2015年2月6日金曜日

風紀委員会じゃないんだから

前回のブログでは近頃公開された日本理学療法士協会のこちらの文書を話題にしたのですが、ちょっと書き漏らしたことがあったので今夜はその補足を。

この文書は理学療法士が身体に障害を持つ方々へ医師の指示なしに理学療法したらアカンよということを会員に周知するものなんですが、文書の最後に「会員諸氏の真摯な行動を強く要望します。」とあります。

これはおそらく前段の「事故があったら法的責任問われるぞ」「医者と連携して安全で効果的な運動指導せえよ」という忠告を受けたものだとは思うんだけど、忠告している相手が誰かというと、ま、「全会員」という風にも取れることは取れるけど、この文書にある文脈からして、保険適用外で(医師の指示なく)理学療法に類するサービスを提供している理学療法士に向けられた言葉なのだろう。

僕は思うんだけど、身体に障害を持つ人たちに保険の枠外でサービス提供することって不真面目なことなのかな....(「真摯」という言葉を辞書で引くと「まじめで熱心なこと」とある)

そんなの分かんないことだよね。

ひょっとしたら不真面目に熱意もなく自費診療している人(ここでは「診療」という言葉は適切ではないけど...)もそりゃいるかもしれないけど、自費だからこそのプレッシャーの中で命一杯している人たちもたくさんいると思うよ。

いや、医師の指示の下に言われたことやってる理学療法士よりよっぽど責任感じてやってるんじゃないの?......普通に考えて。

「事故があったら責任負うことくらいアンタに言われんでも分かってるって」

くらいのことは、これを読んだ「保険外PT」諸氏はきっと感じたことだろう。

理学療法士による保険外運動指導などが違法なことなのかどうかは上の協会文書を読む限り定かでないことは前回のブログで書いたとおりなのだが、いずれにしても、国としては保険の枠外で医療が回るのであればそれは嬉しいはずのことであり、そこに理学療法士の免許を持った者が陰ながらでも貢献できるのであればそれはとても素晴らしいことだと僕は思う。

もしその素晴らしいことを現に理学療法士がしているというのであれば、協会の役目はその芽を摘むことではなく、その草の根をしっかり保護し育てることにある。

協会は三流中学校の風紀委員会じゃないんだから。

0 件のコメント:

コメントを投稿