^

ま、足が向かなかった理由はこれだけではないのだろうけど、CBRのいかがわしさをどう解消していくかも今後の課題。

たとえば、下らん雑誌に下らん論文載せたりすることも世間の信用を得るためには大事なことなのかもしれないね...きっと。

2015年5月16日土曜日

予期せぬ形で

大阪は明日投票日ですね。僕は神戸市民なので投票できませんが、もし投票権があるなら、都構想賛成に一票入れたいです。どんなシミュレーションをしたところで、どうなるか分からないものは分かりません。だって、そういう予測って、今ある情報をもとにやってるわけで、国際情勢も含めた今後の社会情勢が予期せぬ形で大きく変われば国や地方の進路もそれをきっかけに自ずと変わって来ますよね。だから結局のところ、この手の判断というのは市民による緻密な分析などではなく維新が好きか嫌いか橋下氏が好きか嫌いかで決まるものだ(決めれば良い)と思うのです。僕は別に維新も市長もとりわけ応援しているわけではないのだけど、大阪が衰弱してきているのならここで一発刺激を入れてみるのも面白いんじゃないかと思うわけ。このままやってたところでどうせジリ貧なんだしさ。

2015年5月15日金曜日

役に立たないのは...

着々とCBRテレビ第7回。

今回もまた神戸学院大学での講義「脳神経科学Ⅰ」を補足してみました。

学生はそうでもないのですが、セラピストはよくこんな質問をします。

「セラピストが分子生物学を理解する必要があるのでしょうか?」と。

また、こんな質問も定番ですね。

「それ、臨床と関係あるんですか?」

学ばずに済ませたい人たちに説明し理解を請うのはとても難しいことなのですが、一応、私見を述べてみました。

動画サイト
https://youtu.be/nPU1HH4ScAA


村おこし

最近、ブログを書き始める時間が少し遅くなっていて気がつくと日付が変わっていることが多い。今日もそんな一日です。。。昨日は「夢」について書いたんだけど、内容自体はあまり夢のある話にならなかった。残念ではあるんだけど、嘘をつくのは嫌なんでね。。。ぼく、正直なんだぁ(笑)。で、今朝、妻と話してたんだけど、世の中の若者が全体的に夢を亡くしてるかというと、まぁ、全くそうではなくって、少なくとも30年前と比較すると若者が輝けるチャンスは圧倒的に広がってると思う。妻曰く、「夢のある人はあなたの講義は受けてないでしょ」だって...。いやぁ、なかなか鋭いよね^^。でも、それが本当だとしたら、ちょっと悲しいよね...T_T。リハビリの世界にも夢を持った人たちが集まって来る、そんな強い吸引力を生み出すにはどうすれば良いのか。村おこしについてみんなで考えていかなくちゃいけないね。

2015年5月13日水曜日

夢探し

近頃の若者ってどうなんでしょうね。いや、ちょっと、「夢あるんかなぁ」と思ってね。ま、こういうのは時代によるものではなくって、その人によるものなんだろうとは思う。つまり、いつの時代にも夢のある人にはあるし、無い人にはない。でも、僕が日々関わるリハビリの世界の若者について言えば、僕らの世代、つまり30年近く前の若者と比べてやっぱどうみてもテンション下がってるように思うんだよね。いや、僕は何も「僕らの時代わぁ・・・」なんて昔話をして説教したりする趣味はないんだけど、やっぱ、冷静に考えて夢見つけるの難しいだろうなぁと思うわけですよ。昔は(つまり僕らの世代くらいまでなら)ちょっと控えめに「夢は平凡なサラリーマンになって、安定した平凡な人生を送ることです」なんて真顔で言えたわけだけど、今そういうこと言うのはなかなか勇気のいることなんじゃないかと思う。もちろんリハビリ職でも大金持ちになったり、国会議員になったり、大学教授になったりして世俗的に成功することはできるだろうし、また世のため人のために働いて貧しくも高貴な精神生活を送ることも可能なのかもしれないけれど、今のリハビリ系の若者が本当にそういう諸々の成功に心からの憧れを持てるかというと、なかなか持てないんじゃないかとも思うんだよね。勝手な推測なんだけど。

割に女々しい

今、ちょっと心理学に関わる本を読んでます。最近はどうかは分からないけど、脳科学でもバイオや生理をしている人たちは心理をなぜか見下げてる人が多いんですね。実験操作に関わる部分がBやPと比較すると単純だからでしょうか。。。でも認知や行動のメカニズムを探る上で心理学はとても重要です。ここのところが深くないとバイオやフィズの解析はあまり意味を成しません。で、今日、ちらっと思ったことがあったんだけど、男らしさを前面に押し出そうとしている人たちって、僕の経験からすると、割に女々しい人が多いような気がするんだよね。。。たとえば、「男」とか「俺」とか、いかにも男を意識した言葉を多用する人たちとか、武道や激しいスポーツをやって筋肉隆々の人たちとか。一見、男オトコしているような雰囲気ではあるんだけど、付き合ってみると結構、陰険で嫌味なヤツだったり、やけに嫉妬深いヤツだったりするんだよね。もちろんみんながみんなそうだと言うつもりは全くないんだけど、自分のこれまでの人生の中では結構この仮説が確認されることがあるわけです。男が manliness を追求することって、実は女々しいナマの自分を隠すための代償行為なのかもしれないね。

2015年5月11日月曜日

より素晴らしい世界

昨夜の話の続きのような話なのだけど、全国的な傾向として、最近は大学も学生集めに一生懸命です。だからリハビリ分野に限ったことではなく、受験生に自分とこの学校を選んでもらわなくちゃということでいろんな工夫をしています。

オープンキャンパスなどをして価値を伝えること自体はとても大事なことだと思うけど、場合によっては、受験生側に同調し過ぎるケースも出て来るんじゃないですかね。

たとえば、学費が高いと来てもらいにくいからと値下げをしたり、受験科目が多いと来てもらいにくいからと科目数を減らしたりすることなどは良い例ですね。

でもこれをやり出すとその学校は当然のことながら安っぽくなってしまって、いろんな意味で劣化の道を歩み出す。

大学なんだから資格や就職よりも教養や学術を優先すべきじゃないかというのが昨夜のテーマだったわけなんだけど、受験生に寄り添っていくとなると、やっぱ資格や就職を全面に押し出すことになるんだよね。特にボリュームゾーンの大学にとってみてば...。

とは言っても、お客さんの要望を叶えるばかりでは本当に良い商品は作れないだろう。アップルやスターバックスがお客の要望に応えるだけで独自のブランドを構築したとは考えにくい。

お客さんの知らない、より素晴らしい世界を彼らの目の前に現せるかどうかが、本当に成功するためには最も大事なことだと思いますけどね。

2015年5月10日日曜日

教育のコアマインド

昨日、美原記念病院の菊地先生とネットでやりとりしていて、「大学の在り方」みたいな話になった。大学がホームページなどの広報媒体で国家試験合格率やら就職率やらをデカデカと掲載するのはちょい違和感があると。確かに職業訓練校である専門学校が自校の教育の成果としてこれらを誇ることは頷けるが、大学はそんなことではなくって学問を探求し、それを発展させることが第一の使命なのではないかと。ま、正論ですよね。大学が専門学校と同じ価値観で教育してたら大学のUSP(特異性)って何なの?みたいな話になるわな。でも、現実にはリハビリ職の養成校って大学にしろ専門学校にしろどこも似たり寄ったりの教育してると思うんだよね。公立・私立も関係ありません。そもそも教えてる教員自体が大学の場合であっても基本的には「専門学校修了者」であることが多いわけで、どうしても教育のコアマインドは職業訓練になっちゃうんだよね。それに、大学と言えども、学生諸君は理学療法士や作業療法士になるために入学してくるわけだから。

2015年5月8日金曜日

トルクって知らないんですよね。

先ほどFBに大学院関連の投稿をして、テーマ的にちょっと似た方向の話になるのだけど、うちの理学療法の学生は「トルク」が何なのか知らないんですよ。2年生のクラスで40人くらいいるんですが、一人も知らない。だからもちろん「関節トルク」と「筋張力」の違いも説明することが出来ないんですね。今、2年生でこれから本格的に専門科目を履修していくことになるのだけど、この時点でコレ知らないとたぶんもう在学中にきちんと教わることはないということです。裏返せば理学療法の専門科目を学ぶのに基本的な物理の知識は必要ないということなんだよね。もちろん、全員知らないんだから学生自身の勉強不足ということだけではなくって、教育の構造的な問題が歴然としてあるってことですよ。皆しゃん、これが理科系リハビリ教育の実態です...。なんちゃって...

その域まで行ける人

忘れないうちに昨日の講演会のハイライトを一つだけ。特にうちの学生のような若い人たちに向けてのアドバイスになると思う。それは「人を助けるには自分が充たされていなければならない」ということ。講師の先生のお言葉を借りれば、自分自身が「工事現場」になっていては、他人(ひと)の現場にフォーカスすることは出来ません。たとえば、うちの4年生は今、病院などで長期にわたる学外実習をしているけど、学生が実習に出た時にはどうしても「自分に◯◯が出来るか?(不安)」といったことが関心事になってしまってなかなか「どうすれば患者さんを良くできるか?」という視点で考えられなかったりする。思考の矢印が自分向きってことですね。ま、これは一つの分かりやすい例えだけど、少し一般化して言えば、「自己実現」が自分のテーマの中心にある間は、人を助けているつもりでも大した助けにはなっていないのかもしれない。人を助けるためには自我(エゴ)を確立しなくちゃいけないんだけど、本当に確立されてしまうとそのエゴから自由になれるってこと、なんだろう。その域まで行ける人、かなり少ないだろうとは思うけど。

2015年5月6日水曜日

健全なる肉体は健全なる精神に宿る

今日はお日柄もよく、家族みんなで早起きした。なんばの大阪府立大学で開催されたミヒャエル・グレッグラー先生の講演会。うちの大学の「代替医学」の講義でお世話になっている、よこたクリニック院長、横田直美先生からのご紹介です。たぶんこのブログを読んでいる人たちの多くは何のことやら全く分からないと思うのですが、「日本アンソロポゾフィー医学のための医師会」が主催するアンソロポゾフィー医学に関する講演会でした。現代の医学は物質科学に依拠する西洋医学が主流なわけですが、このA医学は人間の魂や自我、世界観といった心の世界が肉体の健康を形作ると考えます。ま、僕も今日話しを聞いた範囲での受け売りなのでよく理解しているわけではないのですが、強く健全な心を持つ者は強く健全な肉体を持つと日々感じているので、全く無理なくその考え方を受け入れることができました。午前の部は「健康をつくる」というテーマだったんだけど、「一日20分有酸素運動をしましょう」とか「ビールは一日、中瓶一本まで」といった下世話な、いや失礼、テクニカルな健康教育の話は全くなくって、人間形成に基づく健康形成の話やったんですね。僕は思うんだけど、やはりドイツ、と言うか、ヨーロッパは(日本にはない)精確に物事を考える歴史がしっかりとあるんですよね。日本の医師で今日のグレックラー先生のような形而上学的な医学の話を逆にヨーロッパで出来る人がいるかと言えば、いないんじゃないかな。宗教や哲学、あるいはヨーロッパ的なものではなくてもこれに相当するものって、医療や教育を実践する上でとても重要なものなのかもしれないね。日本、ヤバいかも...

2015年5月4日月曜日

喜びを誰かと分かち合うのが人生さ

ゴールデンウィークはその他のウィークと同じく車で移動することが多い。先日、サザンオールスターズの新しいCD『葡萄』について書いたけど、最近、運転中はもっぱらこれを聞いている。僕は特にサザンのファンというほどではないのだけど、今はなぜか波長が彼らのサウンドにチューニングされているみたい。その中の一曲「栄光の男」にこんな一節がある。“喜びを誰かと分かち合うのが人生さ”。そうなんだよね......結局のところ、そこなんだよね。

神経解剖を学ぶコツ

神戸学院大学での講義「脳神経科学Ⅰ」第3講・第4講(神経解剖学)を補足してみました。

入学後1年かけて解剖学を学ぶのにどうして学生は基本的な内容すら知らないのか?

英語を6年間学んでもそれを使えるようにはならない日本人に相通じるものがありそうです。

その謎に迫ってみました。

神経解剖を学ぶコツ。

来週以降は、神経系の分子生物学、神経生理学へと進んでいきます。


2015年5月2日土曜日

下見してきました。

先日、CBR2015の会場を下見してきました。

脳とリハビリ研究所(CBR)第3回学術集会です。

早いもので、今年で3年目を迎えます。

現在、プログラムを構成中です。

もうすぐリリースです。

今年のテーマは、

「TEDのように 〜Ideas worth spreading」

脳とリハビリの世界における広めるべきアイデアをCBR発で広めていきます。

一つ一つのセッションが繫がり、全体で一つの大きなストーリーとなる。

CBRが目指す学会は、そんな学会です。

昨年もリハ業界の慣習を打ち破る自由で刺激的な学会でしたが、今年はそれ以上にエキサイティングな学会になると確信しています。

ビデオレターを一本収録しました。

会場ロビーからお届けします。


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脳とリハビリ研究所 第3回学術集会 CBR2015
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学会テーマ

「TEDのように 〜Ideas worth spreading」

会期:2015年9月12日(土)・13日(日)
会場:兵庫県立淡路夢舞台国際会議場/ウェスティンホテル淡路
主催:脳とリハビリ研究所(CBR)

動画サイト
https://youtu.be/uffmLkPXaCY