2014年10月7日火曜日

空間地図

ノーベル賞の発表がありました。医学生理学賞。今年はなんと脳科学分野の研究成果に授与されました。動物の空間認知を可能にする神経メカニズム。脳科学は一般の人たちに人気のある分野でもあり、今となっては膨大な数の研究者がその大切な人生を捧げている分野でもあるわけですが、その割にはなかなかノーベル賞が授与されないんですよね。この前の受賞は2004年に遡りますので、ちょうど10年前になります。これだけ世間が脳を崇めているご時世にあって、10年間もN賞がなかったなんてちょっと意外じゃないですか? 今回受賞の対象となった空間認知に関わる海馬周辺の神経機能についてはこれまでも学生への授業で何度となく話をしてきていますし、受賞者3名のセミナートークもMITにいた時に直接聞いたことがありましたが、正直、面白い発見ではあるけれど、それがまさかノーベル賞を取ることになるとは思ってなかったですね。。。でも結果論的に言えば、「場所細胞」の発見によって海馬の行動神経生理学や空間認知の理論モデルが大きく発展していったわけだから、真にオリジナルな研究成果だったと言えるものなんでしょう。海馬はその他の脳領域と比べるとハードコアな研究が多いですからね。。。「◯◯細胞」ということでは、ミラーニューロンなんかもコンセプト的にN賞向きであるのかもしれないけど、今後、受賞することはあるんでしょうか。場所細胞やグリッド細胞と比較すると、ちょっと大衆化し過ぎちゃってるかもしれないね。リハビリの世界も含めて、なんでもかんでもミラーだもんね^^

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