2012年7月13日金曜日

やっぱ、大切なのはリスペクト

先日、久しぶりにDickからメールが届いた。DickとはRichard J. Wurtmanという人のニックネーム(呼び名)であり、僕が今の職場に来る前にお世話になっていたMITのラボの主宰者である。昨年、一応ご高齢のため、ラボはクローズし、名誉教授となられたのだが、今も自らのオフィスを学部内に確保し、ご自身が所有する研究財団の運営を軸に、企業のコンサルティングや執筆活動をされている。もう80近いとは思うのだが、尋常ではないギンギンさで、ハチャメチャに人生を謳歌されていると言っても過言ではない。

実際に彼と仕事をしたのは2年足らずの短い期間だったのだが、その時やった僕の仕事を今でも高く評価してくれていて、時どき僕が関わっていたプロジェクトのその後の進展について連絡してくれる。今回は、Numicoという食品会社と数年前から進めているヨーロッパでの臨床試験についてのニュースだった。第2期の治験がうまく行き、初期のアルツハイマー病を対象とした医療用サプリが近々リリース出来そうだと言う。

これ、最後までうまくいくと、ホントにデカい話になるんですよね。分かる人はもうここまでの話でピンと来てると思うんですが、市場規模、ハンパじゃないですから。今どきの言葉を使えば、「ヤバい」です。

さすが、Dick!☆ 器がデカい!

......で、実はここからが今日の本題なのだが、僕がこのブログで本当に皆さんにお伝えしたいことは、僕たち(Dickのグループ)の成功談ではなくて、何年経っても、周りの人の貢献を評価(appreciate)し、それに対して感謝の意を表す彼の姿勢である。人をリスペクトする(尊重する)心と言っても良いだろう。

これは僕の知る限りでの話ではあるが、日本でなかなかこれを出来る「偉い先生」っていないんですよね。なかなか出来ないどころか、Dickみたいに自分が勝ち取って来たグラント(研究助成金)から人を雇っているわけでもないのに、あたかも自分が雇っている部下であるかのように年若の人たちに甘えてくる。ご本人は「感謝の気持ち」なんて微塵もない。。。うちの学部にもつい最近までいましたね。そんな勘違いしたご老人。。。

そういう意味でも、Dickの輝きは眩しいんだよね。僕もできればこうありたいと思う。プロジェクトの成功を祈ります。

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