2013年6月25日火曜日

Quality of My Life

昨日まで Neuro2013 に参加してたんですが、このブログでの連夜の報告記の中で書き込めなかったことがあったので、書いておきます。

二日目に「基礎と臨床の連携」をテーマにしたシンポジウムがあったんですが、主要なテーマは日本の医者の研究教育をどうするかといったことでした。どうやら最近は基礎の研究者(PhD)を目指す医学生が少なくなっているようなんですね。20年ほど前であれば、たとえば京大ではほとんどの医学部生が大学院に行ったということなんですが、最近はほとんどが行かないとか。

大学院に行かない理由はいろいろとあるんでしょうが、シンポジウムでも指摘されていたように、たぶん研究者の道に学生が魅力を感じないんでしょうね。それよりは専門医として早々にキャリアを確立して開業したりすることの方が医者として充実した人生を送れると考える人が多いということなのかもしれません。

うちの学生は医師(MD)ではなく理学療法士(PT)の卵ですが、PTはMDに輪をかけて大学院志望の人は少ないと思います。ま、PT学会なんかに行くと、PTもたくさん研究発表はしているんですが、お医者さんたちがここで言う「研究」というのは、暗に wet-lab を想定していて、マスターするのにフルタイムで学んで数年間はかかるような分子生物学や電気生理学に関連する手法を使った研究なんですね。そしてこういったレベルの研究ということで言えば、大学院を修了したPTと言えども、ほとんどはそんな研究はしていません(だってPTの教員自体がそんな研究したことない人たちばっかだからね)。

ま、MDにしろPTにしろ、憧れるような先輩研究者がいない、もしくは少ないというのは残念なことではありますね。また憧れる人がいても、その憧れの存在になるためには、大きなリスクを抱えたり、多くの犠牲を払わなければならないように見えてしまうというのも残念なことです。

Quality of My Life

シンポジウムの討論の中で登場した言葉なのですが、優秀な研究者のQOLが高まらないと、 日本の biomedicine、bio-rehab も今後あまり発展しないのかもしれませんね。。。  

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