2015年7月31日金曜日

今日のサマリー

さて今日のサマリー。今回の学会参加の目的はニューロサイエンスの最新情報の収集です。帰国後しばらく学会活動から遠ざかっていたのですが、3年ほど前にCBRをなんとなく始めて、その後いろいろ情報発信していく中で2013年から理学療法学会に復帰しました。そしてその勢いで日本の神経科学会(Neuro2013)にも初参加して、その夏にこれまた勢いで淡路島のCBR2013を開催しました。今回は2回目の神経科学会なのですが、こういうのにでも参加しておかないとなかなかライブでup-to-dateな神経科学の知識に触れることができないんですよね。MITにいた時には毎日のように誰か有名な人のセミナーがあって、人の話を聞くためにわざわざ学会に行く必要はなかったのですが、今の職場にいると当然ながらそういうわけにはいきません。。。でも自分が特別に何かを研究してなければ逆にジャンルを問わずいろんな話を聞いてみようと思うものなんですよね。研究者として聞くというよりはサイエンスを取材しに行くみたいな感じです。。。今日は朝に「手」のセッションを少し聞いた後、NIRSを使った乳幼児の脳活動に関するお話を聞きました。そしてその後、川人先生の脳ダイナミクスの話を聞いて、午後は「意識」のシンポジウムと「随意運動」の一般口演を聞きました。途中、2年ほど前にノーベル賞を受賞されたSüdhof博士の講演もあったのですが、動画収録の関係でこちらはスキップ...。今日で主要なプログラムはほぼ終了なのですが、明日の最終日はCaltechの下條先生の教育講演などがあって、うちの大学院生も参加します。

2015年7月29日水曜日

使いようによっては...

二日目終りました。神経科学会。朝は行くべき会場を間違えて小動物のfMRI計測の話を幾つか聞きました。なんかオカシイなとは思ったんですが、それはそれで聞き始めたら面白かったのでしばらくそこにいました。マウスで脳全体からの活動記録が出来ると分子操作することによる活動の変化が見れたりしてより深層のメカニズムに迫って行けますよね。。。その後、お目当ての感覚のセッションを少しだけ聞いてランチョンセミナーとなりました。ATRのImamizu先生のお話でしたが、人の脳活動の95%は安静時の活動で、課題遂行時はそのベースラインから5%しか変動しないとか。そして安静時の活動を知ることでその人が学習できる上限が予測できるという。コレ、使いようによっては恐ろしい研究成果にもなり得るものですが、医療場面では患者の治療ゴールの設定などに使えるかもしれませんね。。。午後はポスター見て回って、Hikosaka先生の大脳基底核の話を聞いて、その後、記憶のシンポジウム、痛みの一般演題へと居場所を変えて行きました。一つ一つ書き出すととてもじゃないけどここに収まらないので、今夜はこのあたりにしておきます...

余裕で座れました

神戸国際会議場であった朝一のシンポジウムに参加しました。第38回神経科学大会。ニューロリハのセッションだったのですが、余裕で座れました(笑)。空席率70%ほど。最大200名ほど収容のセミナールームで、理学療法士(PT)の学会だと超満員で立ち見は出るわ整理券が配布されるわでおそらく入り切らないだろうと思われるようなトークばかりでしたが、なんだか拍子抜けですね。やっぱ、まだまだ臨床系の、特にリハビリ系は、こういう学会では全然マイナーなんですよね。ま、PTの学会での集まり具合がちょっと異常なんでしょうけども。場所が変わると同じものでも見え方は全然違ってきます。。。トークは脳卒中片麻痺の運動機能障害や半側空間無視などに対する種々のリハビリアプローチの実践研究が主でしたが、運動制御における感覚の話も結構出てきましたね。僕も今、大学院生たちとやっている研究が感覚構築に関わるものなので、いくつか参考になることがありました。。。さて、先日の東京でのPT学会でも皮質内抑制の話が多々出てきましたが、今日もちょろっとその話がありました。でも、抑制が認められたとして、それがトレーニングによってどのような機序で起こるのか、話を聞いていてもよく分からないので、運動学習のメカニズムと言うにはちょっと無理があるかなとも思うんですよね。確かに皮質脊髄路などが脱抑制されることで筋へと繋がる神経経路の興奮性が上がり運動パフォーマンスが向上するのかもしれないですが、ある種のトレーニングによって特異的に誘発されるメカニズムではなく、運動学習に付随するジェネラル(non-specific)な現象(マーカー)なのかもしれないですよね。運動パフォーマンス向上との因果関係まで検証したトークはまだ聞いたことがないので、今後バシッとこのあたりのことにケジメをつける研究が出て来ることを期待したいです。僕自身は研究テーマが異なるのでやりませんし出来ませんけども...。

2015年7月28日火曜日

今日から神経科学会です

皆さん、おはようございます。今日から4日間、神戸で開催の日本神経科学会に参加します。毎日自宅から通います。アメリカのNeuroscience学会ほどではないにしろ、神経科学の学会としては大きな学会です。海外からもたくさんのスピーカーがやって来るようです。リハビリ関連のトークを中心に聞いて回ろうと思っています。さて、先日アナウンスしたCBRのリサーチアカデミーですが、こちらから参加申込ができます。プログラムへのリンクも貼ってありますのでご覧下さい。内容に関する案内はまだまだブログ等でも行っていきますが、「細かいことはもういいから・・・」という方は、お早めにお申込み下さい。いずれにしたところで参加者の皆さんの研究力がアップすることは間違いありませんので^^

2015年7月27日月曜日

三本柱で行います

さて、以前に少しこのブログ等でも紹介したCBR主催のリサーチアカデミーを開講します。いろんな人と話をしてその内容について改良を重ねている間に少し時間が経ってしまいました。でもその分、コンテンツは練られたと思います。

1)「研究とは何か?」といった、研究を行ったり研究の成果を臨床で活用する上での心構え(リサーチマインド)を育成する研究論、2)合理的に実験をデザインしたり得られたデータを確率論的に評価できるようになるための統計学、3)研究の成果を日本語ばかりではなく英語でも理解・伝達できるようになるための学術英語論、の三本柱で行います。

研究者を目指す研究初心者はもちろんのこと、臨床家としてこれから治療手技ばかりではなく基礎的な能力(リテラシー)も高めていきたい人たちにお勧めのスクールとなります。3日間からなるコースで、開講日は以下のとおり設定しました。

1日目 2015年8月23日(日)
2日目 2015年9月06日(日)
3日目 2015年9月20日(日)

会場はCBRの拠点である神戸学院大学有瀬キャンパスです。プログラムの詳細と参加申込の案内は明日以降、集中的に行っていきます。

受講前に「研究」について何も知らなかった人たちが、受講後クリティカル(critical)に個々の研究成果を吟味・評価できる素養を身につけられる内容です。また、これまでリハビリの世界の中だけで見よう見まねで「研究らしきこと」をしてきた「独学研究者』」の人たちには、これまで学んだことのなかった視点・考え方を提供できるのではないかと思っています。

日本の理学療法の世界から、アメリカのリハビリ研究、そしてMITでの脳科学と渡り歩く中で自分自身が習得した研究論の集大成がこのスクールには盛り込まれています。もちろん、それと現在の日本のセラピストらによる研究との対比なども講義の中ではディスカッションしたいですね。

どれだけの人がこんな企画に興味をもってくれるのかさっぱり僕には分かりませんが、個人的にはとてもとても面白い試みになると思っています。この件に関する明日からの情報をお楽しみに。開始まで日が迫ってはいるんだけど、できるだけ沢山の人たちに参加してもらえると嬉しいです。

2015年7月25日土曜日

ぐだぐだと語り続ける惰性と体力

何か書きたいことがあったんだけど忘れてしまったので日記を書こう、と言っていつも日記なんですが。。。このブログは特定のテーマがあるわけではないし、ジャンル的にどう分類したら良いのか自分でもよく分からない。たぶん「キャラだしブログ」というのが一番近いと思う。自分という人間がどんな人かそれとはなしに知ってもらうための自己主張媒体です。こういうものを一つ持っておくのはとても大事だと思う。なぜなら対面で多くの人に自分が考えていることを事細かに語る時間はないからだ。そして、これはそれ以上に大切なことなのだが、自分が本当に何かを不特定多数の人たちに伝えたい時が来た時に瞬時にそれを伝える媒体を持つことになるからだ。本当のことを言えば、こういう雑記ブログを構築するのはそんなに簡単なことではない。ぐだぐだと語り続ける惰性と体力が必要なのです。

リハビリ地方の方言の...

さて、昨夜はspeculationという英語の意味について書きましたが、こういう言葉がリハビリ業界に導入される時って、英語のニュアンスそのままに入って来てそれがそのまま広まるなら良いんですが、実際には少しズレた形で拡散されることってあると思う。あまりピッタリはまる例えではないんですが、シナジー(synergy)なんて言葉があるよね。コレ、理学療法士の頭には片麻痺の症状と結びつけてインプットされてることが多いかもしれないけど、英語的には片麻痺に限ったことではなくて相乗作用とか波及作用といった意味がある。もとの意味を知っていて片麻痺の病態にその言葉のイメージを重ねていくなら良いんですが、片麻痺に留まっているとリハビリ村の方言で終っちゃうんですよね。ま、方言は文化だし、それはそれで全く良いんですが、やはり標準語を理解出来て初めて方言の味が際立つのではないかと思う。昨日のspeculationも単に一つの例ではあるんですが、「根拠なき考察」というトコだけ伝わっちゃうと、そこだけ覚えて使ってしまう人たちが多々出てくるのではないかと思う。たとえば論文でwe speculate that...なんてくだりがあると「ちゃんと考えてないんだな...」みたいな風に読んじゃったりして......(笑)。村の中でその解釈が共有されてる分には特に問題はないだろうけど、街に出るといろいろ言葉の問題出るだろね。誰か卒論なり学位論文なりでリハビリ地方の方言の生まれ方や広まり方を調べたらとても面白い論文になるんじゃないかと思います。どなたか一緒にやりません?

2015年7月23日木曜日

SpeculationとReasoning

今日、タイムラインでspeculationとreasoningの違いを述べたリハビリ関連の記事が流れてきた。ちょっと気になったので読んでみると、speculationは「特に根拠のない憶測」で、reasoningは「根拠のある推測」といった趣旨でした。だから臨床ではできるだけspeculationではなくreasoningをしなくちゃいけないということなのですが、僕はちょっとしっくりこなかったんですね...。ま、だからちょっと気になったんでしょうけども、speculationって確かに確たる根拠なく(実験データなどがなく)アレコレ考えることなんですけど、そんなにネガティブな意味はないように思う。論文の考察なんかで確証的でないことを空想的に論じたりしてると「まだ証明されていない」という意味を込めてspeculativeと釘を刺すことはあれど、スピーカーに質問する時などは Can you speculate? ってよくお願いしますよ。想像力を働かせていろいろ考えるってことでもあるし、その考えが必ずしも非論理的なものとは限らない。論理的にspeculateすることだって出来るというか、サイエンスに関わること考える時にはspeculationとは言えど論理的であることが前提だと思うんですね。逆にreasoningが本当に根拠に基づいたものかと言うと、必ずしもそうではなく、根拠の薄い理由づけ(reasoning)も普通にあると思う。クリニカルリーズニング(臨床推論)って、ほとんど確たる根拠(データ)なしに経験論的になされる行為じゃないのかな。もし考える余地のないほどデータがばっちり揃ってたら推論する必要ないじゃないですか。不確かなことをspeculateすることでreasoning(臨床推論)が成り立つんだと僕は思う。

2015年7月22日水曜日

全国統一大学卒業試験

先週末にやってきた台風のおかげで週末の授業が台無しになってしまったんだけど、補講をやる余裕はやはりなかった。大学院の授業も僕担当分二つばかりが休講になったんだけど、こちらは受講者の数も少ないし、院生もやる気だったので大学には内緒で開講した。学部(undergrad)に関しては15週まるまる講義にしたら無理出てくるって。文科省のお役人さんがもしこのブログを読んでいたら最後の1〜2週は補講期間にするとか自習期間にするとか、各大学に指導して頂くようお諮り頂きたいです。こういう時間をみっちりやって学生を縛るやり方よりは、成果主義で、「全国統一大学卒業試験」のようなものを企画されてはどうでしょうか。大学のレベルは考慮して、それぞれ合格点を変えれば良いです。リハビリ士(PTやOT)は一応全国統一の国家試験があるわけだけど、一つの学期に15回やっても13回しかやらなくても、現場の教員の感触として、合格率は変わらないと思います。場合によったら、先生が下手な授業で教えるより、学生が自習した方がよっぽど率良く勉強できるかもしれないですよ〜。

それはそれで不自然

安保法案に始まった話ではなく、インターネットっていろんな人がいろんな言い分パブリッシュできる素敵な媒体だと思う。そこにはある事やある人に対する賞賛やら罵倒やらがごちゃまぜに存在しているわけだけど、時々、ネガティブな言い分に対して「(それを)見聞きした人たちが不快になるから」といった理由で批判してる記事とかよく見かけますよね。「マナーを守りましょう」みたいな記事ですよ。僕も日頃あんまりポジティブでハッピーなこと書いてないし、どちらかと言うとネガティブサイドからのシニカルなものが多いと思う。でまぁ、別に自分がそうだからこんなこと言うんじゃないんだけど、僕がいつもこの手の記事を読んで思うことは、注意しているその人たちも結局のところは、ネガティブで批判的なこと言ってる人たちのこと批判してるんですよね。「そういうのは良くない」と。たぶんその人たちは不快なことを言う人がいるから注意してるだけなんだと言いたいんだろうけど、その不快なこと言ってる人たちもまた、どこかで不快な思いをしたからそれ表現してるんだと思うんだよね。だから、根っこを辿ればそういう人たちって使う言葉は違えど同じ原理で動いてるんだと僕は思う。あ、コレ、僕が個人的に注意されたとかそういうことじゃなくって、前々から一般論として思うことですけど。。。国レベルでもそうかもしれないけど、「正義の味方」はあまり真に受けない方が良いと思う。確かにポジティブでハッピーことばかりだと良いとは思うけど、それはそれで不自然だと思うんだよね。

2015年7月20日月曜日

たくさんあるわけなんだけど

今日は海の日とやらで世間はお休みだったようですが、大学は通常どおりにありました。昭和の日にも授業があったんですが、数年前から文科省のお達しか何かで前期・後期それぞれ15回授業しなくちゃいけなくなって、祝日も休めなくなったんですね。日本の大学生も大変なんです。僕も今日は他学部生の教養の授業で1限に脳の話をしました。今日で4回目です。みんな質問しないし、面白いと思ってるのかどうか分からないんだけど、一応大学からはサラリー頂いてるし、時間は埋めないとね。でもそんなに退屈はしてないみたい。実際、ダイエットの話なんかもしていて、ところどころ学生の目が輝いている局面はある。脳科学っていろんな話題に絡めて適当にそれらしいストーリー作れるところが強みだよね。実のところは、別に脳を持ち出さなくても良い話はたくさんあるわけなんだけど。

2015年7月19日日曜日

お互いがプラスになる方々と

昨日、このブログで痛みの勉強会に関する呼びかけをしたところ相当数の人たちからメッセージを頂きました。早速ありがとうございます。いろんな立場の人やバックグラウンドを持った人たちに興味を持って頂いたのですが、さあ、これからどういう形で進めていくかちょっと考えないといけないですね。。。こう書いてしまうとかなりいい加減に聞こえるかもしれないですけど、進め方については特に具体的なプランがあるわけではないんです。CBRのセミナーみたいにこちらが伝えることを用意してそれを学んでいただく場ではないので(そういうことを期待されている方はセミナーの方にご参加下さい)、双方が対等な立場で持ち寄れることが前提となります。ですので、まずはお一人お一人とお話して出来ることを探っていこうかなと思っています。僕たちのモチベーションは自分たちの研究を痛みにも適用していきたいというところにあって、一緒に勉強することでお互いがプラスになる方々と深く関わりたいと思っています。まだまだ興味のある方からの連絡をお待ちしていますので、扉が開いている間にこの機会を活かして下さい。連絡先:メール cbr★toshiz.net(★を@に)または 坂本年将 Facebookメッセンジャーへ。

2015年7月18日土曜日

痛みに興味のある人いませんか?

整形外来などで痛みのある患者さんを日々診られていて、これから脳科学的に痛みの治療を展開したい方がおられましたら我々(CBR/坂本ラボ)と勉強会しませんか? 脳の働き、心の働きを変容させることで痛みの程度や質が本当に緩和されるのか、脳科学に基づく教育的アプローチについて検討します。興味はあれどまだ具体的な行動が取れていない方、大歓迎です。希望者がなければ、今いるメンバーだけで検討していきます。連絡先: メール cbr★toshiz.net(★を@に)または 坂本年将 Facebookメッセンジャーへ。

アメしょん

先日、ある若手のセラピストと海外留学について話しました。20年前ならさておき、今どき留学に興味のある若者がいるのかと思ってたのですが、いることはいるんですよね。やっぱ英語が自由にこなせるようになるというのはそれなりに魅力のようです。それでいろいろ話してたんですが、結構、憧れはあれども、その夢は漠然としてるんですね。ほぼ何も知らないに等しかったです。あ、別にこれはその人が勉強不足だとか言ってるわけではなくって、海外に興味を持ってる人に全般的に言えることじゃないですかね。周りにそういう経験のある人もなかなかいないだろうし、あまりにも遠い世界の話なのでイメージが漠っとなってしまうのは当然のことかもしれない。日本で「進学」って言ってもピンキリいろんな進学があるように「留学」にもいろいろあるというか、実のところは「進学」よりその形態は多様じゃないかと僕は思う。だって英語留学で3ヶ月ちょろっとオーストラリア行くのも、アメリカでPhDを5年やるのも同じ海外留学なんだよね。セラピストの世界だと職場の長期留学制度(とは言っても1年)とか、臨床医の世界であれば教授のコネで2年ほどやる「アメしょん」(アメリカにしょんべんしに行くという意味のようです)とかが主流なのかもしれないですが、それぞれ全く違う留学であることに間違いはありません。でも、大多数のセラピストにとっては、どれもこれもみんな同じ「留学」に見えるんだろうなと、話をしながら思った次第です。ちなみに、「アメしょん」というシステムが今もあるのかどうかは定かではないですけど。

2015年7月17日金曜日

終日休講

昨夜から始まった激しい風雨が今朝まで続き本日終日休講です。今日は2限と3限に担当授業が入っていたのですが、すべてキャンセルとなりました。どちらもその科目最後の授業でいつにも増して大切な授業だったのに。。。(涙)。もう来週からは期末試験が始まりますし、それまでの授業スケジュールはとてもとても過密なものですのでこりゃ補講日設けて...なんて悠長なことはやってられませんね。それでも「15回目やれよ」みたいな指示がやって来るのかな?深夜や早朝にやれないことはないだろうけど、それに参加できない学生がいた場合、欠席扱いにするのかな? ??こういう不意な出来事があった場合にその衝撃を吸収するだけの余裕が日程に仕組まれていないんだよね。授業は学期中14週にして、あと1週は補講なり試験のための自習に当てるというのが、ゆとりの大学教育だと思うけど。

2015年7月16日木曜日

全く関係ない話ではあるんですけど

さて、いよいよ明日からCBRベーシック第2期の参加受付が始まるわけですが、今日は台風が四国に来てるようです。今、大学なんですけど、お外は風が強いです。ひゅーひゅー、びゅーびゅー。そして、全く関係ない話ではあるんですけど、国会では自衛隊に関する法案が通過したようです。国防に関することはよく分からないのですが、多数決って面白いですよね。国民レベルでは反対多数なのに議員レベルでは賛成多数なんですよ。国民の代弁者たちが民意を代弁してないんですよね。前にもこのブログで書いたことなんですが、この前の選挙で自衛隊のこと争点になってたのかな?? 僕、覚えてないよ。なんかやり方として、大多数の国民が欺かれてるようには感じるね。ま、そういう人たちにホイホイ権力を預ける国民にも大きな責任があるわけですけど。。。最高裁にはいずれ少なくともこの件に関して憲法99条違反があるのかないのかの判断はして欲しいですね。国の安全確保がどうあるべきかはさておき。

CBRニューロアカデミー第2期

さて、7月17日(金)からCBRニューロアカデミー第2期の参加申込の受付を開始します。今期はCBRサマースクールのプログラムとして短期集中で行います。

8月28日(金)13時〜20時
8月29日(土)10時〜17時
8月30日(日)10時〜17時

の連続3日間です。

1日目の8月28日(金)は午後から開始の予定です。今期は遠方から泊まり込みで参加される方も想定しています。

前回第1期と同じく『カンデル神経科学』をテキストに、ニューロサイエンスの基礎を深く幅広く講義します。

募集定員は12名ですので、ほぼプライベートレッスンに近い形で行います。

この夏、CBRで一生の宝となる確たる知識を身につけて下さい。

プログラムならびに参加申込サイトなど、ここからの詳細はこのブログのほか、 CBRのFacebookページなどでお伝えしていきます。

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脳とリハビリ研究所ニューロアカデミー
CBRベーシック第2期(夏期集中講座)

スクール開講日:
8月28日(金)13時〜20時
8月29日(土)10時〜17時
8月30日(日)10時〜17時

会場:神戸学院大学有瀬キャンパス
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★ 1日目 ★

テーマ1:神経系の成り立ちと行動の発現
テーマ2:神経系の発達と分子生物学
テーマ3:ニューロンの生理学

★ 2日目 ★

テーマ4:シナプス伝達とニューラルネット
テーマ5:感覚系のニューロサイエンス
テーマ6:痛みのニューロサイエンス

★ 3日目 ★

テーマ7:運動系のニューロサイエンス
テーマ8:情動と感情のニューロサイエンス
テーマ9:学習と記憶のニューロサイエンス

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2015年7月14日火曜日

コレ、気のせいかな...?

今日暑かったよね。神戸は暑かったよ。日中32度。ま、幸運にも外回りの仕事をしているわけではないので大抵エアコンの効いた屋内で楽ちんな時間を過ごしているのですが、それでもいろいろ気は消耗します。昨日と今日は一定の時間帯をブロックして試験の採点をしました。アメリカから帰ってきた頃は「オレの採点でこいつらの将来が決まるんだから・・・」というくらいの気合い入れてやってたものですが、日本の大学教育の仕組みというかリハビリ業界の仕組みというか、とにかく僕が今いる世界のことを知るにつれてそういう緊張みたいなものは消え失せました。そんなにシリアスにやる必要はないんですよ。アメリカだとMITであろうが州立大学であろうが、大学の成績はキャリアの一部で、その出来不出来で将来が決まってくるんですよね。だから、きちんと人生を構築したい人たちはみんなとてもハードに勉強します。でも、日本ではと言うか、少なくとも僕が今いる世界では、学校の成績がちょっとくらい良かろうが悪かろうが全く変わらないんですよね。いや、「全く」ということはないかもしれない。でも、ほとんど変わらないと思う。だって学年トップであろうがビリであろうが、理学療法士の資格取って同じ病院勤めたら給料同じだもんね。場合によっては出来る子の方がいろいろ仕事任されたりして時給は低いかもしれない。あり得るよね〜。いや、あるある...。これは僕のバクッとした印象なんだけど、大学時代によく出来てた子たちって、卒後、理学療法士辞めてたり、あまり目立たなくなってる気がするんだよね。コレ、気のせいかな...?

日本語・英語を問いません

脳とリハビリ研究所第3回学術集会〜CBR2015〜の参加受付しております。

一般演題(ポスター)の募集もしています。学会参加申込時にご応募下さい。現在、約10題のエントリーが集まっています。

エントリー時点では発表に関する詳細情報は必要ありません。過去に学会等で発表した内容でも結構です。日本語・英語を問いません。

ポスターは会期中にわたり掲示します。かしこまったプレゼンはありません。フリー・コミュニケーションです。興味のある参加者と個別にディスカッションして下さい。

密度の濃い少人数の集まりですので、きっと有意義な議論ができるはずです。

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会期:2015年9月12日・13日
会場:淡路夢舞台国際会議場(昼の部)/ウェスティンホテル淡路(夜の部)
定員:50名
会費:申込サイトで確認下さい
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CBR2015参加申込サイト

学会プログラム
http://stellar-mind.com/cbr2015/program.pdf

主催:脳とリハビリ研究所(CBR)
運営:株式会社ステラマインド

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第1セッション:神経系リハビリテーションの治療ターゲット
座長:松山リハビリテーション病院 山崎 倫

脳・認知系の成り立ちを基に、脳卒中後片麻痺ならびに神経変性疾患に対するリハビリテーション治療のターゲットについて討論します。セラピストによる治療介入が何を狙ったものなのか。患者の神経または認知機構にどのように作用することを期待するものなのか。臨床における治療仮説の組み立てとセラピーの実際を中心に議論を進めます。

第2セッション:ニューロリハ教育の構造と未来〜わたしの卒前・卒後教育〜
座長:ボバース記念病院 阪本 誠

リハビリ専門職者に対する神経系リハビリテーションの教育の現状と今後について討論します。個々の講演者の教育体験をもとに、我が国の神経系リハビリテーション教育が依拠する知の体系、そしてその根底にある価値観を探り出し、現状における問題点と今後の方向性について議論します。

☆ ナイトセミナー:次世代型ニューロセラピーに向けて
座長:神戸学院大学 坂本 年将

昼の部第1・第2セッションの内容を踏まえ、次世代における神経系リハビリテーションの在り方と、それを実現するための戦略(研究・教育の推進を含めた幾つかのアイデア)について討論します。本セミナーは学会2日目の内容にも繋がるものであり、本学会において中核的な役割を担うセミナーとして位置づけています。

第3セッション:リハビリテーションにおけるニューロテクノロジー〜想いをカタチに〜
座長:かねこ整形外科/畿央大学 中野 英樹

ヒトを対象とした脳機能研究は近年盛んに行われており、リハビリテーション医療への応用も積極的に試みられています。臨床での使用を考えた場合、その適応と限界、ならびに補足的に使用可能な代替手段の存在を理解しておくことは適切な治療介入を行う上で必須です。このセッションでは、fMRI、EEG、fNIRSなどの脳機能計測の臨床応用とその限界、ならびにそれらを補う手段としての身体運動計測法について討論します。

第4セッション:一般演題(ポスター)
座長:徳島文理大学 桃井 克将

ポスターセッションはご自由に討論下さい。発表者はご自身のポスターの前で質疑に対応願います。

第5セッション:リハ的コミュニケーション論
座長:神戸学院大学 坂本 年将

「コミュニケーション」をキーワードに、ソーシャルワーカー、言語聴覚士、公衆衛生学を専攻する大学院生(理学療法士、MPH candidate)の視点からそれぞれお話いただきます。学際色が際立つ‘特別セッション’として仕立ててみました。

第6セッション:神経系リハビリテーションにおける臨床推論
座長:Physio Study Kyoto 永井 豊美

臨床推論は医療者が医療を適切に行う上で最も重要なスキルの一つであり、また、「推論」はそれ自体、脳科学や認知科学における興味深い研究対象の一つです。この最後のセッションでは、専門的バックグラウンドの異なる4名の講演者が、それぞれ考える臨床推論について講義し、それを基に推論の基本・本質、そして疾病・障害に応じた適用について議論します。

CBR2015参加申込サイト

2015年7月12日日曜日

共同研究者の募集

さて、共同研究者を募集しています。現在、うちのラボでは感覚表象の再構築に基づく運動学習ならびに知覚学習を中心に研究を進めています。新たな学習理論の構築を目指す基礎研究あるいは理論の臨床応用に興味のある方はinfo★toshiz.net(★は@に)または坂本年将 facebook に連絡下さい。神戸学院大学の大学院生(修士または博士)として研究に参加することも可能です。Those intersted in neuro-rehab for post-stroke patients are especially encoraged to contact me...

2015年7月11日土曜日

いろんなものの縮図

今朝は先週配属の決まった2名の学部生を交えてラボミーティングでした。まったく予定はしてなかったのですが、会議開始後15分ほどでうち1名の卒業研究テーマが決まり、45分経過時にもう1名のテーマも決まりました。どちらも十分に面白いテーマでそれを遂行するに必要な実験はこれまた十分に feasible です。学部生の場合は臨床経験もないので実験の「段取り力」を身につけることから始まりますが、一つやり切ればそのプロセスを通してきっと大きく成長することでしょう。午後はうちの近所の珈琲焙煎室でもうひとつの勉強会。こちらは産地でのコーヒー豆の収穫・精製から小売店での焙煎・販売までの一連のプロセスを学ぶプログラムでした。高品質のものを最終消費者に届けるまでには幾つもの関門をクリアしなければならないことや、豆の精製・焙煎の作業が科学実験のそれと重なること、そして大手のコーヒーメーカーや、スターバックス、マイクロロースターがいるこだわりカフェの商品格差など、科学と社会、というか、とにかくいろんなものの縮図がコーヒーの世界にはあるのです。余計なひと言ではあるのだが、理学療法評価や地域リハを学ぶ前に学生は一度コーヒーについて学んだ方が良いかもしれない。昨年はワインの栽培をして’CBRワイン’なるものを作り販売したのだが、今年は’CBR珈琲’が出来た。ま、売る気はないけど...

2015年7月10日金曜日

面白くないんですよね

僕、うちの学部の図書委員してるので、本屋さんからいろいろ新刊書を紹介してもらえるのですが、リハビリ関連の本ってずいぶん増えましたよね。僕も一応リハビリの世界で仕事させてもらっているので、周りのことを知るためにもホントはどんどん読まなきゃいけないんだけど、ここだけの話、ほとんど、というか全くと言って良いくらい読んだことがないんですよ。論文も同様です。『理学療法ジャーナル』はもう20年以上購読してませんし、『理学療法学』も一応職場に送られては来るんですが、ほぼ全てビニールに入ったままです。いや、別に決意して読まないと決めているわけではないのですが、たぶんいつからか無意識下に条件反射が成立してしまっているのだと思います。たまに授業の準備で読まなくちゃいけないことがあったりして読んだ時に、あんまり良い印象を受けなかったりして、ついつい遠ざかってしまうのかもしれません。ときどき学生や若手のセラピストと話するんですが、彼らも「リハビリの本て面白くないんですよね」「ワクワクしないんですよ」なんてこと言ってます。あ、コレ、僕がそういうこと言うように誘導してるわけではないですよ。あくまでも彼ら自身の感想です。ま、僕自身もこんなこと言ってて自分でそんな面白いものを書いたりする自信は全くないのですが、どうすればリハビリを題材にして面白いものを作れるのか、若い人たち(に限るわけではないけど)を知的に啓発することができるのか、最近、理学療法の学会行ったり、大学院生と研究したり、CBRの活動を通していろんな人と関わったりしながら模索してるんですよね。

2015年7月9日木曜日

男の価値は間隔尺度で

先日、学生たちと授業で男の価値と女の価値について話した。「理学療法研究論」の授業である。ま、一言で「価値」と言ってもいろんな文脈でそれは決まるわけで、一応、結婚相手としての価値ということで議論した。まだ歳が若くて未婚の人にとってはとてもドライに聞こえるかもしれないけれど、結婚というのはどう見たところで契約行為である。つまり男と女がモロモロの条件を付き合わせて合意形成を図るのだ。もちろんその条件の一つが互いの愛情であることに異論はないところであるが、結婚というのは人生の方向性や生活水準を決めうる大きな大きな契約である。従って、その条項は通常、「愛」を含めた少なくとも複数のリストから構成されるものとなる。僕は学生たちにここまでの話をした上で「男女の価値とは何か」について問うたわけだ。すると、男の価値はズバリ「年収」。女の価値はいろいろあって「顔」とか「愛嬌」とか「家事力」とか。男は間隔尺度で価値測れるから分かりやすいけど、女の価値を定量化するのはなかなか難しいよね。。。それにしても、この男女の図式って、昭和以前から全然変わってないんだよね。

社会人オーラ

たぶん直接的な話としては今夜で最後になるかと思う、県学会ネタ。。。全国学会と比べるとかなり小じんまりした集まりでしたが、印象に残っていることの一つはうちの卒業生にたくさん会えたこと。神戸の大学なんで、多くの学生は卒業後、兵庫県下で働いてるんですよね。1期生なんてもう卒後7年目ですよ。人数の少ない部署だともうその部署の責任者してたり、大きなところでも主任予備軍の一員になってるみたい。みんな働き出したら面構えもしゃんとして、立派(そう)な社会人になっていくんですよね。こういうの見てるとホント在学中のマナー教育とか長い長い臨床実習ってどれだけ意味あるんかなと思うんだ。いや、分かるんですけどね。現場に出る前にある程度は躾けてないとダメだってことは。。。でも、そういう社会人オーラを身につけるには、やっぱ学校にいちゃいけないんですよ。現場の方が学べることは現場でやって、学校では学校でしか学べないことを教えるべきだと思うんだよね。コレ、突き詰めると立派な理学療法士になるために学校教育が本当に必要なのかといったことにもなるんだけど、このことマジで考えてる人どれだけいるかな?

2015年7月7日火曜日

それ、患者さんのためになってるのかな?

2〜3日書くと言ったので兵庫県学会(PT学会)からの話題をもひとつ。今回、僕が座長をした一般セッションでは6題の発表があったのですが、その一つが鍼治療に関するものでした。指の拘縮をストレッチと併用して改善したとの内容でなかなか興味深いお話でした。でも発表者が理学療法士(PT)ではなく鍼灸師の先生だったことが学会運営上ちょっと気になった人たちもいたみたい。審査員のコメントにそのことが書かれていたので、質疑の時間に僕の方から発表者の先生にどう思うか質問ぶつけてみたのだけど、リハビリ場面で使用される鍼治療のことをPTに知ってもらいたかったとのこと。まぁこういう学会には会則があって、それに抵触しなかったから発表されたのでしょうが、僕自身は非常に良かったのではないかと思う。セッションの中でもコメントしたのですが、PTが鍼を打てなくてもどんな症状にそれが効くか知識として持っていたら、鍼師さんと組んで治療できるじゃないですか。こういう発表はPTが鍼のことを知る良い機会になると思うのです。PTの中には鍼灸師さんや柔道整復士さんなどに排他的な態度を取る人たちもいるのですが、そういうのって縄張り争いの一環なんですかね? それ、患者さんのためになってるのかな? PTと補完的にコラボできるなら一緒にやった方が良いと思うけど。。。患者さんにしてみれば、理学療法で治ろうが鍼で治ろうが薬で治ろうがどうでも良いことなんですから。

2015年7月6日月曜日

話が大きくなるんだけど

せっかく昨日は兵庫県の学会行ったし、ここで仕入れたネタで2、3日書いてみましょうか。。。昨日は地域包括ケアについて少しばかり書いたんだけど、僕は「地域」のことはほとんど何も知らなくて、ほぼ素人です。「地域リハ」とか「地域PT」とかいう言葉にもスゴい違和感あって3年ほど前にもこんなブログ書いてるのを発見しました(「『地域PT学』って何?」、脳科学者の身辺雑記、2012年)。でもいろんな人の話を聞いてて段々自分なりの定義ができるようになってきました。昨夜もさらっとシレっと書いたんだけど、地域リハとか地域PTって、誇張して言うと「病院外でのリハビリテーション」のことなんですよね。ま、病院内のリハも入ることはあるかもしれないけど、病院内で完結してるとダメなんですよ。必ずそこには訪問リハなり在宅リハなり送迎付きの通所リハなり、病院外のリハサービスが絡んでいる必要があるわけです。地域包括ケアの中でなされるリハも院外リハを中心に想定されているのでしょうが、よく考えれば、実際には理学療法士であればどこでやろうが理学療法を提供するわけで、やることは包括ケアになったところで大して変わりはないんじゃないかと僕は思う(「ヘルプの階層」、脳科学者の身辺雑記、2014年)。患者さんの生活重視とか言っても、そんなのボバースとか認知とかあるいは昨日の話に出てきたCI 療法とかもみんな同じこと重視してるわけで、「地域だから・・・」って特別に患者さんの生活のこと大事にしてるわけでもないでしょ。患者さんのご自宅お伺いして関節運動やマッサージや散歩介助だけして「地域リハ」が成立してしまうのはやっぱインチキだと思うんですよね(「地域に根ざしたリハビリテーション」、脳科学者の身辺雑記、 2015年)。リハビリとか福祉とかって、時々「まちづくり」みたいな言葉が出てきて話が大きくなるんだけど、一市民として言わせてもらえば、職人さんにはちゃんと仕事を納めて欲しいと思うよね。

2015年7月5日日曜日

もうひとつのトランスファーパッケージ

今日は学会で尼崎市に。兵庫県の理学療法学会です。僕の仕事は午後のセッションの座長だったのですが、せっかくなので朝のプログラムにも参加しました。ニューロリハビリテーション(CI療法)の講演では「トランスファーパッケージ(transfer package)」という言葉を学ぶことができました。患者さんがリハビリ治療で学習したことをいろんな日常動作に応用できるようにするための仕組みのことを言うようです。以前にこのブログで「行為間比較」という言葉(患者の行為を時系列において評価すること)も取り上げたことがありますが、いろんなリハビリ語がありますよね。この講演の後に地域包括ケアのシンポジウムもあったのですが、未だに僕はこのシステムのことがよく分からないのです。いや、も少し正確に言うと、全く分からないというわけではなくって、話を聞いた時にはなんだか分かった気になるのですが、帰りの車の中でいつも「結局なんだったんだろ?」って思うわけですよ。これまでの地域リハ = 病院外リハビリテーションと何が違うんだ?と。生活志向型のリハとかQOL志向型のリハとかいろいろあるのは分かるけど、そんなの昔から言われてることじゃないですか。要するに、患者の病院滞在日数を減らしてどうやってリハビリの質を維持するかってことですか? ? 実のところは、全国各地のいろんな研修会で僕と同じこと感じている理学療法士は相当数いるんじゃないかと思うけど。。。でも一つ確かなことは、医療や介護が患者を最後まで責任を持って診ようとすると、ケガや病気の急性期から、回復期、維持期、退院後などと、リハビリのステージに応じてリハが行われる場所やそれに関わる人たちは変わるってことなんですよね。つまり患者は何回もトランスファー(居場所が変わること)を経験するってことなんだけど、ここの繋ぎ(リレー)はやっぱコミュニケーションスキルやら信頼関係やらが深く関わってくるところがあるだろうからなかなか簡単にはいかないのかもしれないね。そういう意味では、地域包括にも(あるいは地域包括にこそ)「トランスファーパッケージ」なる言葉や仕組みが必要とされているのかもしれません。

2015年7月4日土曜日

英語が書けるということは

今日もお昼はラボミーティング。土曜日が大学院生の登校日なんですよ。修士の1年目であれば、学期中は基本、平日夜と合わせて週3回講義を受けに登校します。昼間や日曜に働きながら通学するので楽というわけではありません。遠方からだと泊まり込みで来てる人たちも普通にいます。大学院自体は日本全国あるわけだけど(一応、国外にもある)、指導を受けたい先生が近くにいるとは限りません。。。今日は今後の実験の詳細を詰めました。研究テーマも英語に直し、論文化に向けて一歩足を進めることができました。院生にも今日話したことではあるんだけど、英語が書けるということは科学系の研究者にとってとても大事なことなんです。それもただ書けるというだけではなくって、上手に美しく書けるということが大事です。よく「科学論文は伝われば良い」なんて言う人がいますが、そんなことはないですよ。全くないです。特に大脳生理の論文なんかだと筆力で掲載される雑誌の格はずいぶん違ってくるんじゃないでしょうか。実のところはデータじゃなくって、リテラシーであったりするんですよね。

2015年7月3日金曜日

コミットメントのない約束

今日は不思議な発見があった。これまでいろんな相手とアポイントメントを交わしてきたけど、「現時点では空いているけど、まだ変わるかもしれない」と言う相手は初めてだった。コレ、「今は空いているけど直ぐに埋まるから予約は早めに」ということではなくって、「あなたと予約した後にほかの仕事が入ったらキャンセルするね」って意味なんです。同様の案件でこれまで60件以上は面会予約を交わしてきたけど、こういうアポの提案は初めてだ。しかもすでにこの相手方は先日一旦予約していた日時をあちら都合でドタキャンしてるんですよね。つまり、二回目のアポやり直しで「次も同じようなことがあればキャンセルします」って言ってるわけ。人の時間に対する基本的なリスペクトが全くないってことなんでしょうが、どうやら世の中にはいろんな予約の仕方があるようです。

2015年7月2日木曜日

お前は不幸な奴だ

昨夜はなんとなく書き始めて、今の学生が僕らの時代(25年ほど前)の学生と比べて幸せなのかといった話に落ち着いた。もちろん「そんなの今も昔もその人次第じゃん」ということではあるのだが、リハビリ教育の体制が整備されてその分幸せを感じている学生が増えたかというと、昔と比べてほぼ横ばいか、抽出するサンプルによっては逆にその割合は減っているかもしれないね。確かにハピネスの定義は人それぞれで、誰かがほかの誰かに向かって「お前の人生は幸せだ」とか「お前は不幸な奴だ」と決めつけるのは難しい。でも、理学療法士になることに大きな希望を抱いている学生も昔と比べてそれほどいないのではないかと感じるのは気のせいか。。。いや、特に、これはシリアスな話じゃないんです。Don't take it seriously。僕が教えている学生たちは皆ほんとに良い心を持った子たちなんです。でも、ただ恵まれた環境を与えるだけで人は幸せを感じるほどシンプルなものでもないんだなと思うわけですよ。たぶん、欲せずして与えられたものに人はそれほどの有り難み(喜び)を覚えることができないんだろう。これは学生に限った話ではなく一般論ではあるけれど、価値を理解できない人というのは喜びにも恵まれない人なのかもしれません。

2015年7月1日水曜日

人間の心のややこしいところ

朝はどしゃぶりの雨でしたが、1限の理学療法研究論に欠席者はいませんでした。遠くから片道2時間以上かけて通学している学生もいるわけで、いい加減な授業はできません。小テストもあるし、学生も休んでいる場合ではないという事情もあるでしょう。今日は統計研究と事例研究について話したのですが、この科目における僕の好きな単元ですね。僕が学生の頃はこんなこと教えてくれる授業がなかったので自分で気づいていくしかなかったんだけど、今の子たちは当時と比べるとホイホイホイホイいろんなこと教えてもらえて恵まれてるよね。でも、だからと言って今の学生の方がハッピー(な気持ちを持ってる)かというと必ずしもそうではないところが人間の心のややこしいところなんだよね。