2014年10月27日月曜日

ほんとうに評価しなければならないこと

臨床理学療法学演習の3回目が終りました。僕担当分は4回なので4分の3が終ったことになります。僕的には先週分ともども良い授業になっていると思う。たとえば、impairment とdisability との結びつけや、仮説を検証するための評価法をその都度考案することについての話など、2年の脳科学や3年前期の研究論とも繋がるところがあって、結局のところ、基礎学力とひらめきが大事なんだということを学生たちと確認している。

impairment とdisability の結びつけについては、学生はこの科目が始まるまでに一通りのことを学んでいるんだけど、いつの間にかお決まりの手続きをこなしているだけになってしまって、リストアップしたキーワードをクロスワードパズルのようにただただ組み合わせるわけです。

学生自身もその作業をするだけでは何か腑に落ちないことは薄々感づいているわけですが、こういう行き詰まったところをどう打開するかは教科書には書いてないんですよね。

また、彼らが理学療法評価学なんかで習う一般的な検査から得られる情報というのは多くの場合、限定的な(非生理的、非日常的な)状況下での情報に過ぎないんですが、実際的な場面で表出する運動障害のメカニズム(仮説)を検証するような検査の仕方についてはほとんど思いつけないというか、考え方のコツを学んでいないんです。

それで脳科学や研究論でやったことを思い出させて臨床、科学、研究はそれぞれ相通じてるんだということを例証したりするわけですが、ほんとうに評価しなければならないことは、案外、理学療法の教科書には記載されてなかったりするんですよね。

0 件のコメント:

コメントを投稿