2016年8月9日火曜日

逆説的ではあるけれど

イチロー選手が大リーグ3000本安打を達成したそうです。おめでとうございます。今からちょうど3年前、日米4000本の時もブログを書きましたが(おちゃめな天才)、今回のは合わせ技ではなく純粋に大リーグだけでの記録なのでアメリカの野球ファンもケチのつけようがありません。

ピートローズの大リーグ記録を抜いたかどうかは議論の余地のあるところで、僕自身はローズ氏の主張にも一理あると考えている。が、そもそも比較が出来ないですよね。両者が戦っていた土俵がぴったりオーバーラップしないのだから。。。

仮にイチローがハイスクールを出て直ぐにメジャーでやっていたとして彼が今のように活躍できていたかどうかは分からないし(これはかなり懐疑的...)、逆にローズが日本のプロ野球でイチローと同じく9年やっていたらもっとヒットが打てたかというとそれはそれで疑わしい。

天才ローズと言えども文化の違う日本でイチローのように7年続けて首位打者を取るのは難しかったんじゃないか? 誰もこの視点からは考えてないように思うけど。。。

世界がグローバル化するとこういう問題は起きるよね。

僕はそういう記録の比較よりもイチローが外国で殿堂入りするくらい活躍できたことに拍手を送りたい。違う種類の、そしておそらくはレベルも違う野球にアジャストできたことは野球の素人から見ても途轍もないことだと思う。

たぶん、イチロー選手にはプロの中でもとりわけ強い自我があるんだろう。みんなと仲良くするという意味での協調性などではなく、自我があるから適応できる。逆説的ではあるけれど、全体の中で自分のポジション(居場所)を確立するということはそういうことだ。

日本人大リーガーの草分け野茂英雄投手が渡米した時に、取材記者から「チームメートとの会話で困ってないか」と聞かれこんなことを言ったらしい。「特には。日本でも会話することはなかったですから」と。

ホントの話かどうかはさておき、野茂なら言いそうな気がする。いや、イチローも渡米した頃はそんなだったんじゃないかな。彼らがアメリカで成功した理由の一つは、彼らのそういう類い希なる「適応力」にあったんじゃないかと僕は思う。

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