2014年7月28日月曜日

アクト・オブ・キリング

というドキュメンタリー映画を観に行って来た。邦訳すると「殺すという行為」とか「殺しの本質」とか「殺しの心理」「殺しのアート」みたいな感じになるんですかね。インドネシアで50年ほど前にあった大虐殺で実際に大量に人を殺したギャングの親分とその取り巻きが登場します。カメラの前で当時行っていた拷問と殺しの場面を再現していくわけですが、なんかこういう「人間ってこんなに残酷になれるんですよ」「こんな悪いことして平気な人たちも世の中にはいるんですよ、ホレ」みたいな、メッセージ性を感じる映画って、ちょっと「いかにも...」みたいな感じがして、確かに衝撃的ではあるけれど同時に厭らしさも感じてしまうところはありますね。この映画に出てきたギャング(プレマン)たちも報酬目当ての「仕事」として、誰かに依頼された殺人を粛々と繰り返していたわけで、心の底から殺す相手を憎んでいたわけではないと思う。というか、感情を伴わない「作業」であったからこそ、何人も何人も虐殺していくことが出来たんだろう。人を殺す仕事って、世の中普通にありますよね。たとえば、日本でも死刑を現場で執行するお役人さんはいるわけですし、テロリストをかくまう国を空爆したり、ビンラディン(たとえば)を暗殺したり、また殺し屋とか軍人とか役人とかにそうするよう命令する人たちもいるじゃないですか。僕がこの映画を観て再確認できたことは、人は常に大義を見出しては誰かを殺してるよなってこと。そして、殺人とまではいかなくとも、思考停止した上で、「上が言ってるから...」という理由で、コトの善悪にかかわらず粛々と目の前の作業をしている人はごまんといるよな.....ってことですね。

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