2016年9月11日日曜日

全人的復権

9月17日・18日開催のCBR2016でランチ会をします。

学会2日目、会場の淡路夢舞台にあるアート山美術館で開催します。

今回、このランチ会に建築家の伊藤壽浩先生をお招きし、ちょっとしたセミナーをやります。

建築と芸術と宗教に関わるお話です。

伊藤先生はこれまで30年以上にわたり、住宅、学校、病院など、数多くの作品を手がけられてきました。

どれも大胆で個性的な作品です。

先生が建物をデザインする時のインスピレーションがどこから来るのか?

今回のセミナーでは、僕が常々伊藤先生にお聞きしたかったことを(その手がかりを)お話頂けるのではないかと思っています。

脳とリハビリの学会に建築の話なんて関係あんの?

と思う人たちも少なからずいると思いますが、これは単なる余興としての教養講座ではありません。

人の生活における建築の役割を突き詰めて考えると、建築もまた、その他の芸術と同様に、人がその心を取り戻すためのリハビリテーションの手段になり得ることが分かるはずです。

このランチ会だけの参加も出来ますので、興味のある方はこのブログ末尾に記載の要領に従いお申込下さい。

先日、伊藤先生からセミナーの抄録を送って頂きましたので以下転載しておきます。

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9月18日 CBR2016ランチタイムセミナー
〜建築・芸術・宗教〜
伊藤設計室 伊藤壽浩 先生
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そもそも建築は絵画、彫刻、音楽まで包含した総合芸術でした。

さらに建築史を彩る教会や神殿は宗教施設であり、エジプトのピラミッド、ギリシャの神殿、キリスト教の教会という西洋建築史の発展は、その後近代まで続く人間と神との関係の変化そのものであり、言いかえれば人類意識の発展の歴史そのものだと私は考えます。

この発展は社会構造が根底から変化した近代に至ると決定的な変化を迎え、人間は自らを神から完全に遮断することになります。

現代建築の起源ともなったこの時期の様式が目指したものは、文化、風土、立地の特性といった地上的な要素を考慮する必要のない極めて概念的で抽象的な建築でした。

科学の発展と経済原理による一元化と共に人間理性による支配は続き、現代その潮流はさらに速度を速めているように見えます。恐らくそれほど遠くない将来、建設と言う行為は現在とは全く異なるものとなるでしょう。

豊かな特性を持つ自然な素材に取って代わり、強さと可塑性を持った樹脂のような素材を人の手に代って3Dプリンターが加工することになるでしょう。

そして法的、経済的条件整理のみを行ってきた建築家はAIに取って代わられ、そこに更にVRも加わって虚実あいまった世界が生まれるようになるのかもしれません。

それがいかに自然や人間性に反するように見えようとも、避けて通れない道なのでしょう。

しかし逆にこうした事態そのものが、本当に大切なもの、人間がすべきことを教えてくれる又とない機会となるのかもしれません。

建築はそもそも芸術であり宗教でした。かい離した肉体と精神の再統合という古くて新しい課題の為に、いまこそ建築が本来の役割を果たすべきだと私は思うのです。

<抄録ここまで>

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建築も心と身体の問題、リハビリテーションに深く関わっているのだと思います。

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CBR2016ランチタイム企画
〜アートに触れる〜
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日時:2016年9月18日(日)11:30〜14:30
会場:アート山美術館(淡路夢舞台内)
講師:伊藤設計室 建築家 伊藤壽浩 先生
会費:2,500円(入館料・昼食代込)現地払い

申込方法:

1)お名前、2)おところ

をメールでお送り下さい。

メールアドレス info★stellar-mind.com(★を@に)
件名は「CBR2016ランチ会」でお願いします。

また、CBR2016への参加もまだ受け付けています。9月17日・18日に都合のつく方、今度の連休を有意義に過ごすチャンスですよ。

人生、キャリアの転機になるかも....


CBR2016参加申込サイト
http://stellar-mind.com/cbr2016

皆さんのご参加お待ちしています。

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【伊藤先生プロフィール】建築設計事務所勤務を経て渡独。自由ユーゲントゼミナールでルドルフシュタイナーの思想や芸術を幅広く学んだ後、キリスト者共同体自由大学にて人智学、キリスト教を深める傍ら建築設計事務所で研鑽を積む。1989年伊藤設計室を設立して現在に至る。2001年NPO法人京田辺シュタイナー学校開校と共に宗教専科教員を兼務し現在に至る。代表的な作品に京田辺シュタイナー学校、神戸女子大学同窓会館、あげつまクリニック別館などがある。トータルな人間観に基づいた空間を目指して、これまで教育施設、医療施設、個人住宅などを多数手掛ける。伊藤設計室公式ホームページ http://www.ito-arc.com/

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