2012年11月22日木曜日

おっちゃんの怒り

今日のランチは以前このブログでもちらっと紹介した焼肉屋さんで済ませた。昼の1時を過ぎていたけど、結構混んでいて、僕が入店した後もすぐに隣の席に夫婦らしき年配の一組がやってきた。二人とも60代の中頃かな?男性の方は野球帽をかぶって、勤め人ではない様子。リタイアし
てたとしても、昔サラリーマンをしてた風には見えないね。二人とも悪い感じではないけど、あんま愛想もない感じで、この界隈でよく見かける玉津・伊川谷的おっちゃんとおばちゃんって感じ。

で、二人ともハラミだかカルビだかの定食を注文したんだけど、おっちゃんの方は追加でグラスワインをオーダーした。実は僕もメニューを見て飲みたいなぁと思ってた期間限定ボジョレーヌーボー。もちろん僕は車で来てたので頼まなかったけど、近所から歩いて来れる人たちはいいなぁ、なんて思いました。

そしてしばらくしてそのボジョレーのグラスがおっちゃんの所にやって来たんだけど、なんとウエイトレスがこのグラスをおっちゃん目がけでひっくり返してしまった!

テーブル上の肉やキムチに赤ワインが降り注いだのはもちろんのこと、おっちゃんのはいていたジーパンにもかなり掛かった様子。で、どうなるのかなぁ、っと思ってその後の様子を見るともなしに目の端で追っかけてたんだけど、怒らんかったね。このおっちゃん。ウエイトレスも一通り謝ってたし、ワインと料理はすべて新しいのに交換になったので、「ま、しゃーないか」みたいな感じです。。。

実は僕もずいぶん昔にこういうことあったんです。アメリカに渡って最初の正月で、カナダのモントリオールに遊びに行ってたんだけど、夜にスイス料理のお店で確かチーズフォンデュを食べたんですよ。それで赤ワインを頼んで、ウエイトレスがグラスにそれを注いでくれたんだけど、何かの拍子で彼女がグラスを倒してしまった。この時、僕は今日のおっちゃんみたいにびしょ濡れになったわけです。。。

こういう時って、不思議と怒れないものなんですよ。あまりにも相手の過失があからさまなので、拍子抜けするというか何と言うか。。。別に相手も悪気があってやったわけではないわけだし。。。で、この時は相手が何度も僕に謝った上、確かいくらか料理の代金を値引いてくれた覚えがあるね。

それで、今日はそれから何事もなかったかのように、僕もおっちゃんらも食事を続けてたんだけど、食べ終わって、ちょうどそのおっちゃんらと席を立つのがほぼ同時になった。僕の方がちょっと遅かったので、レジまで行った後、そこでどんなことが起こるか、おっちゃんらの後ろから少し興味を持って見てたんだけど、会計の女の人はウエイトレスがワインぶっかけたこと知らなかったのか、あるいは知っていたのに知らないふりをしたのか、正規の勘定言って、おっちゃんの奥さんから代金もらうと「ありがとうございました」って言って終わりにしちゃったんだよ。

僕はそれを見ながら「こんなんで良いのかな」とかなり違和感持ったんだけど、おっちゃんもこの時になって初めて怒ったね。

「謝らんかい!」
「ワインこぼしたんやろ!」
「ズボンの下まで濡れとんや!」
「ありがとうございました、言うて、それだけで帰すんかい!」
「ほんまやったら、銭(ゼニ)払わんでもええくらいや!」

とか、覚えてるだけでも言ってたね。

店長らしき男が出てきて、「クリーニング代出します」とか「お食事券差し上げます」とか言って必死に取り入ってたけど、おっちゃんは、

「そんなん要らんわい!」

と言って、店を出た。そう、おっちゃんは値引きや洗濯代やクーポン券が欲しくて怒ったわけではないのだ。

その後も、駐車場で店長が謝り、ワインこぼしたお姉ちゃんも出てきて「私が(レジに)伝えてなかったからなんです」なんて言ってたけど、それは言い訳にはならんわね、お姉ちゃん。

「わしも商売しとるからいろいろあることは分かるけど、最後に謝ったら気ええやろ!」
「そんなことも出来んのか!」

やっぱ、おっちゃんは自営業やってたんだ。。。

実は駐車場では僕も少し参戦して、おっちゃんに、

「おっちゃんの言う通りやと思うよ」

なんて言ったりしたんだけどさ。。。

最後におっちゃんらも僕もそれぞれの車に乗り込んだんだけど(おっちゃんらの車はアメ車のような、デカくてイカつい車だった)、後から考えると......おっちゃん、ワイン飲んだのに、運転したらあかんやん。。。

ま、おっちゃんは車の運転席に乗ってからも開けた窓越しに店長の男に説教してて、僕は先に駐車場を出たので、実際におっちゃんが運転して帰ったのかどうかまでは見届けることは出来なかったんだけどね。。。

いずれにしろ、おっちゃんの焼肉屋での怒りは100%正しいものだと思うな。

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