2012年4月15日日曜日

いつか月曜日に、きっと

読んだ。ナディン・ゴーディマ著『いつか月曜日に、きっと』。この前の『トゥルー・ストーリーズ』と同じく、エッセイ集でした。読む前にはスーザン・ソンタグの『同じ時のなかで』(これまたエッセイ集)と2冊僕の前にあったのですが(どちらも作者は女性)、両方をパラパラっと読んでみて、ゴーディマさんの方をそのまま読み進めることにしました。何の予備知識もなく読み始めたのですが、作者は南アフリカ共和国在住の白人(ユダヤ系)で、アパルトヘイト絡みの話が中心です。自国における黒人差別の問題に白人作家としてどのようにコミットしていけば良いのか、自身のアイデンティティーの構築と確認、作家としての立ち位置(最近よく耳にする言葉で言えば「ポジショニング」)についての思索が綴られています。一部に創作論もあり、その中で作者は次のような言葉を残しています。

「フィクションとは人生のなかに可能性としては存在しながら、しかし一度も夢見られたことのないことがらを探求する方法である」

冒頭の本書タイトルは「Some monday for sure」の和訳です。

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