神戸学院大学 総合リハビリテーション学部 准教授 坂本年将のブログです。日々の生活についてアレコレ書いていきます。専門は脳科学(PhD)とリハビリ(理学療法士)です。脳とリハビリ研究所 Facebook ページ https://facebook.com/cbr.jp
2015年10月27日火曜日
正当化され増幅される
さて、昨夜の続きを書きますか。理解を言葉で表すって話です。昨日書きながら何となく思ったんだけど、理学療法の世界って、結構「言葉で表せない」の一言でもったいつけたりしてることあるんじゃないですかね。実際、それを「アートだ」なんて言ってる人も見たことあります。いや、優れた治療家の技は確かに「アート」だろうとは思うんですけど、やっぱりそこで留ってたら周りの人にはなかなか伝わらないかもしれないね。いや、アートに説明は不要だとは思うんですよ。良い絵や良い音楽は講釈がなくても良い絵や良い音楽であるように、患者が治れば別に説明なんか要らないのかもしれない。でも、治療の場合はちょっと絵画や音楽などとは違うタイプのアートなのかなとも思うんですよね。治療者は何かを手がかりにしてリーズニングしているわけで、その一連のステップは言葉でかなりの部分説明できるんじゃないかと思う。別に科学的な言葉を使わなくてもその治療家が理解していることを普通の言葉で表現すれば(その理解が本物である場合は)誰もが理解できるんじゃないか。場合によってはマニュアル化さえできるかもしれない。その言葉のとおりに他人がすぐに実践できるかどうかは分からないですよ。それはまた別のスキルの話です。でも、やり方を言葉で説明することはできるはずだと思う。それが出来ないと言うのであれば、その人の理解自体が怪しいんじゃないか。治療効果というのは、治療者の頭の中で正当化され増幅されることもあるからね。
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