2016年7月18日月曜日

むしろ人手を減らすため

昨日の日経新聞に掲載された記事。

医療・福祉の複数資格取りやすく 厚労省、共通科目導入検討

医療・福祉系の資格が一人で複数取れるよう、厚労省が制度変更に着手したらしい。

たとえば、看護師や介護福祉士がセカンドライセンスとして理学療法士免許を取るとかです。

もちろん今でもそれぞれ正規のカリキュラムを履修すれば、二つ、三つと資格を併せ持つことはできますが、それをより容易にするということです。

この改革の狙いについて少し考えてみたいのですが、単に人手不足を解消するといったことではないと思う。

むしろ人手を減らすための施策だろう。

つまり、今は現場のいろんな業務が制度上細分化されていて、すべてをカバーするにはそれぞれの専門資格を持った人を採用する必要があり、経営サイドとしては効率が悪いのかもしれない。

たとえば、ちょっとした理学療法業務を看護師さんや介護士さんが出来ればわざわざPT(理学療法士)を雇う必要はないといった状況があるのかもしれないです。

これはこれらの専門職者を養成する学校にとっては受験者のマーケットが広がるわけで歓迎すべきことなのかもしれないが、PTにとってはそれほど喜ぶべきことではないだろう。

この規制緩和と連動してPTの卒業要件もお役所主導で緩和されることは可能性としてないわけではない。というか、資格を取りやすくするわけだから、緩和されるわけだよね。

となると、PTに求められる水準(レベル)は今よりも下がるということじゃないか。

少なくとも門戸を広げればその資格の希少性(有難さ)は損なわれる。

2017年から本格的に検討して、2021年に運用開始となるようなので、具体的にその内容がどのようなものになるのかは分かりませんが、この制度変更の中で最もダメージを受けるのが既卒の理学療法士にならなければ良いのだが...。

ひょっとすると、このような資格要件の見直しに合わせて保険制度も変わってくるのかもしれない。

リハビリ系国会議員団も出来たことですし、もし不利になるようであれば、何か打つ手があると良いですね。

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