2015年10月9日金曜日

先送りの文化

いつの間にか臨床実習の話にすり替わってしまいましたが、昨夜は業界としてのリスク管理が出来てないんじゃないかという結論に至りました。別に狙ってそこに着地したわけではないんですが、話の流れに従って行くとそういうことになったというだけなんですけどね。学生を十分に鍛えないと一人前にはならないし、かといってやり過ぎるといろんなところに歪みが出てくる。子育てってホント難しいです。実習指導に関わる方々にとってみれば、やはり自分が関わった学生には立派な理学療法士になって欲しいという想いがあるでしょうし、その想いが本物であればあるほど、ここでなんとか成長してもらって・・・ということになるんだと思います。でも「全部を一度に」というのもなかなか難しいことだと思うんですね。学校内でもあるんですよ。似たようなことが。僕が主担当で開講している科目に「臨床理学療法学演習」という科目があるんですが、これは臨床実習の直前に開講される科目でそれまで学生が学んだことをフルに使って模擬患者の問題解決に取り組む総合演習です。だから学内教育の中でも非常に重要な科目ではあるんですが、どうもここで全てを解決できるかのような錯覚が生じます。実際のところは総合するためには要素が必要であって、前段階をきちんとマスターしていないと学習は成立しないわけですが、なんとなくそこで頑張れば全てが解決するはずだと思ってしまうわけですよ。問題の一つは前修条件を満たさないままに次のステップに送り出す仕組み(慣習)にあって、これは学校への入学試験から始まることだと思います。たとえて言うなら、理科を知らない学生が理学療法学科に入学し、入学すればなんとかなると思いながらそのまま知らないままに卒業していく先送りの文化ですね。ま、何が言いたいかというと、臨床実習だけではなく、そこに繋がるまでの道のりにいろいろあるってことですよ。

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