2012年9月10日月曜日

ローリスク・ローリターンな生き方(続き)

昨夜からの続きでローリスク・ローリターン(長いのでLR2とします)のお話をもう少し。これって、資産運用の世界から出てきた言葉なんですかね。値動きの小さいものに乗っかれば、安定してるけどそれほど増えない。でも動きの大きいものだと、減ったときは大きいけど、増えるとき
も大きい。つまりは、ハイリスク・ハイリターン(HR2)。

昨日は理学療法士のキャリアをLR2の日本国債に例えたわけだけど、一晩経っても特に間違ったアナロジーではないと思うな。

確かに担当している患者さんを良くするために、許容できるリスクを最大限とって最大限の治療効果を引き出そうとしている理学療法士はたくさんいるだろうし、また、より良い理学療法を創造するために「命をかけている」という人も中にはいるのだろう。しかし労働の対価を得る手段としては、理学療法士の働き方は至ってLR2なのである。そう、安全志向のど真ん中。

ま、理学療法士がLR2ではなくHR2を目指そうとしたところで、なかなかリスクの取りようもないとは思う。だって医療保険を使って理学療法サービスを患者さんにお届けしようと思ったら、医療機関勤務のサラリーマンになるほかはないのだから。

分かりやすい話をすれば、理学療法士には開業する法的権利がないので、投資したお金をテコに成果を飛躍的に上げていくような働き方は出来ないんですよね。

自分でクリニックを開業すれば、開業資金はかかるだろうし、クリニックを運営していくための経費もかかる。患者さんが明日、そしてそのまた明日と来院してくれる保証ももちろんない。でもやり方によっては病院勤務のサラリーマンPTとは全く違う水準の金銭的報酬を得ることも可能だろう。

僕が言いたいのは、「limited」 ということなんですよ。昨夜も書いたけど、別にLR2な生き方が悪いと言っているわけじゃない。でもそれしか選択肢がないというのは寂しいんじゃないかということ。

もちろん「理学療法クリニック」を開業することだけが、理学療法士がHR2な働き方を実現できる方法だと思っているわけではないのだけど、一つの「分かりやすい例」ではあるんですよね。

そういう意味では理学療法士(PT)の「開業権」って、PTにとってはものスゴく重要な権利だと思う。他にもいろいろこの権利を獲得する意味はあるんだけど、取りあえず、今夜はこの文脈でその重要性を謳っておきます。

日本の理学療法士で構成される「日本理学療法士協会」って言う団体があるけれど、開業権の取得というのは、実はこの団体がやるべき最重要な組合活動なんですよね。

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