2016年1月14日木曜日

割に合わないかな

さて、前回ブログの補足をしておきたいと思います。理学療法士の臨床実習が原因で自殺する学生もいるんですよというお話ですね。

人間はいろいろですので、確かに実習地の指導者にもいろんな人がいて、中には無闇に偉そうであったり、意地悪であったり、厳しかったりする人もいるんですね。

でもそういう人たちもほぼ無償で学生の指導に当たっているわけですし、自分が信じる指導法を貫いた結果、事によっては学生の命の責任まで問われるのではちょっと割に合わないかなとも思います。

今回ここで話題となっている事件の指導者がどうだったのかは分かりませんよ。でも一般論として、その指導者なりに一生懸命指導した結果が裏目に出るということもあるんじゃないかと思うんですね。

理学療法に対する熱い想いがあれば上手くいくというほど単純なものではないと思います。

先日も書きましたが、やはり指導者にすべての罪を負わせるのはフェアでないと思う。

問題はもっと構造的なもの、たとえば、何ヶ月にもわたる臨床実習が養成カリキュラムに組み込まれていることや、その長期の教育を担う指導者たちが必ずしも教育のプロではないということなどにもあるのかもしれない。

理学療法士はプラクティカルな仕事なので現場での経験が大事なのは分かるんですが、学校教育の中でそれにたくさんの時間を費やし(とは言っても限られた時間の中で)学生が一人前になることを目指すというのも無理があると思うんですよね。

以前このブログでも書いた覚えがありますが、臨床経験は臨床に出れば何年、何十年と積み重ねることができるわけですし、そういう現場経験を通して仕事の段取りを覚えたり、それを慣れるまで習得したりするのは、卒後(就職後)に、必要なら見習い期間を設けるなどしてやった方が良いんじゃないかと個人的には思います。

いずれにしろ、これも個人的な見解ですが、相撲取りになるとか、プロ野球選手になるとか、そういうごくごく限られた人にしかできない技能を習得するわけでもなく、理学療法士になるのに学生が命を落とすほどのシゴキをする必要はないと思います。

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