さて、僕の本人訴訟を巡る連載も一つのヤマを迎えようとしているわけですが、昨夜のブログでは契約解除の態様に対する当事者並びに裁判官らの主張・認定について以下の通りまとめてみました。
1)お相手さんの主張:坂本さんの債務不履行により契約を解除した。
2)僕の主張:お相手さんの債務不履行により契約を解除した。
3)裁判官らの認定:当事者間の合意により契約は解除された。
契約の解除というのは、契約または法律に基づく「解除権」が契約の当事者の一方に発生した場合にできる行為であり、この権利の行使は、相手方に対する契約解除の意思表示によってします(民法540条)。
これを上の各当事者の主張に照らし合わせてみると、
1)お相手さんは、僕の債務不履行により生じた解除権をもとに、僕に対して解除の意思表示を行った。
2)僕は、お相手さんの債務不履行により生じた解除権をもとに、お相手さんに対して解除の意思表示を行った。
ということになります。
しかしながら、本件一、二審判決では、契約解除の責任はお相手さんにある、つまりお相手さんは不当に仕事を放棄した(債務不履行を為した)という認定がなされましたので、お相手さんには当時契約を解除する権利などあるわけがなく、どれだけ解除の意思表示をしようとも、契約を解除することなど出来なかったわけです。
一方、僕について見ると、相手方が仕事を放棄したことによって、債務不履行による法定解除権が発生しており(民法541条)、お相手さんに対し意思表示をすれば有効に契約解除できる状態にあったわけです。しかしながら、判決では、昨夜のブログのとおり、この解除権を行使するための意思表示を僕が行わなかったという判断が下されました。
つまり、一、二審裁判官らは、お相手さんによる解除も僕による解除もその成立を認めなかったわけです。
そして、上記3)のとおり、裁判官らは独自に当事者双方の合意による解除が成立したと断定しました。。。
さあ、ここでこの「合意による解除」なんですけどね。コレ、法律用語では「合意解除」って言うらしいんです(そのまんまですね...^^;)。
裁判官らの言い分では、お相手さんが「契約を解除する」と言い放ったのに対して、僕が「じゃぁ、金払え」と応じたことで、契約を終了するという合意が当事者間で成立したことになってるんですが、
コレ、やっぱどう考えてもおかしいんですよね。可笑しくありません?
互いが「そっちが悪い」という真逆の主張をしているのに、合意が成立したなんて変ですよね...。そう、変、変。一般人の常識的感覚とはかけ離れていますよね。。。
で、ですね、初めは僕も何がおかしいのか、おかしいということは分かるんだけど、それをどう法的に言い表すことができるのか分からなかったんですが、
「そもそも合意解除って何なんだ?」
ってところから考えてみたわけですよ。
そしてですね。合意解除というのは、
「契約関係を解消するという当事者間での新たな契約である」
という、合意解除の一つの教科書的定義に着目してみたわけです。
するとですね。そもそも契約って何なんだ?ってことを考えざるを得なくなったわけですが、調べてみると、契約の成立には「申込」と「承諾」が必要だということを知ることになりました。
(次回につづく)
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