2016年7月31日日曜日

夏休み

あっと言う間に7月も終わりました。いつの間にか大学の学期も終わっていて、気が付けば担当する科目の期末試験も終わってました。これから採点で、夏休みなんですよね。いろいろと夏の間にやっておかなくてはならないことがあります。淡路島のCBR2016の広報にも力を入れていかないといけないし、秋から始まるCBRの新企画もここ数日の間にセットアップしないといけないし、ホームページのリニューアルとか、大学院生の募集とか、研究プロジェクトの仕上げとか、もっと大きな新規事業の立ち上げとか、考えたり、決断したり、手を動かしたりすることは山ほどある。特にうちのラボで大学院進学を考えている人は急いで下さい。9月初旬に入学試験がありますが、事前に面接しますので。。。まだ2人くらい指導できる余裕があります。

勉強してどうなるん?

さて、しばらくぶりのブログです。今週は水曜日に京都で国際セミナーがあり、その前後に祇園や先斗町で講師のMark A. Jones先生らと打合せや懇親会をやりました。僕は神戸に住んでいるので京都はそう遠くないのですが、これまであまり縁がなく夜中に飲み歩くこともなかったです。でも、今回は京都の良さに少し触れることができました。やはり神戸とは雰囲気違いますね。確か京都はボストンと姉妹都市だったような。ボストンにいた頃、京都市の市長さんが日本人の集まりにやって来て、大声張り上げて日本語で挨拶してたのを思い出した...笑。セミナーの方は盛況で、内容からすれば2日ほどでやった方が良かったですね。学生が学校で一般的に学ぶ患者の診方よりも遥かに踏み込んだ内容だったし、日本人講師が得意とする上っ面の受け売りや、痛みに関わる安易な脳科学の引用もなく、知識をきちんと組み立てて実践する内容でした。2日間となると、それはそれで更なる日程調整も必要になるし、参加費もその分上乗せになるので受講者にとっては(そして主催者にとっても)大変だろうけど、しっかり学ぶという意味ではそっちの方が良いと思う。。。今回ちょっと思ったことだけど、日本のセラピストの場合、知識や技術の習得が収入アップに直接繋がるわけではなく、なかなか自己研鑽にかけるお金や時間、エネルギーを「投資」として見ることが難しいんだよね。「勉強してどうなるん?」ってことですよ。多くの人たちは遅かれ早かれ(早い人は学生初期に)この境地に達し成長することを止めてしまうわけだが、こういう点からも理学療法士が開業して個人の力量で勝負できる(ステータスが決まる)ような環境を作っていかないといけないんだよね。

2016年7月25日月曜日

真夏日でも20℃と...

今日は山に遊びに出かけたのですが、山頂はやはり涼しかったです。海抜約1km。幾つか立ち寄った場所の中に「六甲山ホテル」という大阪・神戸を一望できる昭和初期に建てられた古風なホテルがありました。案内によるとヨーロピアンリゾートをモチーフに設計されたとか。戦争が激化した昭和19年頃から10年近く閉館していた時期があったようですが、見方を変えると開戦後もしばらくは山手のリゾート地で遊んでいた人たちもいたわけで、戦争というのは案外悲壮な雰囲気の中で始まるものでもないのかもしれないと思いました。冴えない喩えではあるけれど、生活習慣病がじわじわと進行するように、大丈夫大丈夫といつもの生活を繰り返している間に傷口はどんどん広がっていたのかもしれませんね。。。さて、話は変わるのですが、「六甲枝垂れ」という展望台にも行ってきました。三分一博志(さんぶいち ひろし)という建築家が設計した作品で、展望台の中は今日みたいな真夏日でもエアコンなしに20℃と、とても涼しいんですよね。冬に作った氷を氷室に詰め込み、その冷気を自然の風に乗せて室内に流します。木とパイプと石で作った素朴な建物ですが、無駄が削ぎ落とされていてカッコいいんですよ。何事も素人はとかくやりたいことを個別に全て盛り込もうとして不格好なものを作ってしまうように思うのですが、建築はそこのところでプロとアマ、一流と二流の違いが如実に現れる気がします。今年のCBR学会は2日目の昼に建築家を招いてランチョンセミナーやるんですが、講師の先生にはその辺りのことも含めて建築という芸術について語って頂く予定です。参加をご検討中の方はどうぞ楽しみにしていて下さい。CBR2016。9月17日・18日の2日間。開催地は、夢のリゾートアイランド、淡路島。もうすぐ参加受付開始します。

2016年7月22日金曜日

実践的な学び

大学では前期の授業が終わろうとしてます。来週から期末試験です。そして今日は一足お先に2年生の「生理学実習」という科目のまとめ試験がありました。6人の教員が屋台方式で分担する大掛かりな科目です。「屋台」というのは各教員が同じ時間帯にそれぞれ別に同時進行で授業する授業形態で、もう一つのスタイル「オムニバス」は各教員がたとえば15回の授業のうちの何回かをそれぞれが担当するものです。だから屋台はオムニバスより人手がかかる高燃費なやり方なんですね。僕は今年から担当で、いきなり科目責任者を任されたのですが、周りの助けもあって恙(つつが)無く終えることができました。合計30回の授業を行いましたが、終わってみれば、と言うかやってる間も楽勝でしたね^^v。講義だと、たとえ15回でもその科目に関して相当な知識を持っていないと実のある授業をやり通すことは出来ませんが、実習の場合は基本的に一つコンテンツを作ってしまえば、その繰り返しなので授業の時間数の割には楽なんですよ。おまけに授業中も学生が手を動かしてやってくれるわけだから教師が自分の知識を動員して話する時間は圧倒的に短くなるのです。うちの大学ではないですが、カリキュラムに実習がたくさん組み込まれていることを「実践的な学び」と称してそれを売りにしている学校が少なからずあるけど、あれって教員が理論的に教えられないから実習が多いだけなのかもしれない(笑)。僕にとっては初めての実習担当でしたが、こんなに楽ならもっと早く実習科目を担当しとけば良かった。。。各教員の授業負担をカウントする時に、講義も実習も一コマの担当は同じ一コマなんだよね^*

2016年7月20日水曜日

一理あると思う

前回のブログで医療・福祉系の資格が一人で複数取れるように厚労省が制度設計に着手したことを書きました。つまり、看護師さん、介護士さん、保育士さんらが理学療法士(PT)免許を取りやすくなるようにするということです。あ、もちろん、PTがほかの資格を取ることも簡単になるということですけどね。でも、個人的にはPT免許が狙われているように思うんですよ。セカンドライセンスとして。。。特に介護系の施設だと、介護士や看護師が「掛け持ち」で理学療法も出来ると効率が良いのにという場面が少なからずあるんじゃないかと想像します。理学療法が端から見ていてスゴく難しそうなことをやっているのであればそんな発想も起きないのでしょうが、そういう風には見えないのかもしれないですね。実際、解剖学はさておき、生理学に基づいてやっているかどうかは危ういとこだし、マッサージやお散歩の付き添いぐらいなら誰でもできるよと思われているかもしれない。資格の規制緩和なんかしたら「PTのレベルが下がる」と前回のブログでは書いたんだけど、実のところを言うと、何をもってレベルが高いというのか、視点の異なる他分野の人も交えて一度吟味した方が良いんじゃないかな。病院のリハビリ室でこだわりのある理学療法をやっても患者が退院したら適当にやった理学療法を受けた人たちと大差なかったなんてこともあるかもしれない。誰かそういう調査研究やってくれないかな。ま、そんなことは既に沢山やられていて結果は出てるんだろうと思うけど。。。PTって結局現場でやり方を覚えていくタイプの仕事なんだよね。養成教育に3年も4年もかけてやってるというのは、教育が非効率だからこそ成り立っているわけでさ。以前に6年制を目指そうとしている業界のエラい教授先生がおられましたが、6年も何やるねん? そういうこと考えると、資格を取りやすくするというのも、それはそれで一理あるんじゃないかと思うんですよね。

2016年7月18日月曜日

むしろ人手を減らすため

昨日の日経新聞に掲載された記事。

医療・福祉の複数資格取りやすく 厚労省、共通科目導入検討

医療・福祉系の資格が一人で複数取れるよう、厚労省が制度変更に着手したらしい。

たとえば、看護師や介護福祉士がセカンドライセンスとして理学療法士免許を取るとかです。

もちろん今でもそれぞれ正規のカリキュラムを履修すれば、二つ、三つと資格を併せ持つことはできますが、それをより容易にするということです。

この改革の狙いについて少し考えてみたいのですが、単に人手不足を解消するといったことではないと思う。

むしろ人手を減らすための施策だろう。

つまり、今は現場のいろんな業務が制度上細分化されていて、すべてをカバーするにはそれぞれの専門資格を持った人を採用する必要があり、経営サイドとしては効率が悪いのかもしれない。

たとえば、ちょっとした理学療法業務を看護師さんや介護士さんが出来ればわざわざPT(理学療法士)を雇う必要はないといった状況があるのかもしれないです。

これはこれらの専門職者を養成する学校にとっては受験者のマーケットが広がるわけで歓迎すべきことなのかもしれないが、PTにとってはそれほど喜ぶべきことではないだろう。

この規制緩和と連動してPTの卒業要件もお役所主導で緩和されることは可能性としてないわけではない。というか、資格を取りやすくするわけだから、緩和されるわけだよね。

となると、PTに求められる水準(レベル)は今よりも下がるということじゃないか。

少なくとも門戸を広げればその資格の希少性(有難さ)は損なわれる。

2017年から本格的に検討して、2021年に運用開始となるようなので、具体的にその内容がどのようなものになるのかは分かりませんが、この制度変更の中で最もダメージを受けるのが既卒の理学療法士にならなければ良いのだが...。

ひょっとすると、このような資格要件の見直しに合わせて保険制度も変わってくるのかもしれない。

リハビリ系国会議員団も出来たことですし、もし不利になるようであれば、何か打つ手があると良いですね。

2016年7月16日土曜日

ばら撒くカネがあるのなら

また一週間が過ぎました。今週も戦いの連続でした。何と戦っているか。実のところ敵ははっきりとはしないのですが、私の行く手を阻む反対勢力は至るところに存在します。それは時によっては運動方程式で表されるような力学的法則であり(あそこのカーブもっと綺麗に曲がりたいんだけど...)、隙があれば体内に潜り込んで来ようとするウイルスなどの微生物であり(ちょっと夏風邪ひいちゃった...)、また時によっては過ぎ去った世界から私にひそひそと語りかけて来る記憶の塊であったりします(あそこでアレやっとけば良かったよぉ...)。今週に入って新しい日本が動き出してますね。去年の大晦日に「今年を境に世界が変わる」という趣旨の記事を上げましたが(良い年をお迎え下さい)、今のところ的中してる気がする。イギリスのEU離脱とか日本の改憲に向けての動きとか、あ、そうそうアメリカももうすぐ大統領選です。日本では近々ヘリコプターからお金がばら撒かれるという噂が立ち、週明けから金融市場は爆上げしてます。前にも書いたことだけど、これが最後の売り場になるか要注目...。ばら撒くカネがあるのなら消費税下げろっていう議論もあるみたい。確かに土建屋さんだけではなく、我われ一般の市民にも直接行き渡る政策が良いですよね。

2016年7月15日金曜日

裏でしっかり...

選挙の後、ブログをお休みしてましたが、期間中書いてきたことは周りの人にも結構読まれていて、それがきっかけとなって自民党から改憲案が出されていることを初めて知ったり、各政党や候補者のことを調べ始めたという人が少なからずいました。このテーマについてはこれからも事あるごとに書いていきたいですね。僕自身は自衛隊なり軍隊なりどんどん強くして他国が攻めて来た時に十分に打ち負かせるようにしたら良いと思うのですが、国民の自由に生きる権利が国によって制限されることには絶対的に反対ですね。インターネットが世に現れて個人が何でも好きなことを公衆の面前で言えるようになり、国側の人たちにとってみれば彼らが守りたい秩序を守る上で都合の悪いことも数多くあるのでしょう。憲法改正の議論はどうも第9条に集中しますが、そこに国民の注意を引いておいて、しれっと人権に関わる条項が不当に書き換えられることのないよう、声の届く範囲でみんなに声かけしていきたいですね。場合によっては、国民投票の日も知らぬまま人権(幸せに生きる権利)を損なわれる人たちも出て来るかもしれないし。。。個人情報の保護も危ういよね。マイナンバーはその布石かも...。選挙期間中、時々ここでも話題にしていた自民党から立候補の理学療法士の先生も当選されたようです。おめでとうございます。今後は、業界からのリクエストが幾つか叶えられる一方で、より大きな枠組みでの制度変更においてその叶えられた分が裏でしっかり回収されないように見張っとかんといかんですね。通った要望の数をカウントするばかりではなく、リハビリ業界にとって不利な制度変更がその間にどれだけなされたかもマメにチェックするべきだよね。

2016年7月10日日曜日

えっ、改憲?

今日はもう書く気はなかったんですが......改憲派で2/3超えそうですね。やはり与党は強かった。反改憲の人たちからすれば「なんで〜」というところですが、そこまで直ぐには憲法やら人権やら日本人にとって普段馴染みのないことは浸透しないですよね。偉い人らに任せといたら大丈夫やというのが大多数の人たちの考え方かもしれません。でも、これは日本に限ったことではないかもしれない。当時、僕はアメリカに住んでいたのだが、911同時多発テロの後、アフガンやイラクの市民を殺しまくっていたジョージ W・ブッシュが2004年11月にアメリカ大統領に再選された日のことを思い出した。ま、この場合は「偉い人」と言うより「強そうな人」でしたけどね。。。今回の結果を見る限り、日本には自らの格下げも厭わず、労働時間の規制緩和や解雇条件の緩和など、厳しく不安定な労働環境の中で暮らし続けたいと思う人たちがたくさんいるみたい。次は国民投票になるのだろうか。今ごろになってテレビでは改憲が話題にされ始めた模様です。「えっ、改憲?」みたいな人もこれまた沢山いたりして^^

2016年7月9日土曜日

もう終わってます

明日までにまだ書きたいことあった。経済のこと。もうエエて、という人もいるかもしれないが、あと少しだけオレに言いたいことを言わせてくれ〜。アベノミクス。もう終わってます。異次元緩和と言って2013年頃からカネを市場に流しまくってきたのですが、2015年6月をピークに株もドル円も下がってます。今ちょうど半値押しの水準だけど、これから昨年高値を超えていく材料は何も見当たりません。おそらく7月末に日銀による追加緩和策が出るのでしょうが、もうそういった政策に市場が大きく反応することはなく、株やドルが上がったとしてもそこは絶好の売り場となるのでしょう。明るい話ではないですが、もうどこが政権を取ろうがさして変わりはないのです。ドル円に関していてば、アメリカサイドの事情もあり(そちらの方が超重要)、今100円だけど120円よりアベノミクス前の80円の方が近いんだと思う。以前は緩和という、まだ打つ手が残されていた80円に対し、今度迎える80円には治療の余地はないかもしれない。株もどこまで下がるのか。個人的には異次元の下落に備えておきたいと思います。経済で選べば自民党。。。もはやそんな選択の仕方は成り立たないと思って下さい。だからテーマは憲法なんだって。

選挙シリーズこれまでの記事:

グルだよ(7月9日)
格下げなんだよ(7月9日)
コストの象徴(7月7日)
気づかぬままに(7月7日)
一億総slave社会(7月5日)
握手してハグして乾杯して(7月4日)
いずれは派遣?(7月3日)
価値ある未来(6月30日)
どうせ最後は...(6月23日)

グルだよ

今日と明日でこのブログにおける選挙シリーズも終わります。

僕自身はもともと支持している政党があるわけではないのですが、今回ばかりは絶対的に反与党。

今、衆院で改憲勢力が2/3を占め、この選挙で参院も同じことになると与党の改憲案が国会を通ってしまう。

絶対に改憲反対というわけではないのだが、その内容については考えたい。

東京で山◯太◯さんと小沢一郎さんが応援する三宅洋平さん(無所属)という立候補者がいます。

今回の選挙では無党派層から最も注目されている人たちで、渋谷駅前などで連日1万人以上の聴衆を集めて演説活動をしています。

それだけ人が集まる選挙演説を僕はこれまで見たことがないし、一つの社会現象と言えるほどの大きな盛り上がりをみせているのですが、ネットの個人の投稿以外にこのことを取り上げるメディアがないんですね。

つまりテレビや新聞ということです。

これって確かに拡散は防げるのかもしれないけど、山◯さんや三宅さんらが批判している勢力、つまり自民党や経団連とテレビ・新聞がグルだということを世間に曝け出してしまってますよね。

こんなことだと、マスメディアによる報道なんてネットの情報より胡散臭いものだと皆に気づかれてしまいますよ。

みんなエサをくれる人には弱いからね。

企業が不利になるようなことはしないです。

昨夜は人権の話をしたけど、下々の者たちの権利(自由)を制約したいのは誰かを考えてみると良い。

一つの可能性として考えられるのは、あなたに給料を払っている側の人たちであり、その人たちからの要請を受けて国を治めている人たちだ。

自民党を応援しようとする労働者・サラリーマンの人たちは、自分たちを安くこき使おうとしている人たちをわざわざ応援するようなものかもしれないですよ。

山◯太◯さんと三宅洋平さんだけでは信用できないという人。

下のリンクから小沢一郎さんの応援演説を聴いて下さい。ちなみに元首相の鳩山由紀夫さんも三宅さんらを応援しています。

↓ ↓ ↓
https://www.youtube.com/watch?v=CZVvo1tiA64&feature=youtu.be

オープンに真っ当なことを言っている人たちを国会に送りたいです。

僕は兵庫選挙区ですが、「反改憲」ということで、民進党の候補者に投票することにしました。比例代表区は「生活の党と山◯太◯」です。

格下げなんだよ

さて、今夜も選挙と絡めて自民党の改憲内容について少し考えてみたいと思う。

「改憲」と言うと「戦争」とセットで語られることが多いけど、僕自身が特に気になるのは国に対して国民が格下げされようとしていること。

今年の憲法記念日にこんなブログを書いたんですが、現行憲法第三章国民の権利及び義務の章にある「公共の福祉」という文言が改憲案では「公益及び公の秩序」に置き換えられ(第三章 第十二条、第十三条、第二十九条の2)、「個人の人権よりも公益や公の秩序の方が大事だ」ということが謳われている。

で、大事なのは、これが我々の日常生活に具体的にどのような形で効果を発揮するかということだが、たとえば、国の過失(原発事故など)で自分や家族が再起不能の病気になったりケガをしたりした場合、国を相手に裁判をしても勝てる可能性が今よりも更に小さくなるかもしれないということ。

個人の人権より公益が優先されるのだから、最高裁で事案を憲法に照らし合わせた結果、「個人は少々のことは我慢しなければならない」という旨の判決が判例として定着するかもしれません。

また、個人の人権の制限は、国との関係においてのみならず、たとえば会社と社員の間にも適用されることになるだろう。

会社が公益性のある事業に携わっていれば、社員はその公益のために身を粉にして働かなければならないとか。

そういう理屈も憲法に後押しされてまかり通るかもしれません。

そうなったら長時間労働や低賃金、パワハラ・セクハラも当たり前になって今で言うブラック企業はある意味消滅したりして。

だってブラックなのが当たり前になるのだから。。。

第十三条の「個人として尊重される」という言葉が「人として尊重される」に置き換えられていることも見逃せない。

たとえば、僕の同業者であるリハビリ職の人たちって「その人らしく...」という言葉が好きな人多いんですけど、そういう概念も改憲後は薄くなるだろう。

個性よりも均質性が重視されて、子供の教育なんかも皆同じような人間になることを目指したカリキュラムが導入されていくことになる。。。

ここまで書いてきて思ったんだけど、なんかこれって昭和の時代に巻き戻って行ってんじゃないの?

そういう時代を復興させたい人たちが自民党には集まってるということだ。

改憲したいなら選挙運動の中でその趣旨を有権者に説明して賛同を得るというのが筋だと思うが、それをしないということ自体が国民を軽んじてるよね。

個人として尊重してない。

たぶん、口にしなければ気づかれぬまま選挙に勝てると、国民をバカにしているんだろう。。。

3年前の憲法記念日にもこのブログで書いたことだが(憲法なんて知らないよ)、憲法って国民を国家権力(公務員)から守るためのものだ。

その憲法が骨抜きになると、また公務員が上から目線で市民に対応することになるだろう。

知り合いの税理士さんが言ってたけど、昔の法務局の窓口ってめちゃ偉そうにしてたらしい。。。

そういう時代がまた来るってことですよ。

憲法は国と国民との関係を規程する契約書みたいなものだが、国側が一方的に書き換えようとしてるんだから、国民にとって有利になる変更などあるわけない。

読むのが面倒くさいからと言って中身を確認せずに軽々しくハンコ押しちゃダメなんだってば。

2016年7月7日木曜日

コストの象徴

すいません。参院選に向けた話を続けさせてもらいます。投票日が過ぎる前に書いておきたいと思いまして。。。今回の選挙で自民党(及びその他の改憲勢力)やその候補者に投票するということがどういうことなのか。先日、同業者であるリハビリ職の人たちと話す機会があったんですが、それはやはりどのような動機による出馬であれ、その勢力の力を借りて立候補している人に投票するということは、その勢力が推す政策に今後6年間賛成する人を国会に送り込むということなんですよね。たとえば、自民党であればその改憲案を含む全ての法案にです。ま、中には気概のある人がいて、選挙の時だけお世話になってその後は自分自身の主義主張を押し通す人もいるかもしれないけど、それはそれでそれなりの報復を受けることになるだろう。。。

リハビリ業界からも一人、自民党から立候補しているのですが、自民党にとってみればリハビリに限らず団体スジは組織票が期待できるし、不特定多数を相手にした選挙活動よりカネがかからず、それでいて首尾よく当選した場合にはイエスマンが一人手に入るわけです。ま、あまり品の良い言い方ではないけど、彼らにとってみれば美味しいお客さんなんだよね。

でも、ちょっと考えると、自民党って医療・介護などの社会保障を優先している政党ではないし、どちらかというと、そういう領域への手当は縮小していきたい政党じゃないんですかね。ヒラの国民に基本的人権があることが問題だという人もいる政党ですから。。。

リハビリなんて「コストの象徴」みたいなものですよ、彼らにとっては...。その中で使い捨てされることなく、戦争法案とか人権削減法案とか、そういうものに賛成しながら、議席を獲得した交換条件としてこれからの社会保障(リハビリ)の削減幅を最小限にする。社会保障制度の基盤には人権思想があるわけで、人権をおろそかにする一方で社会保障の充実を訴えることには大いなる矛盾があるのだけど、つまりそれが支持者が立候補者に託す仕事になるんだろうね。理念なき制度の実現。

気づかぬままに...

前回のブログ(一億総slave社会)は一部伏せ字を使ったせいか拡散ブロックはかからなかったみたい。。。「slave」というと言葉があまりにもどぎつい感じがするし、今どきの文明社会でそんなの許されるわけないじゃないかと思う人もいるかもしれないけど、少し冷静に一つ一つの事実を繋ぎ合わせて考えてみたらそうとも言い切れないんじゃないかと思ったわけです。確かに一昔前のアメリカ黒◯奴◯のようなあからさまな形ではないかもしれない。でも、slaveである本人がそうとは気づかないほどのゆるやかなslaveというか、自覚することもなく一部の人たちにとって都合の良いように使われていることってあるんじゃないかと思うんですね。今回の選挙は「改憲 vs 護憲」もテーマだけど、「資本家 vs 労働者」、つまり「格差社会」も大きなテーマだと思う。そしてこの二つのテーマは実のところ密接に関連しているのかもしれない。改憲派が好戦的である理由の一つには、企業の要請に基づく軍事産業の支援があるんでしょう。以前に大手企業に勤める知り合いが「うちはドンパチやってくれた方が儲かるんですよ」と僕に話してくれたことがあったけど、一部の企業にとってみれば、戦争もオリンピックも売上を上げるためのキャンペーンなんだよね。。。兵隊になって死ぬのは労働者クラスなわけだけど、そのクラスの人たちがわざわざお金持ちの味方になって戦争に向けての準備やら労働者を守る人権法の削減やらを進めようとする政党に投票する必要はないんじゃないかと個人的には思います。ま、そこまで考えて投票するのも確かに面倒くさいことではあるけどね^^

2016年7月5日火曜日

一億総slave社会

7月3日に書いたブログなんですけど、異様に拡散されてないんですよね。聞くところによれば、特定のワードが記事に入るとSNSのタイムラインに流れないとか。「山◯太◯」と書き込んだり動画のリンクを貼ったりしたのが理由かもしれない。自分から情報を探しにいく分にはそこまで不自由するわけではないけど、人に伝えたいことがブロックされて伝わらない仕組みってどうなんでしょうね。。。法人減税の埋め合わせに消費増税をして普通の人たちからカネを吸いとりそのカネを(たとえば)オリンピック絡みの公共投資により法人(大企業)に流しているという彼らの主張は筋が通っているように思うけど。雇用破壊の話も納得できます。所有するより期間限定でレンタルした方が安く上がるってことですよね。以前にマクロ経済に詳しい人から、政府は日本経済や一般の国民がどうなるかなんてどうでもよくって経団連と財務省の言いなりに税制決めたり財政出動したりしているという話を聞いたことがあるけど、山◯さんの話もそれと重なるんですよね。大学に入学するまでの学校教育により子供たちが去勢されてしまっているのは日々感じることなんですが、娯楽を介して彼らを阿呆にしながら、そして教育ローンによって彼らを貧乏にしたまま、そういう社会の仕組みには極力目を向けさせず、囲いの中で小さく満足する人間を国は都合よく育てたいのかもしれない。そういう風に考えると、政府が言う一億総活躍社会なるものも、本当のところは「一億総slave社会」だったりして...。「総」は英語の「so」に変えても良いだろう。so slave。「活躍」と言ってもいろんな活躍があるよね。ひょっとすると slave として光り輝くことを期待されているのかもしれません...。

2016年7月4日月曜日

握手してハグして乾杯して

昨日、久しぶりにメルマガを配信しました。書き始めるとやはり楽しいですね。内容は学術論文の紹介なので、一般向けというより、ある程度医学的な知識のある人たち向けです。ブログは脳やリハビリに興味のない人でもある程度楽しんでもらえる内容かと思いますが、メルマガの方はちょっと専門的になりますね。一応、MIT卒ですし、曲がりなりにも大学で教えている身なので、書こうと思えば専門チックな話も書けるんだというところも見せておかないと...。人に何かを伝えることを目的に情報収集すると自分の勉強の質も高まります。

昨日、選挙の話を書きましたが(いずれは派遣?)、先日ある人と話をしていて、政治家というのは市民の象徴だねということで意気投合しました。日本では天皇が国の象徴とされていますが、それはあくまでも理想的な象徴で、現実的な象徴は議員さんたち、または集約すれば総理大臣なのかもしれません。つまり、総理や政府、国会が冴えない、無責任、ビジョンがない、自分たちのことしか考えてない、なんてことがあるのならば、結局のところ、それは国民が冴えなかったり、無責任であったり、ビジョンがなかったり、自分たちのことしか考えてなかったりするということなんでしょう。

それとは関係ない話なんですが、リハビリ代表立候補者のビデオを観ました。リハビリ現場の声や想いを伝えるという趣旨のお話でしたが、いったいどういう声や想いがあるんでしょうね。とても不思議なんですが、ここのところがよく分からないまま、みんな握手してハグして乾杯して盛り上がっているように思えます。たぶん、多くの人の間では言葉にせずとも目配せだけで分かり合える信頼関係が出来ているからなんでしょうが、中には僕みたいに分からない人もいると思うので、100項目でも200項目でもそれ以上でも良いから箇条書きで今ある声や想いを具体的にリストアップしてもらえると良いなと思います。

PT・OT・STの診療報酬倍増とか、開業権の法制化とか、養成校の学費無料化とか、保険診療における患者自己負担率10%引き下げとか、なんでも良いと思うので、現場の人たちが具体的に何を望んでいるのか、この機会にみんなで明確にしてはどうですかね。案外、漠然とした不平不満はあれど、じゃ何をしたいのか、どうなりたいのかは、実のところ良く分かっていないという可能性も十分にあるんじゃないかと密かに思ってます。

2016年7月3日日曜日

いずれは派遣?

選挙の話。と、この出だしだけ読んで興味を失った人がたくさんいるかもしれない。でも、今回の参院選はこれまでのどの選挙よりも重要になる予感がするんだよね。もちろん「改憲」が絡んでいるということもあるが、昨年の大晦日に書いたように、日本がこれからどんな国になっていくのかを左右する節目のような気がする。たとえば、国民の権利が今よりも制限される方向で進んでいることは間違いないように思うけど、僕はそういうのはヤなので、今回はできれば護憲派の人や政党に投票したいですね。自民党の候補だと国会で与党の改憲案に賛成するだろうしね。。。さて、うちの兵庫選挙区は東京選挙区ほどには盛り上がってなくて、一応調べたけど、誰にも入れたくないといった状況です。こういう時はどうすれば良いんだろう? いろいろ調べたけど、今回一番感心したのは山本太郎さんのこちらのスピーチ。信じるとか信じないとか、好きとか嫌いとかいろいろあるとは思うけど、ここまで具体的にそして明快に自分の主張を語り尽くしている政治家ってなかなかいないと思います。理学療法士みたいなリハビリ専門職もいずれ派遣中心になるかもしれないしね。

2016年7月1日金曜日

CBRメールマガジン

7月が始まりました。今年後半に向けて何か新しいことしたいなと思っています。まだ6ヶ月もあるんだから一つくらいまとまったこと出来るんじゃないですかね。これは新しいことではないんですが、しばらく休刊していたCBRのメールマガジンを復刊しようと思っています。実はもう配信セットしていて、明日の夕方5時ごろにメルマガ登録してくれてる人たちにメールが届く予定です。これまでCBRの学会やセミナーに参加してくれた人たちにも配信されますので、突然のメール失礼させて頂きますかもしれません。。。このメルマガは、脳とリハビリに関連する領域で近年発表された学術論文を手短かに紹介することを目的としています。論文の紹介とその論文に対する僕のコメントから構成されています。もし、まだメルマガ登録していなかったり、これまでCBRセミナーに参加したことがない人はこちらの登録サイトから配信の申込をして下さい。ブログなどでメルマガの内容を公開することはありませんので、メルマガ読者にしか触れることのできない内容となっています。このブログ同様、無料ですのでタダで読めます(当たり前か...)。研究している人、臨床している人、教えている人、メルマガ登録お待ちしています。