2012年7月23日月曜日

裁判官が和解をススメるワケ

明日(24日)は和解期日である。原告・被告・裁判官が法廷に集い、和解の可否について協議する。段取りとしては、まず裁判官から和解案が提示されるわけだが、この時、その提案の根拠となる「本件に対する釈明」が聞けるはずである。「釈明」というのは裁判官の「見立て」です。原告が裁判官とお話する時には被告は別室で待機し、被告がお話する時には原告がしばしお暇(いとま)する。これは僕の推測なのだが、裁判官はそれぞれに「判決になると不利ですよ」と忠告するのだと思う。「不利になるから、この辺りで手を打っておいた方が良いですよ」という論法です。でも、当事者双方が不利になるというのもおかしな話ですよね。今回のケースで言えば、被告が原告に幾ら支払うかを決めようとしているわけで、支払い額が増えるようだと原告有利で被告不利。減るようだと原告不利で被告有利となります。原告と被告はシーソーの両端に座っているわけで、両方が同時に沈む(不利になる)なんてことは、シーソーの棒が真ん中で折れでもしない限りないんですよね。。。

でも和解で必ず有利になる人はいるんです。そう、それは何を隠そう、裁判官殿です☆

だって、判決書く手間が省けるんですもん。いや、手間だけじゃないです。判決を世に送り出すリスクも無くなるんです。これは別に今回の裁判官がどうのこうのというのではなくって、裁判官みんなに言えることだと思います。特に後者のリスクについては、うっかり間の抜けな判決でも書こうものなら、判例として後世に残ってしまうわけで、方々から批判されたり、バカにされたり、場合によっては恨まれたりしますよね。また、これも僕の推測なのですが、裁判所もお役所なので、おそらく世間が注目するような画期的な判決を書くよりも、裁判官にとっては「ミスをしない」ということの方が、昇進したり、保身を図る上で重要なことなのかもしれません。だから必ずどの訴訟も判決前に裁判官から和解の提案がなされるんじゃないですかね。。。和解協議の場では「訴訟リスク」とか「判決リスク」とかいう言葉が飛び交いますが、ここには必ず「裁判官にとってのリスク」という意味も含まれるのだということを、考慮する必要があると思います。

さて、明日はどんな話になるんでしょうか。裁判官からの強い希望があるので、一応協議の席には着きますが、僕には今のところ和解する理由が見当たらないんですよね。ひょっとすると結果的に僕にとって本当に不利になるのかもしれませんが、判決リスク、取りたいと思っています☆


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弁論準備手続
続・弁論準備手続
今週末はヤマだな
手続的正義
和解期日
弁論再開
訴えの変更
5分で終わる弁論準備
判決もコピペなのね

2 件のコメント:

  1. 裁判に裁判官自身の都合が組み込まれてるなんてなんか裁判ってなんなんやろと改めて思います。
    判決のリスクなんて考えず自信を持って判決を下す裁判官はどれくらいいるんですかね?
    そういう裁判官が増えたらなんかいいですよね。
    まっ裁判官も食っていくための仕事。そんなのきれいごとですよねー(笑)

    某大学学生より

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  2. 上のブログの内容はあくまでも僕の推測ですが、そうであってもおかしくない話だと思う。当事者が「判決で」とお願いしてるのに裁判官が「和解でなんとか・・・」と応じるのは、やはり裁判官の都合があるんでしょうね。

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